【揺花草子。】<その1921:過ごしやすすぎてまともに過ごせない。>
【揺花草子。】<その1921:過ごしやすすぎてまともに過ごせない。>
Bさん「五月病になりました。」
Aさん「いや・・・え?
5月に入った途端に?」
Bさん「そう言うのに敏感な方だから。」
Aさん「この場合そう言う言い方はしないと思うよ?」
Cさん「阿部さんみたいに季節や気候の移り変わりに鈍感なインドア人間とは違うのよ。」
Aさん「酷い言いようですね!!」
Bさん「とにかく五月病なんですよ。」
Aさん「はぁ・・・なに、倦怠感とか意欲減退とかに苛まれているわけ?
とてもそうは見えないけど・・・。」
Bさん「そりゃ収録中にそんな顔見せるわけには行かないでしょっ。
ファンに心配かけちゃうでしょっ。」
Aさん「ファンとは一体・・・?
と言うかそもそもここで言っちゃってるしね・・・。」
Bさん「まあでも、ぼくが陥っている五月病は
世間一般で言われる五月病とは少し症状が違う。」
Aさん「えっそうなの?」
Cさん「阿部さん、5月にはどう言うイメージがあるかしら?」
Aさん「5月には・・・?
そうですね、春真っ盛りと言う感じで、冬の寒さはすっかり消え失せ、
かと言って夏のような暑さもなく、また梅雨のような鬱陶しさとも遠く、
緑は輝き空は青く澄んでとても過ごしやすい季節でお出掛けに最適・・・的な?」
Bさん「うーん、重度のインドア派とは思えぬほど的確だね。」
Aさん「重度のインドア派と言うやけに否定的な表現!!」
Bさん「でもまあ、実際そんな感じだよね。
総じて5月と言うのは1年の中でもとりわけ良い時期と言いますか。」
Aさん「うん、そう思うけど。」
Bさん「となると、1年中5月だったら良いのにとも思うじゃん。」
Aさん「いや・・・え? なにそれ?」
Cさん「もちろんそんなの望むべくもないわよね。
1年は12カ月で、その流れによって季節は巡り、
この国に豊かな自然の恵みをもたらしている。
1年中5月だったら、それはもう無機質で終わりなき毎日と
なにも変わらないわ。」
Aさん「まぁ・・・そうですねぇ。」
Bさん「それでも、ぼくは、この5月が終わらないで欲しいと願うんだよ。
5月が過ぎ去ることを、こんなにも切なく悲しく思うんだよ。
それはもう、病的なほどに。」
Aさん「えっ・・・え?」
Bさん「そう言う、新しいタイプの五月病なんだ、ぼくは。」
Aさん「それは病気ではないと思うよ。」
旅も良いですねぇ。
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