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魔導士ディーラー 反撃の糸口を探すそうです
メディーは私の右腕に抱き着いた。
「ムートさぁんのう腕治ってぇぇぇ」
メディーの悲痛な叫びに、私は回想の世界から戻ってきた。
そこには自らの体調よりも私の心配をするメディーの姿があった。
「メディー無理するな」
「無理でもぉ私は魔導士なんですぅ」
しかしメディーの頑張りも私の腕はよくならない。
攻撃を受けて分かった。これは呪いだ。ただのエネルギーの塊じゃない。
『手当て』は肉体のへのケアや治療はできるが、魔脈の完治には意味がないのだ。
一過性のものならある程度時間が経つのを待てば収まるが、呪いとなると手術が必要だった。
「メディー大丈夫だ。これは一過性のものだから時間が経てば腫れはひく」
そうは言ったが、これは経験上の勘だった。魔脈が一瞬で膨れ上がる事例はない。呪いの類なら徐々に身体を蝕むはずだ。
しかしこれが新手の呪いだったら、いや今は処置できる魔道具がない。




