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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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83 ムービースキップ

漱石の日なので初投稿です

 宮殿の中に入るとやはり大きな広間に出た。壁は謎の模様が描かれており、広々とした空間の中心には緑色の球体が浮かんでいた。かなり大きい、イダー・ヤーどころかその次に戦ったヒュドラよりも大きい。


「なにあれ?」

「あれが迷宮主(ダンジョンボス)なのでしょうか?」

「ふむ、実に興味深いね」


 まあ迷宮主の部屋に意味深に置いてあるんだし関係あると思う。


「とりあえず先手必勝だ、ジェーンは攻撃魔術の準備を。俺とトノーはジェーンの魔術に合わせて前に出る、ケンは周囲の警戒を」


 お隣さんは早速攻撃する準備をしている。俺達もやるか。


「ソフィーもここで攻撃魔術の準備を、クレアは怪我人の回復を頼む。クー助はこの二人を守ってくれ」

「「わかった」わ」

「きゅい!」

「アリスは俺と前衛だ、後ろ二人に攻撃がいかない様、俺達に敵対心(ヘイト)を集めるぞ」

「畏まりました」

「『……炎よ燃え盛れ!』グランツ、いけるわよ!」

「『……雷よ降り注げ』こっちも準備できたよ」

「よし、やってくれ!」

「『火炎剣(フレイムブレイド)』!」

「『雷雨(サンダーレイン)』」


 グランツの言葉で詠唱を唱えていた魔術師二人が魔術名を唱えた。ジェーンと名乗った魔術師の周りに炎で出来た大剣が3本現れると凄い勢いで飛んでいき、同時にソフィーの雷も降り注いだ。炎の大剣が球体に刺さると爆発に包まれた。


「すげ、始めて見る魔術だ」

「火系中級魔術『火炎剣(フレイムブレイド)』、うちのとっておきだ。時間はかかるから実用性は無いが威力はこの通り」

「しかし相手にぶつけて爆発させるなら剣の形にする意味はあるのか?」

「さあ?そういう魔術って事しか俺は知らんしな」


 そういうものだろうか。しかし威力は確かに申し分ない。俺の『瞬間爆破(ソニックボム)』と同等かそれ以上だ。


「さて、結果はどうだ……?」


 爆発で舞い上がった煙が晴れるとそこには傷一つ付いていない球体が浮かんでいた。


「な、なんだと?!」

「ジェーンの『火炎剣(フレイムブレイド)』が効いてないだと!」

「そんなバカな?!下級の迷宮主(ダンジョンボス)でも一撃で倒れる威力じゃぞ!」


 あちらのパーティは相当に自信があったらしく動揺している。確かに全くの無傷というのは確かに驚いたが。


「おいリーダー、俺の矢も駄目だ。どこを狙っても弾かれちまう」


 もしかしてアレは(ボス)ではあるが登場イベントが発生するまではただの置物(オブジェクト)、みたいな。


「とりあえず近付くか」

「おいおい、今の見てただろ!傷一つ付かねえ奴にどう立ち向かえって言うんだよ!」

「ここから攻撃してなんの反応(リアクション)も返さないなら近付く以外に手段は無いし、これだけならなんでさっきまでの連中が恐怖しながら逃げ出したのか分かんねえ」


 まあ強すぎて傷がつかないっていうパターンもあるがその時は俺達も直ぐに逃げよう。

 入り口と球体の丁度真ん中あたりまで来た時に変化が現れた。球体がピクリと動くと徐々に形状が変化していった。球体の上半分がまるでつぼみが花開くように表面が割れると竜の頭が現れた。


竜種(ドラゴン)の、頭……?!」

「なんてこった!まさかコイツ青色の竜種か?!」

「んなわけあるか!アレは連合国の海上神殿(タイナロン)に居るんだぞ!こんなとこに居てたまるか!」


 球体を中心に放射状に九つの首が現れそれぞれがこちらを向く、これは逃げ出すのも無理はない。

 首の一本が頭を後ろに引くと勢いよく突っ込んできた。


「全員回避!」


 俺の一言で全員が散る様に逃げる。突撃してきた頭は地面を大きく揺るがした。

 馬鹿め、自分からダメージを負いに来るとは!しかし土煙から出てきた頭部にはこれといったダメージは入って無さそうだ、なんだその頑丈な頭は。しかも既に別の首が同じような事をやろうとしているのか首を後ろに大きく引いていた。


「狙いは……俺か!」


 2回目の突撃が俺に向かって飛んでくる。今度は回避せず真向から盾を構える。 頭に押しつぶされる瞬間かちあげるように盾を顎に叩きつける。甲高い音と共に竜の頭は天井を仰ぎ見ながら胴体部分まで弾き返された。


「『反射(パリィ)』をしてもすげえ衝撃、しかし何だ今の感触……?」


 竜の鱗は魔鉄よりも遥かに硬い、それなのに今の感触を例えるなら肉の塊を殴ったような……

 と考え事をしてる間にも竜達(?)は他のメンバーに頭による叩きつけを行なっている。

 ソフィー達後衛組は首の射程距離に居ないおかげか攻撃は食らってないようだ。


「『敵を燃やせ!火球(ファイアボール)』!」

「『雷撃(ライトニング)』」


 叩きつけが空振りに終わり動きが止まっている頭に魔術を放ち、前衛達も斬りかかる。

 魔術が直撃した直後、咆哮を上げて地面に倒れた。


「いけるぞ、このまま残りの首も倒すぞ!」


反射(パリィ)』した頭も返ってこない、残りの首は7本だからこのままいけば時間内に間に合うはずだ。


「……いや待て、なんで『反射(パリィ)』で返しただけの首が返って来ないんだ?」


反射(パリィ)』はカウンター技ではあるがダメージそのものは無い。射撃を跳ね返したり直接攻撃を与えてきた敵を大きく仰け反らせたりするだけだ。なのに反射した首は起き上がってくる様子が無い。


「いかがなさいましたかご主人様」

「この迷宮主(ダンジョンボス)何かおかしい……気をつけてくれ」

「かしこまりました」


 違和感を感じながらも4本目の頭を黙らせた。


「なんだこいつ見かけだけで大した事ないぞ!」

「このまま倒せばワシら本当に竜殺しになれるの」

「はっ、こんな弱っちいの倒して竜殺しだなんて笑われちまうぜ」


 あちらさんはイケイケな感じだ。しかし竜側に動きがあった。倒れた首を引きずりながら回転を始め、攻撃をして来なかった反対側の5本が正面に出てきた。なんだこのわざとらしい動きは。

 行動が理解出来ないまま、第二戦を始めた。

ハジケ祭りだ

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