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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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90/322

90 攻防

主従の日なので初投稿です

「あっぶな、『風槌(エアハンマー)』が間に合って良かった……」


 光条は迷宮主ダンジョンボスだけを打ち貫き俺には当たらなかった、銃口補正ガバガバで助かった。

 残りは8本でそのうち2つは自滅して穴が空いている。やはり炎と言うか熱には弱いのかレーザーで開けた部分が再生する兆候をみせていない。


「この調子であと2、3本切り落とすか」


 あのレーザー怖いし。と思っていたら竜が3頭こちらに向かって口を開けた。レーザー……じゃないな、炎が口から漏れ出ている。後ろの5本が天に向かって充填チャージを始めている。


「ユート、さっきの炎をやられたら今度は防ぎ切れないかも」

「どう言うことだ?」

「コレ見て」


 差し出された手を見れば魔法盾(マジックシールド)の指輪に罅が入っていた。あの炎の影響だろうか。下手すれば使っただけで壊れそうになっている。


「じゃあ俺の後ろに下がって。アリス」

「もう一度首を落とすのですね」

「いや、アリスも後ろにいてくれ。奴の炎を弾き返す」

「畏まりました」


 3つの首が同時に炎を吐き出し、大きな炎の渦を作り出す。コレどうにか再現できないかな。火と風の魔術をなんかこういい感じに混ぜればできそうな気がする。それは置いといて迫り来る炎に対峙すし盾を構える。


「相変わらずこの瞬間はドキドキするな」


 物理攻撃ならそのまま盾で受けれるが、ここまで大きいと失敗すればモロに受けるわけだし。だがDPS(ゲーム)ではこれが出来なければまともに攻略出来ない。何百回何千回とやり込んできた技術は自信がある。スレイは技量がやばかったからすぐに対応されたけど。


「フェイントのねえ攻撃を失敗するほどガバはしないぜ、『反射(パリィ)』!」


 炎と盾がぶつかった瞬間甲高い金属音と共に炎がねじ曲がっていく。炎の当たり判定が長いせいかギャリギャリと音をたてながら盾の上を滑る。跳ね返した炎は3つの首を焼き尽くし丸焦げにした。


「お見事でございます」

「ありがとう、これであとは光の球を落とすだけだ」

「ちょっと、何か様子が変よ!」

「何?」


 天に向かって充填(チャージ)していた光球を徐々に降ろして、違うな目の前に向けている。もしかしてあれをそのままレーザーにする気か。迷宮主ダンジョンボスの8つの目が笑ったような気がした。あのタコ野郎……。


「アレどうするのよ!」

「……もう一度反射(パリィ)する」

「出来るの?いやさっきの炎も反射出来てたけど」

「ソフィー、あれが撃たれたら範囲はどれくらいになると思う?」

「前回の光の雨の持続時間と威力、それにそのあと出してきた熱線からして……どこにいても当たるだろうね」

「と言うわけだ、コレしかない」


 光球の輝きがどんどん増していく。コレさっきよりも力貯めてるんじゃねえの。しかしどれだけ威力が高くても跳ね返してしまえばその威力は全て相手にいく。


「こいよタコ野郎、テメエのレーザー全反射してやるよ」


 その時、迷宮主ダンジョンボスがその大きな口を開けて何かを吐き出してきた。

 思わずソレを盾で受ける、白い塊……もしかして奴の歯かコレ。やられた……今の衝撃で体勢を崩された。

 それを狙ったのだろう。光球の輝きが一層増した。


「『大地よ我らを守りたまえ土石隆起(アースウォール)』!」

「どうか耐えてよ、魔法盾(マジックシールド)!」

 二人が防御をやろうとしているが間に合いそうにない。充填された力が解放され俺たちは光に飲まれた。


 はずだった。


「ぎゅい〜〜〜〜」

「……?」

「……クーちゃん?」


 眼前には膨大な光の奔流とそれら全てを飲み込む元の大きさに戻ったクー助の姿があった。

 確かに魔術によるあらゆる奇跡(現象)魔素(マナ)やそれを動かす魔力(オド)が係わっている。源創種(オリジン)たる竜種であるクー助なら魔術を食べるという行為も可能だろう。


「でもそれは純粋な魔素(マナ)だからこそだ!その光はタコ野郎によって攻撃属性が付与されているんだぞ!ただでは済まない……!」

「そんな……!」


 その証拠に飲み込んでいる口の周りが焼けただれ始めている。だがクー助がのみこむのを止めたら俺達は一瞬で丸焦げになる。周りはクー助が飲み込み切れなかった光が飛び散りまともに動けそうにない。


「ユート!あたしをクーの所まで連れてって!」

「何を……!」

「決まってるでしょ!アイツの火傷を治すのよ!」

「危険だ!」

「あたしに何もせずにただアイツに全てを任せるなんてそんなことさせる訳ないでしょ!」

「……そうだな。クー助を助けてやってくれ」


 回復魔術(ヒール)をかけるには患部に触れている方がいい。ならば行くのはクー助の頭の上だ。クレアを抱きかかえ頭の上に登っていく。到着すると光の奔流がクー助の口の中に流れ込んでいくのが分かる。凄い魔力量だ。これあのあの木の実並かそれ以上なんじゃあないか?


『———!』

「ぎゃう〜!」


 タコの叫び声が聞こえる。それと同時に光の勢いが一層強まった、まだいけるのか。


「クー、火傷は治してあげるから頑張りなさい!あんたがやられるとあたし達も死ぬんだから!」

「きゅ!」


 クレアをその場に残し下に降りる。残っているのはアリスとソフィー。


「ソフィー、何かこの状況を打破できる手立ては無いか?」

「そうだね……この魔力量だ、上級魔術でも厳しいだろうね。特級クラスの複合魔術かそれこそ神級クラスじゃないと難しいだろうね。もちろん今の僕達には出来ないけど」

「それはどうして?」

「必要な物が何もないからさ。本来神級は上級魔術が使える魔術師を100人以上集めて行使する戦略級魔術だ、ここにいる4人でどれだけかき集めても足りないだろうね。それにそれほどの魔力を操作するのにもスキルが必要だ、ここでやるには人も魔力も足りない」

「魔力とスキルか……何とかなるかもしれないぞ」

「ほう?この状況でどうするんだい、是非聞かせて欲しい」

「なに、簡単な事だ。俺とソフィーでキスをする」

「………………なんだって?」

「まった、引かないで。俺の言い方が悪かった、ちゃんと説明するから」


そして俺が持っている『新愛の絆(チートスキル)』の概要を説明した。

呂布の愛馬が!

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