登場!7体合身ミンケイバー7Y!、の5
合身。三人が同時に思いついた結論ではあった。
しかしそれについては少しばかり問題もあった。
「左京達がまだだ」と、鳳皇。
「そんなこた分かってんだ。個々の武器じゃ歯が立たないから合身するかって話になってんだろうが」大地駆が鼻を鳴らす。
「『足なんて飾りだ。偉い人にはそれが分からんのですよ』という名言もあるしな」モニター越しによくわからない論法で頷く太平洋。
頑健な鎧を纏った、よく見ると蟹のようなハサミを二つ携えた巨大獣を前にしてこれ以上考えても仕方ない。そんな雰囲気が流れる。
「だけど待て!俺のバルカンは効かなかったがお前ら二人の武器はまだ試してないだろうが!」
モニターの向こうで大地と太平がバツの悪そうな顔をしているのが伺えた。
「さてはお前ら最近合身してなかったから、ただ単に合身してみたいだけとかなんじゃないだろうな!?」鳳の声が荒くなる。
「そんなわけあるか、なぁ太平!」
「合身しない合体ロボなんて合体ロボじゃねえ!何はともあれ合身してから物事は始まるんだろうが!するんだよ、合体をよ!」太平の鼻息がここまで届きそうなほどに強く響く。
鳳は少し考えこむ素ぶりを見せたが、次の瞬間、カッと目を見開いた。
合体してから考えれば良いじゃないか!どうせこのままだと俺はバルカン砲しか使えないんだ。合身してしまえば少なくとも武器の選択肢は増える。何より爽快に、堂々と、叫ぶことが出来るってものだ。
「ようし、お前ら合身だ!行くぜ合身シークエンス!」
「おう!」
「そうこなくちゃな!」
行くぜぇ〜ッ!
『合ッッ身!』
鳳皇が合身レバーを引き、次いで大地駆が続く。太平洋がそれを追う。
地表から上空へと三つの機体が迫り上がっていく。
まず太平洋の4-5号機がコクピットを残してバッキリと二つに割れる。通称ケイバー足、右と左がズイッと姿を現す。
次に幅広の2-3号機がグルリと回転する。同時に幅の部分から直下にジャキンッと腕パーツが生え、人間のそれと同じ手の部分が顔を出す。腹部にあたる3号機ブースター部位に、4-5号機のコクピット部分がキッチリと嵌ると、結合部を補う装甲がさらに腹部を覆っていく。最後にケイバージェットが回転しながら2-3号機のコクピット部位にねじ込まれていく。
ケイバージェットの底面がパカっと開くと、そこには凛々しくも怒りを湛えた戦士の顔が現れる。
その姿はまさに日本の誇る鎧武者、武士の面体!
合身終了を告げるギラリと光る両眼!
『見よ!これぞミン、ケイバアァァァァァァァァッ7ッッ!』
『Yィィィィィィィィィィィィッ!!』
ガガァっと背景に稲光が見えるほどに輝きを放つ!
轟音が、惜しげもなく鳴り響く!