表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/45

エピローグ 『俺の高校生活が白髪碧眼の女神のせいで崩壊寸前だった件について』

 連休が明けて初めての週末。


 俺は駅前で一人ソラを待っていた。


 この間オロチと戦っているときにソラとした約束、週末の街でのグルメイベントに付き合うためだ。


 前回は綿密な計画が狂ってしまいあやうくぶたれそうになったが同じ轍を二度は踏まない。


 キッチリ約束の時間の15分前には到着することができた。


 辺りを見回すがソラの姿は見られない。


 スマホで時間をつぶしてもいいがネットニュースは見飽きたしゲームのログインも済んでしまった。


 そういうわけで俺は一人この一週間にあったことを振り返ることにした。


 学校では普段は相変わらず本田、坂倉とつるんでいる。


 ソラや奈良との一件で本田の反感をかうかとも思ったのだが、考えれば俺がソラや奈良のような美人と釣り合うわけない、と勝手に納得していた。


 坂倉はまあ、元々恋愛沙汰に興味はないっぽいのでいつも通りだ。


 奈良についてだが、恋敵認定はされてしまったが(付き合っていないといっても全く信じてくれない)自分のお気に入りの本を真剣に読んでくれたのが嬉しかったのか、たまにおすすめの本なんかを貸してもらったりしていて険悪な雰囲気はなく、むしろ前より話すようになった。


 面倒ごとは勘弁なので非常にありがたい。


 学校外はというと、スサノオとはメッセージアプリで雑談ばかりしている。


 俺の理解が及ばないオタクの話ばかりだがまあ、別に嫌というほどでもないから聞いてやっている。


 今度オロチを引き取ってくれたお礼ということで地下アイドルのライブを見に行くことになり、当初殺されそうになっていたのが嘘のようだ。


 萌えの神様とはあれから会ってはいないが、ユニ子としてライブで会うことができるだろう。


 正直に言うとスサノオの家でなでなでされて以来ユニ子のことが少々気になっていて、普段どんなアイドル活動を行っているのかを知れるからひそかに会うのが楽しみではある。


 筋肉の神様とも会っていないがたまに萌えの神様とお茶会をしていて次回の開催時に誘ってくれるらしいからその時話すことになるだろう。


 それとすっかり忘れていた神の世界についてだが、スサノオたちが日々捜索してくれているらしく、捜索するなと言われているからこれは素直に従っておこう。


 そして忘れちゃいけないオロチについてだが、さすがにデカいとかげを家に置いてくれとは言えないため頭を悩ませていたのだが、なんとオロチのやつは変身ができることが判明。


 俺の家に着いた途端に可愛らしい子猫に化けやがった。


 家族にはクラスメートがイギリスに留学することになりその間だけこの猫を預かっておくことになった、と適当に説明したらなんとおいてもらえることになった。


 まあ鳴き声はニャー、ではなくヤマー、だが。


 こうして思い返してみるとこの一か月信じられないようなことが次々起こり、俺のいる環境は中学の頃とまるっきり変わってしまった。


 神に会うわ、連れまわされるわ、殺されかけるわ、化け物と戦うわ、めちゃくちゃだったな。


 しかしめちゃくちゃだったけども、退屈ではなかった。


 こんなことになったのはなぜだろうか。


 運命? 宿命? いや違うな。


 遠くからこちらに向かって走ってくる影が見える。


 すべてこいつのおかげだ。


 一か月前は存在すら信じていなかったこの最高神のな。


 ソラが近づいてきて声を掛けてきた。


「今日は早いのう。何か変なものでも食べたかの?」


「俺だって本気出せば時間くらい守れるわ。じゃあ行くか」


 おっと、そういえば大事なことを言い忘れていた。


 もし次があったら言おうと思っていたことだ。


「ソラ」


「なんじゃ」


「今日の服、似合ってるぞ」

ここまでお読みいただきありがとうございました!

これでこの作品は完結です!

もし「面白かった!」と思ってくださったなら、下にある☆等で評価していただけるとうれしいです!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ