世界の崩壊
-その日、世界の平和は壊された-
「律太!律太!!」と騒がしい程の呼びかけに主人公 宮ノ森律太は、目を覚ました。大分意識がハッキリしてくると、いつの間にか抱えていたクッションをその声の主に投げつけた。
「痛ったぁ!何するんだよー律太。」と18歳にしては、落ち着きのないこの男 宮ノ森奏は、律太の3つ上の義理の兄だ。2人の両親は、再婚してもう11年目になる。律太も4歳の頃から奏と一緒に暮らしているので、実の兄弟のように仲がいい。
「で、僕の部屋になんの用?」
「あぁ!雅さんが、いつまでも洗濯機が回せないから早く起きて布団持ってきてね。って」
「母さんが?」とここで律太は首をかしけだ。
「奏。今日本城さん いないの?」
「あぁ。今日は休ませてくれって頼まれたって雅さんが言ってた。」
「めずらしい、初めてじゃない?休みたいってお願いされたの。」
「そうだね。じゃあ俺下行くから、律太も忘れずに布団持って早く降りてくるんだぞ。」
「うん。」さて……と律太は、パジャマからいつものパーカーに着替え、布団を両手に抱え、母のいる脱衣所へと向かった。
「母さん。おはよう!」「おはよう律ちゃん。今日本城さん休みだから私が家事をするわ。」
「あぁ。さっき奏から聞いたよ。」
「母さん出来るの?」
「当たり前よ。」だがそんな母が律太は心配でならなかった。今まで全ての家事を本城さんにやってもらっていた母にできるのだろうか……?と。ちなみに本城と言うのは宮ノ森家で働くメイドで母、雅の信頼のおける人なんだとかで実家を出てからも11年間身の回りのお世話をしてもらっている。母、雅は世界的にも有名な良家のひとり娘である。代々不思議な力が発現するという特殊な家系の中で、彼女には能力が見られなかった為、早く跡継ぎを産むよう一族から責められた。そうして産まれたのが律太なのだ。律太を跡継ぎになどにせず、自由に生活をさせてあげたいと、産まれた息子にも能力は発現しなかったと嘘をつき、家を追われる形で何とか逃げたしたのだった。その時連れてきたのがメイドの本城と言うわけだ。
「母さん本当に大丈夫?手伝おうか?」「大丈夫よ」だが何気ない幸せも長くは、続かなかった。
ガタガタガタ!!と今までにない程の強い揺れに、ガシャン!!! パリーン!など家の至る所で物が壊れる音がした。
「地震!?こんな、強い地震滅多に……。」
「いいから!母さん 奏逃げるよ!!」
「えぇ!あぁ!!」と2人の声が当時に聞こえた。律太は、広い豪邸の中母の手をひき、奏と共に玄関を目指した。
ドシーーーン!!!!!と大きな音を立て、何かが倒れた…。同時に律太の触れる手の感触が、突然無くなった。それに驚き律太が振り返ると……
そこには、目を疑う光景があった。
「えっ……?」と呆然と立ちすくむ律太の横で奏がこえをあげた。
「雅さん!!!どうして……!?今助けるから頑張れ!!」ようやく律太の意識がハッキリしてきて絶望が頭の中に渦巻いた。
「母さん!しっかりして!!起きてよォ…ねぇ……!!」雅は巨大な棚の下敷きになって、たくさんの血がとめどなく溢れ出ている。このままでは、間違いなく助からないだろう。2人は、何とか棚を持ちあげようとするが、非力な子どもにはどうすることも出来ない。すると揺れの衝撃でもう1つの棚も倒れてきた。危ない!と奏の腕の中に抱えられ、律太は無事、棚の下敷きにならずに済んだ。だが奏に感謝を言う余裕は、今の律太には無い。「離せ!母さんを助けなきゃ!!」声が出なくなるまで律太は、泣き叫んだ。だが こうしている間にもどんどん揺れは、強くなっていく。このままでは危険だ。「律太……。雅さんはもう…。早く外に逃げよう!」
「うるさい!母さんを見捨てるのか!手を離せっ!」奏は、律太を抱え、何とか外に出た。するとそこには、目を疑う光景があった……
まだまだ未熟な所もございますが、出来るだけ面白いものにできるよう精進して参ります。
是非ともよろしくお願いします。
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