インターミッション 切鍔競の場合の、3
「残念ながらそいつらが全員揃うことはないよ。なにせ四十年以上前に別れたっきりなんだからね。その辺はあんただって重々承知じゃあないのかい?切鍔さん」丸目が厳しい視線を向ける。その目は完全に据わっている。これ以上踏み込むんじゃないよ?――そんな台詞が暗に伝わってくる。
「そうか、老けるわけだ。もうそんなになるかね」ふん、と鼻を鳴らしたのは神宮寺だ。
そう言うわけだから――続けそうになるのを、切鍔が制した。
「あの対外Xはカルマラビー博士の発案で開発され、極秘裏に第一次移民船団に積載された。僕が訊きたいのは、どうしてアレが地球にあるのかってことです」
――調べ済みか。まあ、仮にも国の組織だ。驚くほどのことではないと言えば確かにそうだ。箱舟には確かに対外Xかあるいは同等の制圧兵器が搭載されていたはずだ。搭載目録に記載こそしなかったかもしれないが、無手勝で外宇宙に繰り出すなんてことを同乗した人間が諸手を挙げて賛成するわけがない。失敗を極端に嫌うカルマラビーならなおのことだ。相応の軍備はしただろう。
丸目長恵は表情を頑なにしようと務めた。相手の懐が知れないうちは「沈黙こそ金」だ。神宮寺にいたってはあえてボケたふりをしているのか目を半開きにしてぼうっとしている。
「では、行方不明の遥博士が現在どちらに居るか、ご存じありませんか?」切鍔の言葉が滑りこむようにすぅっと忍び寄ってくる。切鍔の顔は能面のように青白く無表情だ。
上がダメなら下ってかい――。普段は頼りなさげにとぼけているくせに、詰めるべきタイミングでは容赦がない。丸目は切鍔の視線をあえて外さず「知らないね」と答えた。
そうですか――。切鍔は空いている椅子を引き、二人が見える位置にどっかりと腰を下ろした。細身で小柄な体であるにもかかわらず、椅子の脚がぎしりと軋んだ。
「――僕ね、二年前に遥博士の息子さんに会ってるんですよ。確か、ローエングリン君――だったかな。面差しはお母さま似なんでしょうね。地球人離れしているというか――」
「息子?――あの女との間に子供がいるってのかい!?」丸目が取り乱したのを見て、切鍔は口の端をつり上げた。
「あの女――実はそこのところを一番、僕は訊きたかったんですよ」
――嵌められた。丸目は素直にそう思った。ボケたフリをしている神宮寺のやり方こそが正解だったか。しかし彼女にそれを求めるのはあまりに酷だ。
日曜の朝、ついTVをつけると新しい戦隊ものが始まっていました。今日でまだ2回目らしいのですが、これまでの主題歌ってあんなに陽気だったかな?と思うほどにあっかるい音楽で、思わず茫然としてしまいました。私の知る限り主題歌といえばたいてい「何とかレンジャー」とか「なんたら戦隊~」というのを繰り返すイメージだったので時代が変わったのかしらと思わずにはおれませんでした。でも最近の俳優さんはみんな美形でびっくりですw




