7.旅立ちと再会
旅立ちに際して、ワイバーンを三頭用意してもらった。私はシーラに乗るし、ケイトも自分の竜がいる。だからこの三頭はズィアス、サトゥルノ、それからマクシムスの分。三人が騎竜できるかどうか知らないけど、まあ何とかなるでしょう。
王宮で用意してくれたマジックバッグは超高性能なので、生き物も問題なく収納できる。
ドワーフの国から大神殿まではワイバーンに乗って移動できないので、その間はシーラ達にもマジックバッグの中で休んでもらうことになる。
大量の食料とテントや毛布、通信石が入った五つのマジックバッグもちゃんと用意してくれている。ズィアスたちのワイバーンももうマジックバッグに収納されている。
もちろんドライアドの守護もちゃんと持ってくよ!
お留守番のギイちゃんの世話をお願いして、さあ準備は整った。レッツゴー!
お揃いの竜騎士の制服を着た私とケイトは国王陛下たちに見送られて遂に旅立った。
まずアーダ神聖国に向い、聖王様に謁見した。一泊してエルフの里に向かう。
前回のポイントを覚えていたので、すぐに深淵の森に着く。ワイバーンから降下する時に慣れないケイトが、尻餅をついてしまったことは内緒だ。
「よくおいで下さいました」
エルフの里に着くと、ウラヌスさんが出迎えてくれた。
今回は私もケイトも格好よく着地できたの、見苦しい姿は見せずに済んだ。
「お久しぶりです、ウラヌスさん。こちらは勇者のケイト・リベロ」
「これはお美しい勇者様ですね。私はウラヌス、エルフ族の長です」
「初めまして、ケイト・リベロと申します」
ケイトはあまりに美しいウラヌスさんに目がハートになっている。
「早速ですが、首飾りはこちらです。また私どもからズィアスが同行させていただくことになりました」
「ご無沙汰しております。聖女様。初めまして、お美しい勇者様」
勇者に美しいという冠詞を付けのるがエルフのデフォルトなんかい!?
ケイトもズィアスに手にキスされ満更でもなさそうだ。リア充め、爆発しろ!
私は先を急ぐのでと、アンドロマケの首飾りを貰い、ケイトの首に掛けた。これは私が浄化の力を行使した時に横にいてもその影響を受けないようにしてくれる貴重なアイテムなのだ。
さあ次はドワーフの国だ。ワイバーンのことを説明すると案の定、ズィアスは軽々と乗りこなしてみせた。
サトゥルノも準備万端。ちゃんとスノーモービルを用意してくれて待っていた。
サトゥルノには足の関係でワイバーンは無理っぽい。しょうがないからズィアスと乗ってもらおう。
ドワーフの力作スノーモービルはかなりの優れもので、吹雪をものともせずあっという間に大神殿に辿り着いた。
マクシムスやあの門兵さんたちとも無事再会。お土産の食料ももちろん持ってきて渡したよ!
ヘクトルの兜と鎧が揃ったので、ケイトに身に着けてもらうと、ケイトの身体にピッタリ馴染んだ。チュニックがちょうどフレアスカートのようになって、身体のラインもはっきりして、そのグラマーさが強調された。
男性陣が「おお!」と鼻の下を伸ばしてたけど、私のジト目を見て咳払いしてごまかしやがった。全く!男って奴は!
でもこれでいつでも戦える。首を洗って待ってろよ!魔王軍!




