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⒑ 「職業訓練とは」

前話、職人としての確たる才能の持ち主と分かった俺(私)は、いい人だと思っていた職人・オズワルドによって監禁されてしまった。

女の身ということもあり、何をされるか分からない今、主人公がとった行動とはーーー。

「仕方ない。いっちょやりますか!」


---


やあ!


俺の名前は桐島 蒼。


絶賛監禁され中だ!


ん?


俺がいま何をしようとしてるかって?


ははは。


すこーしの間、見てたらわかるさ!!


手に力を込めて・・・。


壁に向け、ノーラさん家を破壊した時のことを思い浮かべる。


「ーーよいしょっ!!」


ズドン、という鈍器で殴ったような音とともに、目の前の壁が崩壊した。


扉の向こうからは「何だ何だ?」とか「何が起こった?」とか言って軽い騒ぎになってるけど、そんなの知らねー。


見つかる前にとっとと退散だ。


「へへっ。


 いっちょあがりぃ~」


俺はそう吐き捨てて元居た工房から離れようと路地裏へと走り出した。


なるべく人目につかない所を通りながら、ノーラさんの家(城)へ走る。


そこまでは順調だった、が。


「おーい、ここら辺でちっちゃい女のガキ見なかったかぁ?」


と、前から声が聞こえたので慌てて近くの物陰へと身を隠す。


その問いに通行人は


「い、いえ・・見かけなかったですが・・・。」


と返すと、「あー、本当かぁ?嘘なら蹴るぞ?」


と脅迫気味た声色で脅した。


「ま、これは一発目だ」


ーードゴン。


悲鳴が一体に響き渡った。


「え?」


今、あの男は何をした?


俺を探してるのに、なんで関係無い人を巻き込むんだ?


ーーそれに。


チラッと物陰から顔をだして、様子をうかがう。


あの殴られたひと、仮にも妊婦だぞ・・・。


なんてことを。


オズワルドの工房はあんなゴミくず人間たちがうようよしてたのか・・・?


あのまま監禁されっぱなしだったら、もしかすると・・・、かもしれない。


全身に寒気が走り、俺は少しでもこの職人街から遠ざかろうと、近くに流れる川へ降り、橋の下へと急いだ。

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