84 第2、第3形態
花粉症なので初投稿です
「よおユート、お前のその術技すげえな。あんな巨大な竜種の頭を吹っ飛ばしちまうなんて」
合計3回目の『反射』を成功させたらグランツが話しかけてきた。どうやら反射が俺の術技だと思っているらしい。
「これ、術技じゃなくて仕様……テクニックみたいなモノだから盾か小剣があればグランツにも出来るぞ」
「ほう?ではコレが終わったらご教授願えるか?」
「時間があればな」
最近授業料払う為に冒険業してたから若干出席日数が減ってきているので、海神祭が終わったらすぐに戻って授業を受けたいのだ。授業を受けるために金稼ぎしているのにそのせいで授業に出れないのは本末転倒ぎみだと思う。
「ははっ、そりゃあ楽しみだ」
その後も竜の首を黙らせ続け、残るは1本だけとなった。
「あとはアレを残すのみだ!」
「へっなんだ、みんなビビッて逃げ帰るもんだからどんなものかと身構えていたがどうやら参加した奴全員がビビりだっただけかよ」
確かに竜種の様な頭と叩きつけ攻撃には驚いたが見極めてしまえばどうという事は無い。下クラスの冒険者ならいざ知らず中クラスの冒険者なら対処できるはずだ。まだ何かあると考えるべきだろう。
「おい、様子が変だぞ」
「な、なんじゃあありゃ」
最後の頭が天井に向かって咆哮すると倒れていた頭が起き上がり、首に巻きついた。すると徐々に変化していき一つの大きな竜の首になった。
「いや体に対して首がデカすぎるだろ」
首から上と胴体の対比が2:1って、しかもデフォルメされた姿ならともかくリアルな姿だと違和感が凄い。
『————!!!』
咆哮と共に口から炎を吐き出した。難なく回避出来たものの炎は消えること無く地面を燃やし続ける。火炎放射器かよ。
「気をつけろ、あんまりバラバラに避けるとあたり一面火の海になるぞ!」
「つってもどうすればいいんだよ!」
「狙われた人は燃えている場所に移動して重ねれば良いのでは無いでしょうか?」
「できるか!」
アリスの提案にグランツがツッコむ、マルチバトルにおける範囲攻撃の対処方法だがぶっつけ本番は難しいのでは無いのだろうか。
「そうでしょうか?このように……ほら」
アリスが前に出て注意を引く。竜の口から炎がチラチラ見えたら移動を開始し、吐き出した炎を回避する。すると着弾した炎は先ほどの炎と寸分違わず同じ場所に着弾した。
「なるほどそうすれば確かに……できるか!」
「こっちでもアリスぐらいしか出来ないと思うから気にしないで」
「いや、なんで出来るんだあの嬢ちゃん」
そこはまあ、アリスだし。
まあそれはそれ、このアンバランスな竜をどうやっつけるべきか。攻撃方法が今のところ炎を吐いてくるしかないが近くに行けば何か隙のある攻撃をしてこないだろうか。
「近付いて胴体に切りかかってみる、アリスは右から頼む」
「かしこまりました」
二手に分かれて竜に迫る俺はまっすぐ突き進みアリスは右から円を描くように走っていく、これでアイツに一番近いのは俺だが。
『————!!!』
俺に向かって炎を吐いてきた。一番近い敵を狙うのか、さっきのアリスの実演の時もそうだった気がする。
「3回も見ればなれるぜ、『反射』!」
どんな攻撃でもそれが攻撃であるなら跳ね返す『反射』で炎を跳ね返す。甲高い音と共に炎は180度反転、竜の口に帰って行く。
『————!!』
竜の頭が燃え上がり、火を消すべくのたうち回る。しかしいくら頭が燃えているとはいえアレだけ地面に叩きつけたら意識飛ばないのだろうか。
「今だ!全員奴の頭にぶちかませ!!!」
「「応よ!」」「まかせなさい!」
竜殺しのパーティは男どもは剣や斧を構えて頭に殺到し、魔術師は詠唱を唱え始めた。 確かに今が攻め時だ俺もそのまま向かう。各々が得物を竜に叩きつけ傷を増やしていく。
アリスも両手に持った2本の小剣を身体をコマの様に回転させながら切りつけ、俺も剣を叩きこむ。
「うーむ、やっぱりコイツの斬った感触何かおかしい」
確かに硬い鱗だ。しかしその鱗に刃を叩きつけた時、体内に深く沈む。動物の頭である事を考慮するならここまで沈み込めば頭蓋骨に当たらないとおかしい。
切りつけた傷からは青い血を流し確実にダメージを負っているはずの竜はしかしそのようなそぶりも見せずに起き上がり、再び炎を吐き出し始めた。
「チッ、タフな野郎だぜ」
「だがダメージは確実に出ている、このまま続けるぞ」
違和感を感じながら攻撃をくわえていき、5回目の『反射』をした時、変化が起きた。
『————!!!』
竜が天を向いて咆哮をすると口から黒い靄を吐き出した。
「なんだこれ」
「新手の攻撃か?!」
俺も少し吸い込んでしまったが手足がしびれる感覚も無いし毒ではなさそうだ。黒い靄が辺り一面に漂い始め視界が悪くなってきた。
「ご主人様」
「アリスか、このケムリがどういう効果か分からない。一度ソフィーのところまで戻って意見を聞くのが……ってどうしたアリス?」
返事がないので振り返るとアリスが2本の小剣を俺に突き刺そうと振り上げていた。
「うわぉ!」
ギリギリのところで何とか回避するが一体どうなっているのだろうか。
「アリスどうしたんだしっかりしろ!」
「なぜあなたがご主人様なのですか……」
「アリス!俺だ、結人だ!」
「なぜおまえの様な外様の人間が我が物顔でここにいるのか!ワタシの主を名乗るか!」
「そうよ、あんたみたいな奴があたしの傍に居るなんて虫唾が走るわ」
「クレアまで……本当に一体どうしたんだ、今は迷宮主と」
「そんなことどうでもいいのよ!あたしは速く死ねって言ってんのよ!」
「君はこの世界における異物だ、どのような被害をもたらすか分からない」
「なんだ……一体何なんだよ……やめてくれ、やめろよぉ!」
辺り一面が夜より昏い闇に包まれていたが俺は気付くことは無かった。
今日ライブ配信多くね?




