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プロローグ
銭湯の絆。こう言うと『戦場の絆』みたいで響きがカッコイイけど、実際の戦争は映画みたいに行かないってことは女子高生の私でも知っている。最近はコンプライアンス的に『女子校生』と言った方が良いのだろうか。朦朧としながら変なことを私は考える。
「ほら、しっかりして。目を開けるのよ、美しい世界が見えるわ」
バスタオル姿で仰向けに横たわった私に、幼馴染の小春ちゃんがそう言う。同じくバスタオル姿の彼女に抱きかかえられながら、マンガでこういうシーンがあったなぁと私は回想していた。『ベルサイユのばら』だったっけ。オスカルが「フランス万歳……」と最期に言ったのはマンガ版だったかアニメ版だったか。
何で私は、こんな状況になって意識が遠のいているんだっけと考えていた。確か、コメディ的な展開があったはずで。それが、しょうもないオチへと繋がっていく、そんな話だったはずだ。絶対にシリアスな事件なんか起きない、平和な日常の一幕を私は頑張って思い出していく。