はじめてのクエスト その３
今回短いです
「美味しかったにゃー」
「味にはうるさいんじゃなかったのか？」
「これはホントに美味しかったにゃー」
「どうしたヴァナーナ、旨すぎて声も出ないか？」
「…ユウリ、お前ホントに男か？」
「えぇっ!?」
「料理がうまい男に初めて会ったぜ…」
「え？ユウリって男だったのにゃ？」
「まさか…」
「アチシてっきり女の子かと…」
「男だよ！」
うーん、この口調にすれば間違われることないと思ったんだがな。
「ユウリ、」
「なんだ？」
「ざまぁぁぁぁ！」
ドカッ
「ぐぼぉぉぉ」
「ざまぁ。」
「えぇと、ユウリとヴァナーナ、アチシの家で暴れないでくれにゃいか？」
「すまなかったな。じゃあ俺は報酬受け取って帰りますか。」
「おぉ、忘れてたにゃ。はい、クエスト達成証明書。」
「これは…ギルドに持ってけばいいのかな？」
「ユウリ、クエスト初めてかにゃ？そうにゃ。それをギルドに持ってけば報酬を受け取れるにゃ。」
「じゃあな、また気が向いたら来るよ」
「ああ、あとこれも。」
「ん？」
グレープンの手には5000Gがあった。
「…後、10回来いと。」
「違うにゃ。一番下のクエスト達成報酬にゃ。」
「一番…下の……？」
なんだっけ？
確か…恋人募集…だったっ…け…
「———!!?」
「あはは、」
「おうおうユウリよ、ラブラ———」
ドカッ
「ぶほぉぉぉ」
「じゃ、じゃあな！」
「バイバイまた来てにゃ。」
「——!?——き、気が向いたらなっ！」
どどど、どうしよう、間接的にだけど女の子に告白されたの初めてなんだけど！
そ、そうだ。こんなときには素数を数えるんだ。
「2.3.4.5.6.7.8.9…あれ？」
ヤバイヤバイ素数も数えれなくなったよ。俺。
そうた深呼吸。
「スーハースーハースースースースー…ゲホッゲホッ」
何やってんだ俺。
「あー、でも落ち着いたわ。」
何しようかな……本当に何も決まってないな。このセリフ何度目だ？
「…あぁ泊まるとこないわ。探すか。」
「兄ちゃん！宿を探してるのかい？だったらうちに泊まっていきなよ。」
なにこのジャストタイミング。作者もう少し話を膨らませろよ。
「じゃあそうさせてもらおうかな」
「毎度っ」
まぁ泊まっていくけどな。
「何泊するんだい？」
「ん～一泊いくら？」
「一泊30Gだよ。朝食つけるなら50Gだよ」
もしかして報酬の500Gってスゲー高いのか？
「じゃあ五泊で。」
「あいよっ五泊で250Gだよ」
俺は250Gを渡す。
「丁度だね。」
「部屋は？」
「ああ、部屋は二階の五号室だよ」
俺は二階に登った…んだが…
「広くね？」
そう、広いのだ。少なくとも部屋が100部屋はあるな。
そして五号室が見つからない。
「えぇ、こういうのって一号室から並んでるもんじゃないの？」
バラバラだ。三号室の次に四十五号室がある。
「…はぁ。一から探すか。」
この時、俺は気がつかなかった。気付くことが出来ればあんなことには…
ユウリが気がつかなかった事とは？
次回それが明かされる！
ユウリ「はえーよ」
