91 神級
発明の日なので初投稿です
「なるほどね、時々君たちの動きが実力以上に良くなると思ったらそういう事だったのか」
「そういうことなんだ。で、どうする?」
「やろうではないか」
「決断が速い」
「別に許婚が居るわけでもないからね、立てる操もないよ」
普通なら僕の歳には許婚が居るはずなんだろうけどいないって事は政略結婚にも使う気は無いとはソフィーの談だ。
「可愛いのにな」
「……そういうのはいいから、やるよ」
「おう」
ソフィーと向き合い、『親愛の絆』の合言葉を唱えてキスをする。力が漲ってくるのを感じる。これなら行けそうな気がする。ところでこれで3人と親愛の絆が発動したことになるんだけどもしかして俺って軽い男なのだろうか。一抹の不安を心の片隅に置きながら、再び立ち向かった。
ソフィーと『親愛の絆』を結んだことによってあらゆるスキルのレアリティが上がっていく。
——魔力感知(C)が天素操作(LR)に進化しました。
——天素操作(LR)と魔法使いの日常(EX)が統合され庭師の日常(LEX)に神化しました。
なんだそれ、魔法使いがどう進化したら庭師になるんだ?と思ったら進化ではなく神化と書いてある。レアリティも見たことないランクになっているし説明文を見ようにも文字化けが起きていて読めない。え、なにこれこわい。
しかし魔力感知と魔力操作のスキルが混ざって一つになったという事は今までより悪くなったという事にはならないだろう。
「うわ、なんかさっきよりも眩しい」
「スキルのせいで魔素が視覚的に見えるようになったんだと思うけど、これはどうにも……」
多分俺達の周りにある迷宮主のレーザーから漏れ出た魔素が辺り一面に漂っているのだろう。クー助を見ればこの輝きが口の中に吸い込まれていくのが見える。
「ってクー助めっちゃ金色なんだが?」
「これがクーちゃんの本来の姿……」
先程まで夜より暗い色だったのに今は眩しい程の金色に輝いている。むしろ迷宮主のレーザーの方がドス黒いまである。
クー助の頭の上にある白く輝く人影はクレアか。優しい光がクー助の頭を包み込んでいる。腹を見ると金色に輝く中に迷宮主のドス黒い輝きが膨らんできている。
「そろそろヤバいかも」
「この状態なら確かに神級魔術も使えそうだけど肝心の魔力はどうするんだい」
「何言ってんだ周りに眩しいくらいあるじゃないか」
「まさか、この魔素を使う気かい?無茶だ、魔素を体内に取り込んで魔力にさせるのにどれだけ時間がかかると思っているんだい」
「そう、だからこの魔素を直接魔力に変換する」
魔力とは魔素を体内に取り込んで自身の魔力と混ぜて変化させたモノ。ならばそれが体内だろうが体外だろうが関係ない。
左手で魔力の袋を精製する、そして右手で大気中の魔素を左手の袋にこれでもかと詰め込んでいく。魔素で一杯になった魔力の袋を閉じ中身を混ぜ合わせる!
魔素はどんどん魔力に変化していき最後には通常の数十倍の魔力が完成した。
「そんな無茶苦茶な……」
「だがコレで魔力の問題は解決した。あとは神級魔術をあのタコにぶつけるだけだ」
「しょうがない、君のその作戦に乗るとしよう」
「よし、いくぞ……」
「ところで君神級は地水火風の四重魔術と光闇の二重魔術だけど呪文は知っているのかい?」
「……フィーリングでかんとかなるだろ!」
神級魔術を考えたら頭の中に呪文が浮かび上がってきた。これが統合された庭師の日常の効果だろうか。無茶苦茶便利だな。
「『天も地も光もない混沌の時代、神は初めに光あれと言った……」
「『これは終焉を告げる喇叭の音色……」
呪文を唱え始めると体内の魔力が一気に減る感覚がした。コレやばいな、すぐに目の前にある魔力を体内に取り込んでいくがこの消費速度ではさっき作った分では確実に足りない。魔素から魔力を精製、順次取り込みながら魔術を唱えなくては。普通なら脳みそ爆発して死んでる。こんな無茶苦茶な力技も『親愛の絆』を発動したからでこそだな。
「始まりの焔は宇宙を創り星を創り世界を作った……」
「第一の喇叭は全ての森を炎で焼いた、第二の喇叭は海に炎を落とし海を血に変えた……」
魔力の消費が間に合わねえ……このままだと失敗する、何かないか。ソフィーをチラリと見る、すると彼女は魔力を筒状にして魔素を吸い込み魔力に変換して取り込んでいた。なるほどその方が効率的だな俺もやろう。
「神は始まりの焔を天に残し世界を光で満たした……」
「第六の喇叭は四人の御使を呼び人々を殺した、第七の喇叭は神と悪魔が争いを始める合図となった……」
迷宮主のレーザーが終わる、クー助は耐え切ったのか。黄金の輝きになったクー助が翼を広げる。すると全身から光の粒子が飛び出してきた。これは魔素?体内に取り込んだタコのレーザーを分解して解放しているのか。この魔素凄い取り込みやすいぞ、これもクー助の力なのか?
タコが俺たちの魔術を見て危機感を感じたのか触手を伸ばしてきた。
「キュイ!」
「え、ちょっクーいきなり動かないで……きゃあ?!」
「クレアちゃん様!」
クー助が触手を止めるべく突進していく。そのさいに頭から落ちたクレアをアリスが空中で受け止める。ナイスキャッチだけど今アリス『親愛の絆』効いてないよな、大丈夫か?と思ったら普通に着地してるし大丈夫だった。そしてこっちも呪文が唱え終わりそうだ。
「これは世界が最初に見た誕生の炎であるーー』」
「これは世界が最後に見る終焉の炎であるーー』」
クー助とタコが組み付きその触手で絞め殺そうとする。しかしクー助はそのままタコの眉間に向かって口を開ける、口の中に光が満ちるとタコが竜の頭から放ったようなレーザーを吐き出した。光が眉間を貫くと触手がビクンと震え、竜の頭に変化していた部分が元のタコの触手に戻りダラリと力なく崩れ落ちた。
「クー助離れろ!いけるか?」
「僕を誰だと思っているんだい?」
クー助が触手を振りほどき迷宮主から一気に離れる。今だ!
「『天地創造』!」
「『天地終焉』!」
世界を産んだ白と世界の死を告げる黒が視界を染め上げた。
輪っか持って運動するゲーム面白い




