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魔導士ディーラー たどり着いたようです。
空はクレヨンを塗りたくったように赤く、筋のような白い雲が夕焼けを装飾していた。
なだやかな道を縫うように歩く狭い道からは、そんな景色が広がっている。
ところどころぬかるんだ赤茶けた土の色を私たちは足元を気にかけながら進む。
「きれいですぅ」
女の子をおぶったメディーがつぶやく。
「きれいな景色が見える場所に住む人間は心もきれいとよく言いますが、この町に住む人間はどうでしょうかね」
タオフーがそうつけたした。
「大丈夫、二年前に来た時は皆いい人ばかりで歓迎してくれた」
私は自信をもって言った。
「いい人ねぇ」
怪訝そうにタオフーが声をあげて、
「あの人たち、あんまり私たちを歓迎している様にみえないんですが」
やっとこさ森を抜けた先にたどり着いたヨダカの街の入り口、つまり正門に体格のよい男らが武器を構えて私たちを睨んでいた。




