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車男短編集  作者: 車男
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体力測定

 今日は新学期が始まってしばらくした水曜日。中学1年生としてスタートしたミクは、今日50m走のタイム測定をする予定になっている。グラウンドでやる予定だが、朝から雨が降っており、できるかどうかはまだわからない。

 さて、ご飯の前の最後の授業が体育だ。そのときにはもう雨は上がり、青空がのぞいている。ミクは足の速さには自信はないが、友達と同じくらいなので、安心はしているようだ。着替えて、グラウンドに出る。ミクの学校では体育のときは必ず白の靴下を履くことになっており、違反が見つかると裸足でしなくてはいけなくなる。もちろん、ミクは白のくるぶしより少し上まで伸びた靴下を履いている。

 測定が始まると、なんと、ミクの友達が靴を脱ぎ始めた!なにをする気なのか、ミクが聞くと、靴下で走ったらタイムが早くなると、親から言われたそうなのだ。ミクもやるよういわれたが、やはり靴下で砂の、朝の雨で湿った地面を歩くのは結構抵抗がある。友達は平然と歩いているが、時折見える靴下の裏は泥で汚れている。他の人の視線も気になるが・・・。

 しかし、友達からの説得もあり、ミクも靴を脱いで走ろうと決心した。スタート地点のそばのシーソーのところに靴を脱ぎ捨て、スタート地点へ。湿っていて、案外気持ちいい。実際に走ってみると、去年よりタイムは0.5秒も早かった。成長なのかもしれないが、もう一度そのまま走ってみると、また0.3秒速くなった。友達もうれしそうだ。その後、立ち幅跳びと走り幅跳びもすることになっていたが、2人は靴下のまま挑戦し、去年よりいい記録を出していた。他の女子も数人、靴下で挑戦していた。みんな靴下は全体が砂まみれ。ミクも裏は真っ黒、表も砂がついてしまっている。体育も終わり、靴下姿の女子たちは、靴を手に持ち、靴下で靴箱へ帰っていったのだった。


おわり


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