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魔導士ディーラー 街の異変3
「貴様いつまで私の手に触れている」
「おっと失礼しました♡」
タオフーがアイリスの右手から手を離すと彼女は柄から手を離し、コーヒーで汚れてしまったテーブルと床をハンカチでさっと拭きずかずかと出口に向かって歩き出す。
「ちょっと待ってくれアイリス、私だ。チルトの友人のムートだ。覚えてないか二年前顔を合わせた。ほら今度会ったら三人でお酒でもと……」
彼女の足が止まる。
「役に立たない魔導士ディーラーのことなど覚えてない」
「えっ」
彼女は強い言葉で私を威嚇し店を出て行った。




