焼き芋は熱いうちに食え
「声劇台本」兼「会話小説」です。
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私個人の規約は以上です。では、ごゆっくりお楽しみください。
上演目安時間
〜5分
設定
おっちゃん:男
商売に余念がない。語彙力がない。頭はさほどよくはない。天然な阿呆である。無い無い尽くしのオンパレードなおっちゃん。
確保された客:不問
財布の紐は硬い。意固地。暇人。散歩してたら捕まった。
*口調こそ男っぽいが、別に男でなくてもいい。
お「いしやーきいも〜♪おいも〜っ!!」
客「・・・」
お「そこいくお人、あつあつの焼き芋欲しくない?」
客「いや、いらないです」
お「おいしいよ?」
客「いらないです」
お「あつあつだよ?」
客「いらないです!!」
お「ほくほくやわらかだよ?」
客「いらないって……」
お「ほんとにぃ?」
客「しつこい!!いらねぇって言ってんだろ!」
お「あっ、ちょっと!!……あちゃぁ、行っちゃった……。商売って難しいなぁ……。さてと…」
客「変なおっさんだったなぁ……怖かった……」
お「おーきゃーくーさーーーーん!!!まってえええええ!!!!!」
客「は?え、なに?」
お「おーきゃーくーさーーーーん!!!」
客「屋台のトラックで追いかけてきてる!?」
お「おーきゃーくーさーーーーん!!!あ、芋落としてら……まぁいいや!お客さん待ってえええ!!」
客「怖い怖い怖い!!くんな!!こっちくんな!!」
お「ふぃー、やっと止まってくれたおかげで追いつけましたわ」
客「だからって芋落としながらくんなよ……。商品だろ、これ……」
お「まだまだいっぱいあるし大丈夫よ!」
客「そういうことじゃないんだが……」
お「あ!落としたのいる?安くしとくよ?」
客「いらねえよ!!何売りつけようとしてんの!?」
お「まぁまぁ、そう言わずに〜」
客「おい、カバンに突っ込むな!返せ!」
お「えーっと、ひぃふぅみぃ……全部で十七個やね。で、かけることの三百円で……えー、五千百円かな」
客「買わねえし高えよ!てかあの一瞬でそんなに詰めてたの!?そこに驚きだわ!」
お「やだなー、そんなわけないじゃないですかーお客さんバカですか?」
客「誰がバカだ!誰が!!」
お「じゃあ、代金の六千円払ってくださいよー」
客「払わないって!!てか、さらっと値上げすんな!!」
お「えー、じゃあ泥棒ですかー?」
客「ちげえ!!」
お「あ、内訳?内訳聞かないと払わない人なん?」
客「内訳?なに、芋十七個じゃないの?」
お「カバンに入れた焼き芋が三個と、落とした分の十四個」
客「は?今なんて?」
お「だから、カバンに入れた分が三個と、落とした分の十四個」
客「はぁ?」
お「んー、なんでわかんないかなぁ……」
客「疑ってすまん……我が耳よ……」
お「お客さんのね、カバンに入ってる焼き芋とーー」
客「(割り込む)それはわかってるよ!カバンに入ってる分はともかく!!いや、それもおかしいけど…、なんで落とした分まで払わなきゃいけないんだ!」
お「え?だって、お客さん追いかけた時に落としたから、お客さんもちでしょ?」
客「はぁ?いやいや、意味わからん!」
お「何か間違いでも?」
客「間違ってるよ!大間違いだよ!よくもまぁ自分が出した結論が、さも普遍の原理であるかのように語れるね!びっくりだよ!!」
お「えー、じゃあどうしたら買ってくれるの?」
客「だから買わないってば!!他を当たれ!他を!!」
お「ケチだなー、お客さん」
客「で、割と気になってたけど、なぜため口?」
お「フレンドリーなほうがいいかと」
客「悪びれない!なにこの人もうやだ……!!」
お「まぁまぁ、落ち着きましょうや。ね?」
客「誰のせいだと思ってんだよ!!おい!!」
お「え?誰のせい?」
客「あんただよ!自覚なしか!」
お「こっちだって本当はこんな押し売りみたいなことしたかないんだよ……」
客「なに?今度は泣き落としか?」
お「養わなきゃいけない家族だってな……たくさんさ……」
客「っ……」
お「いないけどさ……」
客「いねーのかよ!」
お「お客さん面白いね〜♪」
客「いいかげんにしろ!!」
お「楽しかったでしょ?」
客「んなわけあるか!」
お「観劇料とかくれたりする?」
客「ビタ一文もやるか!」
お「そっかそっか……残念」
客「わかったらさっさとどっか行け」
お「わかりましたよ、まいどどーも」
客「ったく……なんだったんだ一体……。って、あれ?財布どこ行った?」
お「へへっ、ちょろいぜ」
客「財布返せゴラァ!!!」
最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお越し、お待ちしております。