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魔導士ディーラー 油断するそうです。

「ウガガガァ」


 回避行動がとれなかったゴブリンは苛立ちを隠し切れない様子で完全に冷静さを失っていた。


 地面を蹴るようにステップを踏み左右に体を揺らしながら突進してくる。


 私はクイックモーションで手当たり次第に石を投げまくった。


 威力は弱いが百発百中で命中してその度に足をとめるゴブリンに容赦なく攻撃を続けた。

 ――まずいな。


 想像しているよりも打たれ強いゴブリンにスキルの制限時間が迫ってきていた。

 



無我夢中で腕を振りながらメディーの様子を遠目で眺めると傷ついた子どもを抱いて直接手当を施している。


 ひとまずは安心しつつ、やはり会心の一撃を喰らわせなければゴブリンは倒せない。


 私はタイミングを計りながら魔法石を掴む隙を探す。距離を詰めて鉄拳スキルを発動すれば致命傷を与えることができるはずだ。


 うずくまって頭を守っていたゴブリンが顔を上げ獰猛な皺を鼻頭に刻みながら、睨みつけてきたあと笑った気がした。


 その悪意ある笑みにひるんだのは私だった。時間にしては一秒にも満たなかったはずだが、ゴブリンはすぐに戦闘態勢に入っていた。戦いにおいて一秒でも身を引けば隙が生まれてしまう。


 やられる。そう感じて鉄拳スキルを発動させず、ダメージ緩和のためのスキルを発動する。


 飛び掛かってきたゴブリンは攻撃するように見せて私ではなくメディーに向かって走り出していた。



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