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魔導士ディーラー 休憩するそうです①

「チルにぃ」


 静寂の中、アイリスはチルトのことを呼んで瞼を開けた。


「アイリス」


「あぁ、すまない。何がどうなった? 私の刀は?」


 仰向けに寝たままアイリスが尋ねる。私は彼女の視界に入るように鞘に入った刀を差し出す。受け取った彼女の手に触れたが少し熱を持っていた。


「リタイアしたのか」


「そうだよ」


 私の言葉にアイリスの表情が凍りつく。


「冗談だよ、本当はそうしたかったんだけどね」


「笑えない冗談だ」


 微笑する私に、アイリスは抗議の声を漏らしながらぐるぐると瞳が詮索を始める。


「心配しなくても君が倒れた場所からあまり離れてないところにキャンプを作った。タオフーが魔物たちの亡骸を四方にまき散らしたから当分は大丈夫」


 安心させるように笑ってみるがアイリスは膝を抱えて俯いてしまう。


「私はこの剣の力をコントロールできない、だからいつまでたってもDランクなんだ」


「どこでその剣を」


「記憶はない。でも力を欲した。こいつらは剣士を選ぶ」


 柄に収まった刀を私に向けた。それから呆れた様子で、


「これじゃあチルにぃの助けにはならんな」


「そんなことはない、アイリスは充分に強いさ」


「気休めはよせ」


「気休めじゃないよ、事実だ。ただ上手く立ち回れてないのは経験と応用不足ってだけ、でもそれは魔導士や私のような業者がいればいくらでも補える」


 彼女は再び顔を地面に落とした。


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