表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

118/127

魔導士ディーラー プライド

「メディー頼む」


 虫の息に近い私の願いをメディーは素直に頷いてはくれなかった。


「ム、ムートさぁん……ま、魔力のき、供給をやめてくださぁぃ」


 何よりも密着したメディーは私の心臓の鼓動や魔力の流れを感じ取っているわけで、私の身体の状態は把握できる。


 ドラゴンの攻撃に服は引き裂かれ、露出した肌には深々と傷が刻まれ血が滴り出ている。


 極めてまずいのは左わき腹を大きくえぐられてること。この傷は確実に私の命を削っていた。


「メディーあの技を放ってくれ……そうすればあの子は助かるかもしれない」


「む、む、無理ですぅ、詠唱すればム、ムートさぁんは死んじゃいますぅ」


 満身創痍の私は、気力、体力の限界は突破している。


 たぶんこのまま魔力を注ぎ続ければ死ぬ。


 メディーの声は、その現実を物語っていた。


 しかし私の答えは揺るがない。その理由は、


「きみは……魔導士だ、一人でも多くの助けを求める者を救うのが仕事だろ」


 疲労や激痛すらも超越した微笑み。それから


「それをサポートするのが私の仕事だ」


 魔導士ディーラーとしてのプライドだ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ