【揺花草子。】<その1932:未来を見据える。>
【揺花草子。】<その1932:未来を見据える。>
Bさん「この前さ、ここに向かうバスに乗ってたら、
小さな子供たちと乗り合わせてね。」
Aさん「ほう、そうなんだ。」
Bさん「その日はお休みの日だったから、客層がいつもと違ったのね。
その子供たち、4,5人のグループだったんだけど、
街に遊びに行きます的な雰囲気だったの。
なんかウキウキテンションだったし。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「たぶん小学校の高学年くらいだったと思うんだけど、
ぼくのことを遠巻きにちらちら見てたわけ。」
Aさん「へぇ・・・」
Cさん「どこの小学校の子かと思ってたんだと思うわ。」
Aさん「(小学校の子!!!)」
Bさん「と・とにかく、その子たちがね、ぼくのことをちらちら見ながら、
なんか笑い合ってるわけ。
よくよく聞き耳を立ててみると、どうやら
『生ブロンドツインテだ!』みたいなことを言ってた感じだった。」
Aさん「小学校高学年にしてブロンドツインテと言う単語を出して来るとは
なかなか将来に期待できる感じだね・・・。」
Cさん「阿部さん方面でってことでね。」
Aさん「いや言わんで良いでしょそれ。」
Bさん「まあそれ自体は別にいいのさ。
なんだかんだ言って周りからじろじろ見られることが多いのは確かだし、
それが普段とは違う客層の乗り合い客ならなおさらだよ。
それよりも気になったのは『生ブロンドツインテ』と言う表現なの。」
Aさん「はぁ・・・」
Bさん「こう言うさ、『生〇〇』って、最近よく聞く表現だよね。」
Aさん「あぁ・・・うん、確かにそうかも。」
Cさん「『生放送』とか『生中継』とかね。」
Aさん「それはあまり新しい言い方じゃないですね?」
Bさん「『生肉』とか『生野菜』とか。」
Aさん「それは本来の意味だろ!
そうじゃなくて、『リアルの』って意味で『生ナントカ』って
言いますよねってことだよね?」
Bさん「そうそう、そう言うこと。
有名人を見かけたときとか言ったりするよね。
『さっき新宿で生タモリ見たよ!!』みたいな。」
Aさん「なんでタモさんを例に挙げるのかは別として、まあ確かにそう言う言い方はするね。」
Cさん「ヨロシク生仮面とかね。」
Aさん「懐かしい話題出して来ましたね!!」
Bさん「最近はほらインターネットとか仮想現実的なアレがどんどん進歩して来てて、
将来的には裸眼VRとか出来ちゃって、
目の前に何らかの物体が存在してもそれが本物かどうか見分けがつかない、
なんて時代が来るかも知れないよ。」
Aさん「いやー・・・それはさすがにSF過ぎるとは思うけど、
でもまあ、発想としてはね、あり得るかもね。」
Bさん「そうなるとさ、そのうち、こう言う言い方もするようになるんじゃないかな。」
Aさん「え、どんな?」
Bさん「今日の晩ゴハンは
生の焼き魚ですよ。」
Aさん「ちゃんと火を通せ!!!」
生焼けちゃん。
----------
「Meister's Brief」から自動転送
http://www.studiohs.com/28if/brief/2017/05/12.html