⒎ 「職業訓練①」
「そうじゃない、こう!」
「はい!わかりました!」
ーーズドン。
「違う!こうだ!」
「・・・はい、わかりました。」
ーーズドン。
「はぁ・・・。」
頭を抱えて、黙り込んでしまうノーラさん、と俺。
そう、俺は今、絶賛魔術訓練中だ。
---
遡ること、約1時間前。
職業訓練を受けるとのことで、朝食を取り終えたノーラさんと俺は早速外へ出た。
最初、ノーラさんは職人とか技術系の、いわゆるエンジニア系の仕事をさせるつもりだったが、俺がどうしても魔法を使いたい、と根気よく粘った結果魔術の訓練を最初にすることになった。
かくして近くの空き地の隅にある大きな木に魔法を当ててみよ、とのお達しだが。
まぁ・・・。これが、全然当たる気配がない。
なんなら、結構思ってたのと違う。
魔法って、もっと簡単で手軽に腕から出せるものだと思ってたけど、全然そんなんじゃなかった。
まず、腕にぐっと力を入れる、というのはアニメとか漫画の知識であっていた。
けど、そこから魔法を出すのに、まずその物体はどのようにしてできているのか、だったり、全身の力を一か所に集める・・・例えば、鋭いものの先端とかのイメージ。
鋭いものって、耐久力はあんまりないけど、その代わりに先端は攻撃能力がすごくあるじゃん。
本当に、イメージとしてはそんな感じ。
体中の、みなぎってる力を、とにかく全て手の先に、そして頭の中のイメージをだんだん作っていく・・・。
言葉で言えばかなり単純なのだが、これも勉強と同じで小手先の知識では通用しなかった。
・・・でも。
楽しい。
いくら疲れようと、出来なくたって、楽しい。
勉強はずーっと座って意味わかんないことをひたすらやるだけだけど、魔法はすごく楽しい。
なんせ、頭の中でイメージしたものがほぼ同じタイミング、そしてそイメージ通りにでてくるから。
0から1を作り出すのって、すごく楽しい。
・・・のだが。
たしかに、俺の出す魔法はスピードがあって、威力もそこそこ強い、とのことだが。
ノーラさんいわく、いや俺にもわかることなんだが。
「魔法をコントールできないっっっっ!!!」
何発か魔法を連続して打ったおかげで疲れた俺は、芝生の上にどすん、と仰向けになった。
そうしているとノーラさんが満面の笑みで近づいてきて、俺にこう告げた。
「もう魔法は満足しただろうから、次は職人街へ行こうね。」
えっ、はや、という間もなく背中を持たれ強制連行された。
体勢を持ち直して普通に歩き始めた俺は、職人街とは?と質問を投げかけた。
すると、ノーラさんは
「職人街ってのは、一国に必ず一個あって、その国選りすぐりの特産品とか、鉄とか防具、武具にいたる
るまで・・・。
とにかく、いろんなものをつくる専門家、すなわち職人が集まってる場所、って捉えてればいいだろ
う。」
そう言い終えると、彼女は話している間緩めていた歩くスピードを、元の速さに戻した。
ーー魔術訓練でヘトヘトになった俺は、震える膝をこらえながら頑張ってついていった。
うう・・・。
今日はかなーりつかれて1000字程度しか書けませんでした。
でも以前よりかはタイピングスピードが速くなっていて時計を見て感動しました。
明日も、頑張るぞーーー!!