魔導士ディーラー 助っ人が同行するそうです
「ムートお待たせしました」
「タオフー!」
突き出した拳を受け止められムッとした表情のアイリスにタオフーはまだアルコールが残っていそうに顔を赤らめていた。
「なんだお前は?」
「酔っぱらいですよ。お兄さん」
タオフーは私たちにウィンクする。
「お兄さん私がこのパーティーに加入するあらどうですよろし?」
「あなたが?」
乖離的なチルトにタオフーは微笑み返す。
「私そこそこ強いですヨ。ドラゴンとは戦いたくはないですけど、あの二人を守れるくらいならできますアルヨ」
「うーん……」
チルトはうなりながらアイリスの顔を窺った。彼女は先ほどからタオフーに掴まれた拳に力を入れているが一向に離れない。ゆっくりと私の様子を眺めていた。
「チルト、タオフーの腕は確かだ。森でドラゴンに遭遇した時に助けてくれたのがタオフーなんだ」
「ほう」
チルトはタオフーを前に距離をとって構えなおす。力量を図る様に魔力を調整していた
「……分かった。この四人なら参加を許可する。出発は明日の朝。正門前だ」
チルトは諦めたようにそうつぶやいて、マリアに粗相を謝罪した。それから魔法の力で壁を元通りに直した後ギルドに戻っていく。
「タオフーありがとう。でもどうして用事はすんだのか?」
「えぇまぁ」
そう言うとタオフーは振り向いて、
「一人で飲んだくれるよりも暇つぶしになると思って、急ぐ旅でもありませんしね」
楽しそうに言っていた。