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車男短編集  作者: 車男
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寝坊

 ユウは焦っていた。今日は学校の始業式。高2になって初めての学校への登校だ。それなのに、学校が始まる20分前におきてしまった。つまり、寝坊した。30分くらい。お母さんも寝坊したようだ。お父さんも。家から学校へは15分ほど。つまり、5分で準備し、もうダッシュで学校へ行かなくてはならない。ユウはスポーツ系の部活に入っているだけあって、足には自信はある。しかし、15分ももうダッシュしたことはない。ユウは入学から今まで、無遅刻無欠席。卒業まで遅刻も欠席もしないつもりだ。それに今日はいろいろ用事もある。絶対間に合わせて見せる・・・!3分で着替え、1分で身支度をした。朝ごはんなど食べていられない。お母さんに挨拶して、ローファーを履き、家を飛び出した。

 履いてきたローファーは失敗だった。つい先日買ったばかりの物で、少し大きめのため、足を上げるたびにかかとが浮き、走りづらくて仕方がない。このままだと遅刻決定だ。ええい、といわんばかりに、勢いよく両足の靴を脱いで手に持ち、学校指定の薄手の白いハイソックスで走り出した。もう登校や通勤のラッシュはひとまず去り、周りに人はあまりいない。学校まで後10分ほど。信号のない細い住宅街の道をユウは靴下で猛ダッシュした。学校にはそれから8分後に着いた。やはり靴下で走ってきた甲斐があったのか・・・。その代償として、ユウの通学ソックスはかかとや指に穴が開き、足裏には途中とおった公園の土と思われる茶色い足型がくっきりついていた。息を切らして靴箱についたユウは、ほっと胸をなでおろしたのだった。


おわり

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