英雄の奥様と息子3
寝ぼけて間違い投稿しました。
大変失礼いたしました。
マリロード王国の英雄の息子レオナール・アバードには大好きな婚約者リンディがいる。
レオナールは、暇さえあれば、婚約者で従妹でもあるリンディの元に訪れる。
ある日、父親サイラスの奥様スーザンを独占するための苦労を知ったレオナール。
なぜならば、自分にもリンディに関して同様なことが起こったからである。
リンディはまだ赤ちゃんであったが、リンディの母親であるエミリーの元に、エミリーの友人が、リンディより少し年上の息子を連れて遊びに来た。
リンディとその友人の息子を会せると、その息子はとてもリンディを気に入ってしまったのであった。
「ふわ~!きゃわいいねえ、このこ。
ぷにぷにだねえ~」
エミリーの友人であるアレール子爵夫人の息子アドルフが、リンディに抱き着き、リンディをぷにぷにしていた。
アドルフはまだ2歳で、レオナールよりも小さく、アドルフ自身もまだ幼くて、幼児独特のもちもち感があるにもかかわらず、リンディの特別なぷにぷに感に気づいた。
その現場を、リンディの元に遊びに来たレオナールが目撃してしまった。
人は本気で怒ると無言になる。
レオナールは、無言でそのアドルフからリンディを引きはがし、リンディを抱っこしたまま、別室に連れて行き、鍵をかけて、アドルフがリンディをぷにぷにすることをあきらめるまで閉じこもった。
「まあ、嫉妬深いのね、さすが英雄の息子さんね!」
その様子を面白そうに観察していたアレール子爵夫人は、リンディを取り上げられてしょんぼりするアドルフを慰めながら笑っていた。
「そうなのよ~。
父親のサイラスにレオナールったら、そっくりで、将来、リンディはスーザンみたいに大変そうよ」
「まあ、そうなのね。
でも、将来、有望だから羨ましいわ!!
本当はアドルフの将来の婚約も視野に入れて、今回は連れて来たけど、英雄の息子が婚約者では、勝ち目ないわね~」
アレール子爵夫人は少し残念そうにする。
「あの英雄の息子だからね~。
最近のレオナールは、夫のハリーにも勝つくらい、リンディへの独占欲が見られるわよ」
「あら、リンディちゃん、愛されてるわね~」
「本当にね~」
微笑ましく子供達を見守るご婦人方であった。
一方、リンディに自分や家族以外の男が触れるのを見て、ショックを受けたレオナール。
今なら、サイラスがスーザンの幼馴染ミハイルに抱いた気持ちが痛いほど理解できた。
そこで、レオナールはサイラスに相談した。
「父様、どうやったら、リンディを他の男に触らせないですむ?
とりあえず、リンディを閉じ込めようとしたら、ハリー伯父様に怒られたよ」
「まだ、リンディはハリーの管理下だからな。
それはしょうがないぞ。
でも、結婚してリンディが奥さんになったら、お前がお願いすれば、ずっと屋敷にいてくれるんじゃないのか?」
「うーん、それだと母様のところにミハイルが来た時みたいになりそうだよ。
もっと早く手を打ちたいの」
「そうだな~。
セドリックにいつものように相談してみようか?」
サイラスとレオナールがリンディを独占するために、真剣に話し合っているのを横で聞いていたスーザンは戦慄していた。
やだ!息子の独占欲が悪化している!!
サイラス様の影響かしら?
今からこんなのでどうしましょう……。
それより、セドリック様に相談って、いつものことなの!?
え?まさか、仕事以外にもこんなことまでセドリック様に相談されているの!?
英雄の奥様は、あからさまになった幼い息子の独占欲に戦慄する!




