88 絶望の光
シルクロードの日なので初投稿です
「回復が何よ!あたしに係れば死んでない限り治してやるわよ!」
「それは頼もしい。しかし討伐の手がかりが無いのは良くないね」
ソフィーの言う通りだ、あれほどの再生速度ならただ戦っても無駄に体力を消耗するだけだ。どうにかならないものか。今の形態の迷宮主が明確に怯んだのは俺の『瞬間爆破』とソフィーの『火炎剣』位か。物理攻撃は効いた様子は見られない。
「炎系の魔術が有効なのか?海洋生物だし。アリス、最前列を任せても大丈夫か?」
「お任せください」
『親愛の絆』を発動させ少し後ろに下がる、触手の範囲内だがこの距離なら魔術を行使しながら対処が可能だ。
「この位置からだと本体の口は見えないな、目でも狙うか」
『————!』
「防がれた?」
『瞬間爆破』を8つある目の内の一つに狙いを定めて放つが触手によって防がれてしまった。偶然かと思い2回3回と打ち込むがことごとく防がれてしまい、遂には『瞬間爆破』の発動位置をずらされてしまった。
「うえ、そんなことも出来るのかよ」
「ボクも攻撃するよ、離れた方がいいかも」
迷宮主の周囲に幾つもの雲が生成され雷雲特有の音が鳴り響く。
「『雷雨』」
ソフィーの一声で雲から雷が降り注ぐ。球体の時とは違い雷を嫌がっている。
「よし、効いているぞ。そのまま撃ち続けてくれ」
「いや、そう上手くいかないようだ。あれを見たまえ」
竜の頭が、もとい触手が1本形を変えていく。平らに広がってまるで団扇の様になるとそれを振り回し始めた。立っているのがやっとな程、強烈な風が吹き始め雲を散らしていった。
「……なるほど、同じ技は何度も通用しないと」
「しかし魔術は確実に効いているみたいだし、これは耐久戦だね」
「向こうの体力が無くなるのが先か、こちらの魔術が尽きるのが先かって事か……楽しくなってきたなあ」
「なんで嬉しそうなのよ……」
「ご主人様が楽しそうで何よりです」
とりあえずこちらの魔術で対応されているのは『瞬間爆破』『雷雨』か。『火炎剣』はさっき一撃当ててはいるが対応されているのかは不明だ。
「『火炎剣』を撃ち続けて対応するまでの回数を調べよう。出来るか?」
「可能だとも」
「よし、じゃあさっきと同じ俺とアリスが前衛をする。その間出来るだけ撃ってカウントをしていてくれ」
「あたしはどうするの?」
「俺かアリスが傷を負ったら2人のところまで下がるから治療してくれ」
「きゅー?」
「クー助は2人の護衛な」
「きゅい!」
「よし、じゃあ続きと行こうか」
前に出て触手を捌くが、さっきよりも攻撃が激しい。そういえば『竜殺し』のメンバーが居なくなっているのだから当たり前か。
『反射』で弾いた触手を他の触手にぶつけて道を作る、その隙間を縫うようにソフィーが放った『火炎剣』が通り抜けて本体に刺さり大爆発を起こした。これで合計3回だ。
迷宮主が悲鳴のような鳴き声を上げる。触手の根元に当たったのか1本落ちていて、魔術による攻撃が有効なのか焼けた部分から触手が生えてくる事は無かった。4回目の『火炎剣』も直撃して確実にダメージを与えていく。
『———!』
その時3本の触手(竜頭)が咆哮と共にソフィーに向かって炎を吐き出した。3つの口から吐き出される炎はうねりを上げ1本の巨大な炎の渦になった。
「クレア!」
「やってやるわよ!」
クレアが指輪に魔力を込めて魔法盾を展開した瞬間、炎の渦に飲み込まれた。
「きゃー!ムリムリ!これ持たないわよ!」
「らしいので止めに行くぞアリス」
「かしこまりました、ご主人様お手数ですが足場を作ってくださいませんか」
「分かった『土石槍』、じゃあ数が足りないな……ソフィー!イダー・ヤーの時に使ってた大量の土石槍が出る魔術の名前何?」
「『大地槍』の事?」
「そう、それ!『大地槍』!」
魔術名を叫びながら地面を殴る。殴った地面の先から無数の土石槍が一直線に迷宮主に向かって行く。
「ありがとうございます」
「よし、俺も行くか『土石槍』!」
足元が勢いよくせり上がり射出機の如く俺を迷宮主に向かって飛ばす。炎を吐いている内の左側の首真上にたどり着く。アリスは右側を狙っているようだ。
「いくつもの石を撃ちだす土系下級魔術『石礫』、魔改造して石の数を一つに、そして大きく、名付けて『岩石落盤』くらえ!」
巨大な岩石が竜の頭を押しつぶす。まずは1つ。アリスは足場から跳躍し、首の周りを一周すると根元から切り落としていた。これで二つ。
「早くして、もう持たない!」
魔法盾にひびが入っている。本当に持ちそうにない。急いでアリスと共に左右から挟み込む様に最後の首を斬り落とした。
「よし!」
「っ!まだですご主人様」
「げっ残りの5本」
残りの5つの頭が集まり光球を作り出していた。この魔力、さっきの炎の比じゃないぞ。
「クー助、二人を乗せて避けろ!そいつじゃ耐えられない!」
俺の言葉を理解したクー助が二人を乗せて飛び立つ。その間に迷宮主は光の玉を天に掲げた。
次の瞬間光の雨が部屋全体に降り注いだ。
なんかインド人めっちゃ拡散された




