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⒉ 「死線」

稀にみる神作品です。

この小説を読み終えたアナタはきっと明日、道端に100円玉がおちてますよ。

「はあ・・・。」


と、一人藁の上でため息をつく。


なんか、さらわれたっぽい。


さっきから、目の前を人が行き来している。


そして、たまに俺の全身を上から下まで見て、まぁ結構下品な表情を浮かべて、隣の壁をみてガッカリとした様子でトボトボ歩いていく。


俺の体はなんもないぞ、と言いたくなるがこの世界では男色が好まれているのかもしれない。

日本だって、武田信玄とか名だたる武将もボーイズラブだったっていうし。


男色っていうのが悪いことなのかはさておき、俺を檻の中に入れて薄暗いところに入れっぱなしなんだから、少なくとも裏社会の内部だろう、ということは容易に想像がつく。


裏社会だといえど、思い浮かべるスラムのような汚さはあまりない。

どちらかというと、ウラ社会、って感じ?


皆身なりもそれほど悪くないけど、顔を隠してる人が多いから。


ま、うすうす感づいてはいた。


これ、奴隷商、奴隷市場だ。


んで、最初に俺をさらったやつは奴隷商の一員だろう。


脳内で渦巻く最悪のシナリオを一人考えていると、気風の変わった女?が近づいてきた。


そう。

顔を隠していた布は俺を見ようとずらしたことでするっと下に落ちてしまったのだ。


布が落ちるのが、スローモーションかのように思えた。

だんだん現れてくるその美貌に、目を奪われた。


そこで、俺はそいつーー目の前にいる人が、女ということを確信した。



きれいな青い目。


俺は心を見透かされているかのような気分になった。


なんだか心地いいような、ふわふわするような。


ボケーっと眺めていると、その女は俺にむかってボソッと一言、



「ぶつぶつ・・・。」                       



とギリ聞こえるか聞こえないか程度の声で何かを言った。


ここに来てから喋りかけられることも無かったし、全員隣の方をみて帰っていくから、突然何かを言われて、ビクッとした。


何かを言われてから、俺は藁の上から立つよう、という仕草をされやっと外へ出ることができた。


その後どこかへ連れていかれていく際、みんなが俺を諦めていった理由が分かった。


皆が見ていた〝隣の壁〟には俺の紹介用紙みたいなものが貼ってあったからだ。


一番上に数字の羅列、その下に俺の顔を思わしきもの。


やっと理解した。


俺、性別変わってもうてる。


女になってる・・・。

しかも、けっこうかわいい。


この世界基準のかわいさっていうのは知らんこっちゃないが、日本人ウケはしそうな顔だ。

かわいい、というより美しい、という表現の方が適切だろうか。


ということは・・・。

今俺の手を引っ張って会計場のような所へ連れてきた女は相当なお金持ちなんだろう。


が、いまいち俺を買う理由が分からない。


この世界で使われてる言語はかろうじてカタカナ風に聞こえるが、その意味は全くわからない。


ってなもんで、話すこともできない。


あ、会計が終わったようだ。


会計する所、見とけばよかった・・・。

ここでの通貨はどんな感じなんだろう。


俺を買った彼女は、俺の手を引きまた歩き始めた。


彼女はブツブツと何かを言った後、この奴隷商の建物から出た。


ーそもそも。この奴隷商は建物なんかじゃなかった。


奴隷小屋を出たとき、俺はビックリした。


目の前にそびえたっていたのは、この世界で初めてさらわれてから見たあの真っ白な城だったからだ。


びっくりして腰が抜けそうになっていた俺を見て彼女はクスっと笑ってから、今度はその城の方へと俺の手を引っ張って歩き出した。


この人、結構優しいのかも・・?


とそれまで考えていた「彼女がドSで俺をいじめ倒すんじゃないか説」がかき消されていった。


やっぱり、何気ない女の人の動作こそ、魅力だ。


と奴隷市場で俺を見ていたかのような視線で彼女を見ていると、不意に後ろを向いた彼女に、苦笑いされた。


一応、俺も女なわけなんだけども。


彼女が美しすぎてそんなことどうでもよかった。


そうして、期待と不安で胸をいっぱいにした俺は彼女とともに、城へと入っていった。

この小説をお読みいただきありがとうございます!!

冒頭の前置きでしょうもないことを言ってすみません。(笑)


でも、この小説を毎日読んでいるといつかいいことが起こるかもしれませんよ・・・!


ぜひ、明日も読んでくださいね~!!



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