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車男短編集  作者: 車男
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雨が降った夜

 「ふわああああ・・・・。あ・・・、寝てたか・・・」

「おーい、寺本君、授業始まるよ。あと10分。また寝てたね?」

「あ、ああ、すいません、ありがとうございます」

僕はいま中学2年の寺本ユウトといいます。今は塾にいます。外は結構どしゃ降り。帰りまでには止んでくれるといいけど。

 今は6月の終わり。梅雨時期で雨の日が続きます。今日は今から塾で授業です。僕が寝てたのは自習室。これから授業のある教室へ移動し、授業開始です。少数制の授業で、これから受ける英語の授業を受ける人は全部で6人。もう夜の7時を回っています。授業開始は7時半。さて、移動しましょう。あ、寝違えた・・・。

 今日は雨なので来ない人が多いようです。授業開始時刻になってきたのは僕のほかに2人。3人は休みかな。それにみんな男子です。休んでるのはみんな女子。先生が来て、授業が始まる前の話しをしていると、女子が一人駆けこんできました。

「はあ、はあ、すいません・・・」

「ああ、いいよ。どうぞ座って。うわ、びしょびしょじゃないか。

「ああ、はい・・・。カッパ着るひまなかったんで・・・」

「いや、タオルとか持ってるの?風邪ひいちゃうよ」

「だいじょうぶです。ありますから」

入ってきたのは塾のクラスでは結構かわいい子。名前は確か、ジュンだったかな?バレー部の子です。僕の斜め前の席に座りました。・・・足元も見える位置です。

「寒くない?」

「あ、はい。あの、靴脱いでいいですか?ぐちょぐちょで」

「ああ、いいよ。自由にして」

「すいません」

彼女は中学生らしい、真っ白なスニーカーに、白いくるぶしの少し上あたりまでの長さの白いソックスを履いていましたが、それもこの雨で濡れてしまったみたいです。塾の中には土足で入ります。床はよくある、堅いタイル。スーパーの中の床と同じかな?

 彼女はスニーカーを脱いで机の横に置き、靴下も脱いで、鞄の中に入れました。それから何か履くのかなと思いましたが、そのまま、裸足で授業を受けるみたいです。裸足の足を、ぺたりと床に着けています。おお! 僕は足フェチであることを告白します。この瞬間、他の男子は無反応ですが、僕にはとても興奮しました。授業は2時間、今日は楽しめそうです。

 彼女の席は僕の斜め前。後ろの席にはひとは座っておらず、障害物もなく、思う存分足を見ることができます。授業の始めは、足を前に伸ばしていました。そして、足の裏全体を床につけた姿勢になり、授業の中盤、ついに椅子の下で足を組みました!足の裏丸見え。かわいいなあ。教室の床の汚れもついて、足の裏が少し黒くなっています。ますますかわいい。しばらくその体勢で止まる。足の指がうにうに動いています。うおー。授業なんてまったく耳に入って来ません。

 授業の後半、手が滑って消しゴムを落としてしまいました。転がった先は運よく、なんと彼女のすぐ足元!チャンス!席を離れ、彼女の足元…、いや、消しゴムの元へ。手を伸ばして取ろうとした時、急に足が動き、ぐに。消しゴムを踏みました!

「あ…、ごめんね、寺本君」

「いいや、いいよ」

拾いました。彼女のいい香りがしました。彼女の素足が踏んだ消しゴム…。大切にとっておきます。

 と、ここで、黒板に解答を書きます。彼女が当てられました。

「えー、私、裸足なのに、当てますか?」

「関係なし。さあ、書いて。分からない?」

「そんなことはありません」

彼女は靴も履かず、裸足のまま、席を立って、黒板に行き、書きはじめました。制服に裸足。それが目の前に…。彼女は特に、スカートが短いので、ますます萌えます。かわいいなあ。解答が黒板の下の方に来ると彼女は床に膝をついて解答を書き続けます。膝を床につけた…ら、足の裏は丸見え!教室の埃で黒くなっていたり、チョークの粉がついて、白くなっていたり。とてもいい光景です。解答を書くと、また席に戻り、椅子の下で足を組みました。さっきの汚れが、より鮮明に見えます。

 そうこうしていると、授業は終わってしまいました。まるで夢のような時間でした。彼女は荷物をまとめると、かばんを肩にかけ、履いてきた靴は手に持って教室を出ました。あわてて追いかけます。階段を降り、外に出ても靴を履く気配はありませんでした。

「じゃあね!寺本君!」

「う、うん、ばいばい!また明日!」

彼女はまだ靴が乾かなかったのでしょうか、靴と靴下は自転車の前かごに、かばんと一緒に入れ、裸足で自転車をこいで帰って行きました。今日はいい日だったなあ。授業の内容はすっぽぬけてしまったけれど・・・。

 雨はすっかり止んでいます。ふと空を見上げると、日が落ちて真っ黒になった夜の空に浮かぶ、街の明るさに照らされた雨雲の隙間に、満月に近いまあるい月が見えました。明日は晴れるかな…。


おわり

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