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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悪役姉妹は前世の記憶を取り戻す~俺達TSしてる!?~

作者: るい


「「俺転生(TS)してる!」」


アルトボイスが響くのは公爵邸にある姉イリアの部屋。そこで明日の入学式での話をしようとしていた。


「アリーシャも!?」「イリアも!?」


「まって、確認なんだけど前世の記憶が蘇ったのよね?私の前世は男だったわ。」


「私もよ。それに双子の兄がいたわ。」


「ええっ!私にも双子の弟がいたわ。」


「「ま?」」


「もしかしてハルトか?」「じゃあやっぱりハルキなの?」


何の巡り合わせか因果か双子の兄弟は転生(TS)して姉妹となっていた。それも学院入学前日に。


「「マジかよ!?」」


「いや、落ち着こう。これまでこの世界で生きてきた記憶もしっかりあるんだがやっぱりこの世界ってあの世界だよな?」


「記憶もあるし、多分あの世界で合っていると思う。だって婚約者がそうだし。」


この姉妹が言うあの世界とは前世で流行っていた乙女ゲームの世界だ。


詳しい話は省くとこの姉妹は悪役令嬢としてヒロイン達の前に立ち塞がるキャラクターだ。


ダブルヒロインに対抗するようにこの悪役姉妹は存在している。


平民ながら魔力測定で希少な魔力を持っていると発覚したフレア。後日、階級差の有る貴族学院に入学して魔力の扱い方を覚えなければいけないと役所の人間から通達されて両親共々困惑するも、お上には逆らえる訳もなく入学する。不安を圧し殺して学院に入学するも広大な敷地で迷子になりそこを通りかかった皇太子(イリアの婚約者)に助けて貰い交流が始まる。それを知ったイリアによる影からの虐め(忠告)にも負けずに学院生活を送り遂には希少な魔力を完璧に扱い、偉業を成し遂げたと言うことで国から聖女と認定される。そしてイリアの学院での素行問題により皇太子により婚約破棄を叩きつけられたイリアは聖女を消すことにしたが、皇太子による護衛も着いていた為に計画は失敗し処刑され、公爵家は莫大な慰謝料と降爵処分に。皇太子と聖女となったヒロインは婚約を結び結婚。国王は国を安定させ、更なる発展をさせた賢王として、王妃となった聖女は魔物の脅威から国を守護していると民衆にも称えられるようになり跡継ぎにも恵まれ幸せな生活を送った。



もう一人のヒロインは男爵の娘として産まれたが上位貴族に匹敵する魔力量を誇る。学院では上位貴族からのやっかみなどが有るが持ち前の魔力量で実力を知らしめて表だって虐められる事は無いが裏では酷い仕打ちをされていた。それを偶然目にした筆頭魔道師の息子(アリーシャの婚約者)は実力のある魔道師を保護するのは筆頭魔道師の息子の自分がやらなければと常々思っていた事を実行に移した。それを面白く思わないアリーシャは婚約者に辛く当たるようになるが、傷付いた心を癒してくれるヒロインに心惹かれるようになる。そして決定的な問題を起こしたアリーシャは魔力封じの枷を嵌められ投獄され獄中死。公爵家は慰謝料と降爵処分に。国王による要請のもと、筆頭魔道師の息子とヒロインは結ばれて国の魔道師による改革を進めて強国と言われる程に進歩させ、民の暮らしも素晴らしいものとなった。


一度のプレイで操作できるヒロインは一人の為、このような結果になるが現実となったこの世界ではどうなるかは未知数だ。


「確認なんだが、男と結婚したいか?俺はまっぴら御免だ。どうせなら綺麗なお姉さまと結婚したい。なんなら今の自分が理想の女性像だし。」


「いや、本当にそう!俺だって今の自分が理想の女性像だし!ってかそもそもこのゲームにハマったのこの悪役令嬢に一目惚れしたからじゃんか。」


「確かに!でもどうする?まだ婚約者はヒロインと出会っていないが出会うのは時間の問題だろう。それにもし世界の強制力なんてものがあった場合は俺達、いや、一族全体の存亡に関わる。」


「そうなんだよね、ゲームならどっちかの没落エンドだけど現実となったこの世界ならどう転ぶかは分からないし。俺達だけが転生しているのか、それとも他にも転生者がいるのかで更に変わるしなぁ。」


「俺達から婚約を破棄することは出来ないしどうしたもんかね。いっそ俺達でヒロインのやること先にやっちまうか?」


「うーん、でも俺達の魔力って多いけど聖女とかみたいな大それた事は出来ないんじゃないかな?」


「確かになぁ。うーん、ヒロインがどういう行動を取ってくるかで変わるよな。俺達が前世の記憶を蘇ったみたいにヒロインももしかしたら前世の記憶が蘇るかもだし。」


「まぁ楽観的に見たらそうだけど、最悪家を出て冒険者として活動するのも良いんじゃないかな?この世界があのゲームと同じようなら今の俺達の実力でも割りと稼げるはずだし。」


「だな。これからは臨機応変に連絡を密にってことでやるか。後口調も気を付けなきゃな。」


「ええ、そうねイリアお姉様。私達はこれでも公爵家の一員ですもの。まだ何も問題を起こしていない内から家の評判を落とすのは得策ではありませんわ。」


「うへぇ、何か違和感が凄いんだが。でもそうね。アリーシャさん。私達がこの世界で生き残るには家の力は必要不可欠。そして実力も磨かなければならないわ。」


そんな会話を繰り広げていたが後にこの話題は杞憂となる。











「「どうしてこうなった??」」


「イリア様!本日はわたしを誘ってくれてありがとうございます!二人きりでないのは寂しいですが、イリア様と一緒に過ごせるだけで嬉しいです!」


「アリーシャ様!聞いてください!以前にお話を伺った方法で魔方陣を作成したら効率が五倍も上がりました!流石は筆頭魔道師を越える実力者ですわ!」


( (ヒロインだからやっぱり可愛いけどここまでグイグイ来られると流石に困る。))


恵まれた家柄と破滅したくない、前世と同等までの便利な生活をしたい。そんな強い思いが姉妹を急成長させた。


国を豊かにし、魔物の脅威を遠ざける魔方陣を開発。


民の生活も良くなり乳幼児の死亡率も下がった。国外へも技術交流として赴き精力的に活動する姉妹は公爵領のみならず、王国内延いては他国にまで広がり名声を上げている。


そしてこの姉妹は公爵領を僅か五年で公国として認めさせた立役者であり婚約は相手有責で破棄となった。それもこれも婚約者の暴走により強引に体の関係を持とうとしたからだ。


と言うのもこの二人の婚約者は前世の記憶を入学前に取り戻してはいたが、ゲームの存在すら知らず知らず、美しい婚約者を手篭めにしてハーレムを築こうとしたからだ。


建国以来代々続く名門公爵家の姉妹はそれはもう美しい。


豊かな金髪と迫力のある美人顔。そして170センチ近い身長と豊かで引き締まった肢体。幼い頃からの教育による理知的で他の目を惹くカリスマ性。そして努力を怠らない姿勢を見せる婚約者の存在に惹かれない訳が無かった。


元婚約者は自分は選ばれたんだと勘違いをしてしまったのだ。


この姉妹は凝り性な所もあるので妥協を許さずに成長を続け、元婚約者はその立場に胡座をかき失脚からの幽閉。


記憶があるからと言って思いどおりにはならない。


そんな人生だからこそ辛くとも楽しいのかもしれない。





後に姉妹には新しく弟が産まれて公国を継ぐことになるが、前世の妹も転生してきて、お兄ちゃん達がお姉ちゃん達になった!と幼い頃に気が付いた。

気が付いたきっかけも姉妹が産まれた弟を甘やかしている時にふと前世の妹の名前をこぼしてしまったから。

そこからは衝撃と笑檄の感動と笑いの一幕も。



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