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夏生詩集3

昨日

作者: 夏生

朝、目を開けると

天井がないんです

うちではないんです

体育館の高い天井が

あるだけなんです


東日本の震災当時

読んだ記事が

忘れられない


振り向けば

手をのばしたら

すぐ届きそうな場所に

日常があった


目を閉じて見る

昨日の朝は

うちの天井を

お気に入りの

お月様のようなライトを

深い橙にして眠って

起きた


当たり前のように

蛇口から水が出て

当たり前のように

電子レンジや冷蔵庫

洗濯機が

使えて

当たり前のように

朝のテレビは明るく元気で


当たり前のように

子どもを起こして

主人を見送って


当たり前の前で

あくびをひとつして

自分も仕事の支度をして


昨日、と、つぶやく

目を開けると

嗚咽した











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