英雄の奥様と副官3
マリロード王国の英雄サイラスが3週間も隣国へ行くことになった。
その間、代理の将軍補佐であるダリアン・オルセ公爵と、将軍の副官セドリックがサイラスの業務を担うことになっている。
それと同時にセドリックには特別に任された仕事もある。
それはリスト侯爵が非合法の商売をしようとしている疑いがあり、そのためにリスト侯爵の娘アリエッタ嬢に近づき、潜入捜査をする任務である。
セドリックは、エリザベスやスーザン、サイラス達を無事に隣国ツェルード王国へ送り出した後、早速、その日の夜に行われる夜会に1人で参加した。
もちろん、ターゲットであるリスト侯爵の娘アリエッタ・リストと接触するためである。
事前に、この夜会へアリエッタ嬢が参加していることも確認し、なおかつ、アリエッタ嬢にもセドリックが参加することをうまく情報として流しておくという用意周到に準備したセドリックであった。
「まあ、セドリック様がお一人で参加されているわ!」
「え~!もしかして、あのエリザベスと別れたのかしら?」
「まあ~!それなら……」
夜会では、予想以上に1人で参加しているセドリックに肉食系の貴族令嬢達がわらわらと群がってくる。
「セドリック様!今日はお一人ですか?」
「エリザベス様はどうされたのですか?ご一緒じゃないのは、後からいらっしゃるからですか?」
「もしかして……」と言って、セドリックとエリザベスが別れて、自分達にもまだチャンスがあるのではないかとハイエナのようにセドリックに群がる肉食系の貴族令嬢達。
「本日は1人で、エリザベスは来ないですよ。
エリザベスは今、療養のために隣国に行っている母君の元に行っておりますので。
サイラス将軍もいないので、本日は、その息抜きに1人でこちらに参加させていただいたのです」と爽やかに微笑むセドリック。
その微笑みにうっとりする肉食系の貴族令嬢達。
セドリックは、見た目はもちろん、対外的な人柄や生まれも良くて、そのうえ身分も実力で上がるほど有能で、国王や将軍、大臣達からの評価も高く、資産も沢山あるだろうと囁かれている。
しかも、セドリックの妻なら、王子妃や将軍の妻などよりも重責もリスクも少ないことから、よっぽどの野心がない限り、楽して贅沢したい貴族令嬢達には、とても魅力的に思われている。
セドリックとしては、早くアリエッタ嬢と接触したかったが、周囲の肉食系貴族令嬢達がなかなかセドリックから離れなかった。
そこへ、たくさんの肉食系貴族令嬢達も関係ないとばかり、そのセドリックの周りの輪を崩す人物が現れた。
「くすっ。皆さま、お見苦しいですわよ。そんなに群がってはセドリック様もお困りですよ」と言って、情報を流したおかげか、今や社交界一の美女と謳われるアリエッタ・リスト侯爵令嬢自ら、セドリックの元にやってきてくれた。
アリエッタの輝かんばかりの美貌と女王のごとき堂々とした態度のせいで、多くの肉食系貴族令嬢達は怯んでしまって、アリエッタはすぐにセドリックのすぐ側にくることができた。
「お待ちしておりましたのよ、セドリック様。もう少し静かな所へ行きましょう。ゆっくりお話したいことがございますわ」と、本当は何も約束していないのに、さもセドリックと元々、用事があるような口振りのアリエッタ。
「あ、……あぁ、そうでした。お待たせして、申し訳ないです。それでは、行きましょうか、アリエッタ嬢。皆様、失礼いたします」と言って、セドリックもアリエッタの話にのって、何とか肉食系の貴族令嬢達の輪から抜け出すことに成功した。
セドリックとアリエッタの二人は、二人だけになれる中庭のベンチまで来て、話をすることができた。
「助かりました、アリエッタ嬢。あの輪からなかなか抜けられなくて」
「ふふふ。セドリック様は、恋人がいても人気者ですわね」
「いや、そんなこともないと思うのですが……。本日、ご参加のご令嬢達は思ってたよりも積極的な方が多いですね。抜け出せてよかったてす。ありがとうございます」
「ふふふ。では、本当に感謝されているのなら私のことは、アリエッタとお呼びくださいませ」
「いや~。それはさすがに馴れ馴れしいですから。恋人のエリザベスがあなたのことをとてもライバル視しておりますしね」
「あら?エリザベス様がいない間に、乗り換えるつもりで、夜会におひとりで参加されたのでは?」と茶化すように微笑むアリエッタ。
「いえ、それはないですよ。アリエッタ嬢も恋人いない隙に浮気をするような相手では、信用ならないですよね」
「そうですね。でも、男性は、特に素敵な殿方ほど、そういう方が大変多いのですけどね……」としみじみ語るアリエッタに、(そういう苦労をされたことがあるのかな?)と同情的な気持ちになるセドリックであった。
「ふふっ、確かにセドリック様なら、気晴らしに夜会に参加することはあっても、浮気はなかなかされないのでしょうね。残念ですわ、とても……」とアリエッタは少しセドリックに向かって上目遣いをして、寂し気に言う。
アリエッタは、容姿の美しさだけではなく、見事な演技力も加わり、大抵の男性は、グラッとくるというのも納得するほどの魅力があった。
うーん、恋のテクニシャンなのだろうな~。
エリザベスがいなかったら、負けていたかも?
いやいや、そんなこともないか。
あまりあざとい相手とは腹の探り合いになるから、長続きしないしな。
セドリックですら、一瞬は迷ったが、冷静に返すことにした。
「アリエッタ嬢なら、今、社交界で恋人のいない独身男性を選び放題ですよね」とお世辞ではなく半ば本気で言うセドリック。
「まあ、そんなこともないですわ。それに、大勢の方から私が選ぶより、たった一人のセドリック様のような方から選ばれたかったですわ」と今度は無邪気に微笑むアリエッタ。
うーん、さすがだな。
猪突猛進のエリザベスとは本当に大違いだな~。
と感心しながらセドリックは、アリエッタ対策を頭の中で練っていると、アリエッタは、セドリックがちっともなびかず、冷静な様子のため、この程度では駄目かと引いてみることにした。
「……せっかくの機会なので、エリザベス様のことでお聞きしてもよろしいですか?」
「ええ。何なりと」
「セドリック様は、どちらかというとエリザベス様みたいなタイプは苦手だったと思っておりました。でも、エリザベス様が英雄の奥様と仲良くなってから、急にエリザベス様と親しくなり、恋人にまでされましたが、それは英雄の奥様の影響ですか?
そもそも、エリザベス様のどこが良かったのですか?やはり、あの美しさでしょうか?」
「……そうですね。エリザベスは英雄の奥様の影響を受けたおかげで、エリザベスの好感度は確かに上がりましたね。まあ、それだけではありませんがね。
あと、エリザベスの良いところですか……。
うーん、もちろん美しいに越したことはないですし、エリザベスの素顔も好みといえば好みですが、私はそれほど面食いというわけではないので……。
エリザベスの良いところといえば、あの素直な性格と相手のために努力することや、驚くほど行動力があるところですかね。時々、空回っておりますが、あの努力ができることも才能と実感させられました」
「……努力なら、私も誰にも負けない位しておりますわ。
ただ、エリザベス様のようなあからさまにアピールはしませんけどね。あと、英雄の奥様に面識もないのに厚かましく頼るなど、非常識なことはできませんがね」
「ははっ、確かにあれは凄いことですよね。英雄の奥様に突撃するなんて、勇気がありすぎですよね。まるでサイラス将軍のようですよ。
でも、エリザベスは、幸運なことに奥様の人柄の良さのおかげで良い関係が築けていますね」
「……セドリック様がまだエリザベス様とお付き合いをする前に、セドリック様の好みは英雄の奥様だと伺い、私も英雄から執着される奥様のように、まずは美肌を独自で目指しましたの」
「ああ。確かにアンリエッタ嬢は社交界一の美女だけあって、肌も大変お美しいですよね。
……独自といいますと、開発とかされているのですか?」
「ええ。お父様にお願いして、色々と薬品を使って研究をしておりますのよ。それこそ、噂の英雄の奥様が作ったという美肌化粧水に負けない位のものを作っておりますの」
「……なるほど。作られているのは、英雄の奥様の使っているような美肌化粧水のようなものですか?」
「いえ。もっと高度なものなのですよ。あ、でも、付属的に化粧水も開発しておりますわ」
「ほう、なるほど……」と答え、しばし、沈黙するセドリックは、(これが事件の真相なのでは?つまり、リスト侯爵は武器ではなく、娘の美肌のための化粧品開発をしていて、シロでは?)と考えだした。
「セドリック様?」
「ああ、いや、アリエッタ嬢は、英雄の奥様のように美肌ですよ」
「でも、この程度ではセドリック様はサイラス様がスーザン様に惚れたように私には惚れてくださらないのですよね?」
「そうですね、私はサイラス将軍と違って美肌に執着しておりませんので。私が求めているのは、美肌や美しさではなく、プライベートの私を癒してリラックスさせてくれるような方です」
「まあ!それなら、エリザベス様では、心配でドキドキさせられることはあっても、とても癒されるとは思いませんが?」
「……エリザベスの特徴をよくご存知のようですね。
いえ、でも、エリザベスは空回ることも時々ありますが、一緒にいて何故かリラックスできるのですよ。
また、私が気楽にいられるようにエリザベスは気遣ってくれますし、そうなるように努力してくれますし、しかも、その努力することが苦痛ではないようです」
「そうですか……。では、私では駄目なのですね……」とまた寂し気にいうアリエッタ。
「アリエッタ嬢。あなたなら私などよりも、もっとふさわしい方がおりますよ。
アリエッタ嬢は具体的にどのような方が好みなのですか?」
「まあ、私のお気持ちを知っていて、それをお聞きになりますか?もちろん、セドリック様のような方ですよ」
「うーん。私にはもうエリザベスがおりますので……。
正直、アリエッタ嬢は私というよりもむしろ、商売上手な方がお好みのような気がいたしますが、違いますか?以前、頂いた恋文からそのような印象を受けました」
「……よくおわかりですね。さすがセドリック様。私の下心を見抜いていらっしゃるのですね。
ええ、おっしゃる通り、セドリック様のお好きなところの一つは商売上手というか、戦略がうまく、将来、我がリスト侯爵家を盛り上げる手腕をお持ちのところです」とここになって、アリエッタはもう恋する乙女のようにふるまうのをやめ、本心で話だした。
「そうですか……。もし、私でなくても良いというなら、あなたの幸せのためにお手伝いができるかも知れませんよ。
実は、私は国王陛下からの依頼で、若手の領地持ちの貴族達にどうすれば黒字になるかの指導とサポートをする仕事をしているのです。それによって、マリロード王国全体が豊かで潤うようになってきているのはご存知ですか?
無駄なプライドで指導を請わないで、赤字経営を続ける愚かな貴族もまだおりますが、私のこの指導で、私以上に目覚ましい成果をあげた若くて堅実で商売上手な貴族の男性を何人か存じております。
もちろん、リスト侯爵家にも劣らない身分で、見た目もなかなか良い者ばかりです。しかも、その中にはリスト侯爵家へ婿入りしても大丈夫そうな方もいらっしゃいます。
その方々に興味はございませんか?」
「非常に興味がございます!」と間髪入れずに答えるアリエッタ。
「それはよかった。じゃあ、その中でも私の一番のおすすめの方をすぐに、アリエッタ嬢にご紹介いたしましょう」
「まあ、ありがとうございます!
セドリック様の凄い所は、相手の必要なものが的確にわかっていて、それを必要なタイミングで用意できるところですね。さすが、英雄の副官ですわ!」
「ありがとうございます。
でも、そうでないと、あの破天荒かつ神業的に強運で勘の鋭い英雄の副官は務まらないですからね」と言って、セドリックはサイラスを思い出し、はあっとため息をついた。
そんなセドリックを見つめていたアリエッタは、まだ少しセドリックに未練があるため、もしも話をしてきた。
「……セドリック様の理想は、実は英雄の奥様と噂でお聞きましたが、本当ですか?」
「ああ、いや、まあ。エリザベスに出会う前の理想ですかね?ははは」と言って、照れるセドリック。
「その噂を聞いて、私の方がエリザベス様よりずっとセドリック様にふさわしいと思っていました。
でも、その噂から英雄の奥様のところに突撃して、英雄の奥様と姉妹のように仲良くできるあのエリザベス様の図々しさ……いえ、行動力はとても真似できないと思っていました。
そこがエリザベス様に私が負けた敗因でしょうか?」
「エリザベスは変わっているというか、公爵令嬢でありながら、あまりプライドが高くなくて、実行力と素直なところがあるから、それで英雄の奥様ともうまくいったのだと思いますよ」
「……もしエリザベス様がいなかったら、私を選んでくれましたか?」
「うーん。どうですかね。今はもうエリザベスに出会ってしまったので、考えられないですね」
「では、もしあの英雄の奥様スーザン様が独身のうちに出会っていたならば、スーザン様を自分の奥様に選ばれましたか?」
「ははは、そういえば、それはエリザベスに出会う前に、一度考えたことありますね。
もしサイラス将軍に会う前の奥様と出会っていたならば、もしかしたらスーザン様に結婚を申し込んでいたかも知れません。
しかし、あのサイラス将軍の奥様感知能力というか、何というか、あの才能はもはや神業ですから、たぶん私がスーザン様と結婚する前にきっとサイラス将軍に奪われていたと思いますよ」
「確かに!しかも、あのサイラス将軍なら、もし、スーザン様が結婚した人妻だろうと、子持ちだろうと、スーザン様を略奪する位はしそうですよね……」
「そうですね。国外逃亡でもしないときっと無理ですね。いや、サイラス将軍なら、あの強運で国外でも見つけだしたかも……。
あー、奥様はどこにいてもサイラス将軍に落ちる運命かと思えて不憫ですね……」と、セドリックは普段からのサイラスの奥様への執着を思い出し、うんざりするのであった。
アリエッタ嬢も、そのセドリックの意見に大いに同意して、うんうんと縦に頷いた。
マリロード王国では、英雄サイラスがいる限り、奥様はスーザンがなるしかなかったということが貴族間ではもう常識となっている。
たとえスーザンが国外にいても、サイラスと結婚する運命だっただろうとサイラスの身近にいる関係者達は語るのであった。特に英雄の副官セドリックは、英雄のことをよく知っているだけに、奥様が英雄から絶対に逃れられないと悟っていた。
セドリックはこの後、アリエッタ嬢を通じて、リスト侯爵家へ実際に開発している現場と開発した物の確認をさせてもらえるようにリスト侯爵に交渉した。
もっとも、それこそがセドリックに密かに託された任務であったが、これにはなかなか難航した。
リスト侯爵家としては、娘のアリエッタを広告塔に、その開発した美肌商品で独占商売を検討しており、将来のリスト侯爵家の婿候補(セドリックお墨付き)を紹介するだけでは交渉材料が足りなかった。 考えた末、セドリックは、セドリック自身がリスト侯爵家の開発商品の流通の手助けをするだけでなく、アリエッタ嬢に英雄の奥様を紹介し、その開発している美肌商品のアドバイスをお願いするように口添えするという約束をした。
これにはリスト侯爵一家は非常に喜び、快く開発現場や商品を協力者として確認させてもらえることになった。
数日後、リスト侯爵家を訪れ、屋敷内の確認を密かに捜査員と一緒に検証し、リスト侯爵家が無実であることは間違いないことが確認できた。
あの全身火傷のような怪我をした使用人の子は、美肌のために古い皮膚を薄く剥がすことで美しい肌にする薬品の原料の一部である高濃度の原液を、危険と言われていたのに冒険気分でいたずらして、今回の事故に至ったということであった。
リスト侯爵家でも子供が勝手に侵入して起こした事故であったが、薬品の管理が悪かったと反省し、その使用人の子の治療費をリスト侯爵家で持っていた。ただし、開発した商品を内緒にしたいがためにリスト侯爵が、治療する医師に対外的にはその子供の病状を原因不明とするようにお願いしていたことがわかった。
それのせいでリスト侯爵はあらぬ容疑をかけられたのだとセドリックや捜査員達は怒り、この事件の捜査は徒労であったとため息をついた。
セドリックがリスト侯爵家の無実の報告をする頃には、その子供もきちんと治療されていたおかげで、後遺症もなく回復に向かっていた。
リスト侯爵家の事件は、無事に解決したが、ただひとつ、セドリックが気になることがあった。
それはリスト侯爵が無実であったことで、なぜサイラスの勘が珍しく外れたのかと疑問に思っていた。 結果として、サイラスは奥様と初めての海外旅行へ無事に行けたことから、このために勘がサイラスにとって有利に働いたのかもとセドリックは考えた。
サイラスの勘は神憑っているが、真実を当てるというよりもむしろ、サイラスがより奥様と幸せになるためにしか働かないものであった。
この事件の解決には3週間もかからず、セドリックは、もうエリザベスとの婚約の障害はなくなったので、エリザベスが旅行から戻って来るまでの残りの期間で、エリザベスが帰国したらすぐに結婚を申し込むための準備をし始めた。
一方、アリエッタは、セドリックに紹介してもらった相手とお見合いして、順調にうまくいき、有望な新しい婚約者ができた。
そして、スーザンがサイラス達と共に隣国ツェルード王国から無事に帰国して、落ち着いた頃に、アリエッタは、エリザベスの実行力を見習い、スーザンの元へ訪れ、美肌の教えと商品開発のアドバイスを請いに行った。
もちろん、アリエッタはエリザベスと違って、セドリックの紹介状を持って、きちんとスーザンに訪問のアポイントメントも取ってから訪れた。
「私にも美肌になるための方法や、我が家で開発した美肌化粧品へのアドバイスをいただけるでしょうか?」とお願いするアリエッタに、スーザンはエリザベスの突撃事件を思い出し、懐かしく感じた。
「ええ!セドリック様からお話を伺っております。私にできることなら、是非、ご協力いたしますよ」とセドリックに頼まれたスーザンも、快く承諾した。
その後、英雄の奥様のような魅惑肌を作ろうと研究していたリスト侯爵家は、英雄の奥様スーザンと共同で美肌だけではなく、今以上に美白にもする化粧水を開発することに成功した。
しかも、それをやり手のアリエッタ嬢の婚約者が、セドリックの助けも得て、国中に流通させて、上手に販売することで多大な利益を生み、リスト侯爵家はさらに繁栄した。
こうして、英雄の奥様と共同開発した美白にもする美肌化粧水の普及により、マリロード王国の女性達の間で、美白美肌率も上昇してきて、マリロード王国が他国から「美肌帝国」と呼ばれる日も近くなってきた。
英雄の奥様は、美肌帝国の女帝もしくは美肌創生の母と呼ばれる日も近い!




