3.学園にて
翌日、私が学園に行くと、多くの人から「聖女様だ!」、「聖女様!」と崇められて、辟易しそうになってしまった。でもクラスにつくと、皆がいつも通り、「おはようルチア!」と出迎えてくれた。すでに来ていたケイトの顔を見ると、にっこり笑っていたので、予め皆に今まで通り接するよう、説得してくれたのだろう。やっぱり持つべき者は友達よね!
それでも皆、何か聞きたそうにうずうずしていたので、喋り方を変えないのなら、質問を受け付けると言ったら、矢継ぎ早に質問がきた。
「いつから自分が聖女だと知っていたのか」
「魔王討伐には行くのか」
「聖女の力と言うものはどんなものなのか」……等々。
私はわかるところだけ答えた。皆も概ね納得してくれたようだ。
ついでにクラスメイト特典で、最後に「聖女の加護」を皆に授けた。
聖女の加護は精神異常を防いでくれる。溢れ出した澱に皆が惑わされないように、願いを込めて。
授業の後、学園長から呼び出しがあり、今後について話をすることになった。
私が学びたいという意欲を酌んでくれて、討伐で不在の間の補習について個別に実施してくれると提案してくれた。どれぐらい不在になるかわからないので、討伐中は休学として、期間があまりにも長くなるようなら、卒業を一年遅らすのもやむを得ないということにはなったが、たぶん、ひと月もかからないのよね。年内には帰ってこられるのではないかしら。
聖女だと畏まらずに、一学生として私の身を案じてくれた学園長に世界の澱について話してみた。さすが学園長!すべてご存知で、澱が溢れて影響が出だしていることを懸念されておられた。
私は「聖女の加護」を学園の皆に付与したい旨をお伝えすると、「是非に!」と反対にお願いされてしまった。明日の朝、全校集会を開いてくれるらしい。
聖女の加護は顔が見える範囲なら掛けることができるので、お披露目の儀の時も来てくれた人たちに付与するつもりだ。
聖女の力を得て、以前には分からなかった澱の淀みが感じ取れるようになってきた。気が付いたら浄化するようにしているけど、根本的な対処を早くしなければと焦りにも似た思いが沸きあがる。
聖女の力は大きく三つ。加護と、治癒と、浄化だ。
治癒は魔傷にしか効かないので万能ではない。浄化は、世界の澱、魔素に対してだけだ。だから人間界で大きく影響を与えるものでもないと思う。せいぜい、権力者の神輿にならないようにだけ注意が必要だけど。幸いメサイオ王は賢王で有名だし、王太子も大丈夫だろう。
聖女は対魔法戦では相手の魔素を奪うこともできるので、絶大な力を発揮するけど、物理攻撃には抵抗する術がないので、「勇者」が対となる。
私も、竜騎士としてある程度鍛えてはいるけど、騎士仲間にも体術や剣術では敵わない。
アンドレア様には未だ会えていないけど、どんな方なのだろうか。勇者になるに相応しい剣技の持ち主だろうか。
あのケイトの兄なのだから、きっとハイスペックなんだろうけど、早くお会い出来たらなあ!




