魔導士ディーラー 久しぶりの再会になるそうです。
「あら、ムートさん久しぶり!」
「久しぶりだねマリア。相変わらず元気そうでよかった」
「ハハハ、でも最近は元気はこの子に吸い取られるっぽい」
「そうだね」
メディーより少しだけ背が高い彼女を見て、自然と視線がお腹に吸い寄せられる。つい半年前に届いた手紙の写真よりも大きくなっていた。
「何か月?」
「七か月と少し」
「そうかぁ、そう言えばアイリスは元気か?」
「……元気だよ。ところでムートさん、新しいお仲間さん? 是非紹介してほしいな」
一瞬だが彼女の顔が曇る。私は意識的にできたへんな間が気になったが、マリアは中腰になりメディーと視線を合わせていた。
「マリアです。よろしくね」
できるだけ口元に笑みを浮かべて挨拶する。
「私は白魔導士のメディーです。よろしくお願いしますぅ」
メディーが頭を下げるとマリアはタオフーにも会釈した。
「もうムートさん。両手に華じゃないですか」
「残念ながらこっちは男だよ」
分かりやすく驚く。タオフーはそのリアクションに満足そうだ。
「チョウ・タオフーいうですよ」
「……転生者?」
「そうです」
そこでタオフーが低い声で呟いた。
「軽蔑するよろし?」
微妙な反応に若干困惑気味のタオフーにマリアは再び笑顔を向ける。
「うんうん、全然。同じ人間だもの」
「謝謝」
差し出された手を握るタオフーは自然に微笑んだ。
「ただチルトの前では秘密にしておいた方がいいかも」
「ハオハオ」
マリアの忠告を流しながら返事をするタオフーは何を考えているか分からないが、冗談でもチルトの前で自分が異世界転生者だと口が滑らないようにしなくてはいけない。
だって、チルトは……。
「ム、ムートさぁん」
急にメディーに袖を掴まれた。
「どうした?」
「そ、そのえっとぉ。マリアさんとムートさぁんのか、関係って……」
あぁ、そういうこと。
「マリアはチルトの奥さんだよ」
「そぉですかぁ」
胸を撫でおろすメディーはとても微笑ましい。




