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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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93/322

93 ご対面

メーデーなので初投稿です

 お父さまに会ってほしい。

 その言葉から2ヵ月後、俺達は魔術学園の卒業式に出席していた。


「一年も居なかったわね」

「まあ、目的である道具箱(アイテムボックス)は覚えたからなあ」

「それにしたってもうちょっと居ても良かったんじゃない?」

「うーん、でもこれ以上いるとあいつらがなあ……」


 海神祭から3週間後に学園祭が行われ、論文の発表会には学園外から多くの魔術師が詰めかけた。目的はソフィーが書いた雷魔術の論文である。

 海神祭で使った雷魔術は他参加者や観客によって国中に知れ渡り、その内容を知ろうと全国から魔術師が集まった。揉み消されないように当日の外部枠で論文を提出しようとしていたのだが学園祭の実行委員会から事前に提出するように促され、揉み消されないようコピーした物を渡したが特に問題もなく、生徒会長も何もしてこなかった。

 その結果、発表会は無事に終わり、最優秀賞を頂いた。この論文は共同研究ということで俺達全員が卒業資格を1つづつ獲得、翌日の体育祭でも卒業資格が貰える総合闘技において2人組部門で俺、ソフィーチームとアリス、クレアチームが1位2位を獲得、4人組部門で見事優勝を果たした。これで文化祭と体育祭で合計二つ、あと一つをどうするかと悩んでいたら学園長に呼び出された。

 何処からか俺たちが道具箱(アイテムボックス)を覚えるためにここに来たことを知ったらしく、本来なら最終学年でないと授業を受けれないがとある匿名者の推薦によって学ぶことを許された。


「その人物はいったい誰なのですか?」

「本人からは絶対に教えるなと言われていますので」


 推薦者については結局教えてもらえなかった。しかしこれで道具箱(アイテムボックス)の魔術を習得し、同時に卒業資格を獲得することができた。この魔術は特殊選択授業らしく、習得できればそれだけで卒業資格が貰える物だったらしい。

 これによって無事に卒業資格を3つ獲得できた俺達は卒業試験を受け、この度無事に卒業できたのであった。

 卒業は各学期の最終日に行われているらしく今日を逃したら次は冬明けまで無かったらしい。その為か俺達以外でも卒業生が何名かいた。

 無事に卒業式を終えた俺達を待っていた人物がいた。


「生徒会長」

「卒業おめでとう。これで君たちとは会うことは無くなるだろうね」

「まさかそれを言うためにわざわざここに?」

「まさか、用事があるのはそっちの妹にだ」

「お兄さま……」

「分かっているのだろう?父上がお呼びだ。今すぐこの馬車に乗りたまえ」

「分かっています。ユート、海神祭での約束覚えているかい」

「もちろん、じゃあ行くか」


 とはいえあの大きさだと4人は乗れそうにもないので、歩いて領主館に向かおうとしたら生徒会長に呼び止められた。


「待ちたまえ、君たちはこっちだ」


 そう言って指さされた方を見れば荷物や乗合用の荷台に幌だけ付けられた馬車があった。


「あー、ソフィーの荷物を積めと」

「違う、君たちも父上に呼ばれている」

「……なぜ?」

「それは父上に聞け、ボクはお前たちも連れて来るように言われただけだ」


 嫌な予感がビンビン感じるが、ソフィーとの約束がある以上領主には会うことになるはずだったので覚悟を决める事にしよう。

 馬車に揺られ、領主の館にたどり着く、土地面積で言えば学園が一番大きいが建物の大きさで言えば館の方が大きい、館というか普通に城である。セントガルドの国王城に比べれば小さいがあちらは権威を表すための大きさであり、こちらは外敵が攻めてきた時に対抗できるように実戦的な迫力がある。


「それではこちらで少しお待ちください」


 執事さんに待合室に案内されて会えるまで待つことに、漫画とかでは見たことあるけど本当に呼び出してこっちが待つんだな。ちなみにソフィーは先に会うらしい。


「領主ってどんな人なのよ」

「世間的には庶民に寄り添った政ができる貴族様って話だけど」

「なんでも、初代領主様は他国との戦争で武勲をあげた元平民と聞いたことがあります。領地を国王様から頂いた後も平民から必要以上の税を徴収しなかったり孤児や身寄りのない人達に住まいや仕事を与えてこの街を大きくしていったと聞いたことがあります」

「その初代様の統治を今でもやっていると?」

「はい」


 他にも初代学園長とパーティを組んでいたなどの話もあるらしい。それって図書館にあったあの魔導書を書いた人だよな、確かナンカクアスカとかいう……。

 とか考えていたら執事のセバスチャンみたいな人に準備ができたと領主の部屋に連れて行かれることになった。名前を聞いたらセバスチャンじゃないらしい、残念。


「旦那様、お客様をお連れしました」

「入れ」


 執事さんに扉を開けられて中に入るとそこにはいつも通りピンク髪のソフィーと燃えるような赤髪に少し灰のような白毛が混じった中年男性がいた。彼が領主様だろう。


「お初にお目にかかります。俺たちは冒険者パーティ『迅雷』(仮)と申します」

「君達が件のパーティか、なんでも海神祭の迷宮主(ダンジョンボス)を倒したらしいじゃないか」

「それはソフィー……さんがいてくれたから出来たことです。いなければ倒すことはできなかったでしょう」

「お父さま、ボクはこの人達と冒険がしたい、外の世界を見てみたいんだ」

「それは我がサウスバード家にとってどういう意味か分かって言っているのか?」

「はい、ボクはサウスバードの名を捨てます」


 なにそれ初耳。

デデデデン!(空爆音)

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