登場!7体合身ミンケイバー7Y!、の6
「合身完了!笹持ってこーい!」
見事空中合体を遂げたミンケイバー7Y。合身の名乗りをあげてキッチリと決めポーズをとったものの、世田谷区の大地に降り立とうとして着地に失敗、倒れ込んでしまう。ガラガラと街中を巻き込んでの大迷走。
「ほらみろ、やっぱり立てなかったじゃないか。合体メカの中ではいっちゃん地味だけど、なくちゃならないんだよ、靴は!」と、太平洋。
「お前が一番乗り気だったじゃないか!足なんか飾りだとかなんとか言ってたろうが!」鳳皇が堪らず突っ込む。
なんだなんだ、と眼下でビル倒壊に巻き込まれそうになった区民がざわめき始める。あるいは倒れた場所が良かったのか、誰かが下敷きになったり、流血、悲鳴も上がってはいない。どうも大事にはなっていないようだ。
「くっ!おのれ地球征服を目論む侵略軍の巨大獣!罪のない善良な人達を大勢巻き込んで!よくもやってくれたな!赦さん!」大地駆が、うおおッと叫んで立ちあがろうと腕を立てる。
「太平、ドリルレッグだ。地面にドリルで足突っ込んどけば歩けずとも倒れこむこともないはずだ!」
「グッドアイデアだ皇。よし、ドリール!レッグゥ!」
両足と背中のブースターで機体を浮かせ、倒れた状態から脱すると、ミンケイバー7Yはすかさず脚部ブースターだった場所をドリルに変えてそのまま地面に穴を開け、機体を固定した。
「身動きは取れないが、なぁに問題ない。ミンケイバーには中長距離武装が山ほど有るんだからなぁ。喰らえぇ!『伸びるゥゥゥ!アレェェェェッッ!』」
ミンケイバーの主武装使用は声による認証だ。
鳳の声に対応して、右側腰部位からかつて第一次世界大戦の折にドイツ軍が使用していた柄付手榴弾のようなものが飛び出した。
ミンケイバーはすかさず柄の部分を握ると思い切り振りかぶり、蟹型の巨大獣に向かって振り下ろす。
シュルシュルッという音と共に、みるみる先端部分が伸びて行き、そのまま巨大獣に命中する。同時に起こる盛大な爆発。
突然の攻撃になのか、はたまた本当に効果があったのか、バルカン一斉射ではびくともしなかった巨大獣の体躯が、大きく揺れて後、轟沈した。
よくよく見るとこの武器『伸びるアレ』は、お祭りの時に子供がよく振って遊ぶペーパーヨーヨーの巨大化したものを連想させた。
「よしッ!効いている。一気に畳みかけるぞ!喰らえぇッ!伸びるゥゥゥ!アレェェェェッ!ダボーッ!(ダブル)」左側腰部位から先程のものと同じ物が飛び出してきて、ミンケイバーは器用にそれを掴むと、両手を振りかぶり、同時に振り下ろした。
既に倒れ込んでいる巨大獣に再び命中。またも盛大な爆音がして、巨大獣の外殻部らしきものが割れて飛散する。