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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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82 即席チーム

バレンタインなので初投稿です

「うわぁぁぁぁ!!!」

「ヒィ!!!」

「助けてくれぇ!」

「い、一体中でなにが起っているんだ……」


 中央の宮殿、八つの塔の主人が倒れ、入口の扉が開かれた。これは海神祭始まって以来の出来事であった。

 故に迷宮主(ダンジョンボス)の情報はどこにも無く、姿形やその能力、どれか一つでも持ち替えれば多大な報酬が貰えると踏んだ冒険者(命知らず)達が宮殿に入って行っては恐怖に顔を歪ませながら飛び出してくる。


「リーダー、ここは入らねえ方がいい。俺のカンがそう言ってる」

「アンタ馬鹿ね、カンじゃ無くても出てくる連中を見ればわかるわよ」

「んだとこのアマ!」

「何よ!」

「まあまあ、こんなところで言い争ってもなんの得にもならんぞい」


 パーティのケンとジェーンがいつも通り言い争い、トノーが諫める。その間に方向性を決めるのが俺、グランツの仕事だ。

 毎年海神祭には金稼ぎに来ていたがまさか今年になってギルド代表に選ばれるとは思わなかった。しかしギルド直接の依頼。これで好成績を収めればギルドからの評価も上がり昇級のチャンスが巡ってきた。上手くいけば1等級も夢じゃねえ、

 そのためにも迷宮主の情報は少しでも欲しい。だが同じ考えで宮殿に入っていった連中が悉く逃げ出している。しかもそいつらから聞き出そうにも逃げてきた連中はもの凄い勢いで迷宮を逃げ出している。試しに一人捕まえようとしたのだが凄まじい力で振り払われてしまった。


「ふうむ、どうしたもんか……」

「さっきのイカの冒険者たち、こんなところでなにしてるんだ」


 その時、まさに天啓とも言える言葉が後ろから聞こえてきた。


 


 ◇◇◇


 


 途中でクレアとクー助が合流して中央の宮殿にたどり着くと、先ほどのイカで共闘した冒険者達が立ち尽くしていた。話しかけるとリーダーと呼ばれていた男がにこやかに近付いてきた。


「やあ、さっきはどうもありがとう。戦利品(ドロップアイテム)を譲ってくれたおかげでこっちは大分稼げそうだよ」

「そうか、それはよかったな」

「それで、お前達はどうして……いや、分かっている。優勝するべくここに来たんだよな?」

「まあ、そうだな。勝つには迷宮主を倒すしかない


 先の時よりやたら友好的になっている、そんな好感度上がるような事やったっけ


「前回のイカは助けられたし、今度は俺達に手伝わせてくれないか?」

「手伝うって、(ボス)討伐をか?」

「あぁ!お前達がいくら強くても迷宮主に1パーティだけで挑むなんて流石に無謀ってもんだ!」


 そうは言っても今まで1パーティでしか倒した事ないからなあ。まあ人手は多いに越したことはない。そういうのなら手伝ってもらおうかな。


「しかし今回は戦利品(ドロップアイテム)はあげれないぞ。いくら優勝が目的とはいえ俺達も冒険者、金はいるからな」

「それは重々承知さ。だが借りを作りっぱなしというのは俺の気がすまないし、主討伐でもらえる報酬なら自分達の分でも十分金になる。それに俺たちが参戦してポイントを取ったところで優勝できるわけでもないしな!」


「そういう事なら……アリス達はどうだ?」

「ワタシはご主人様に従います」

「いいんじゃない?盾は多いに越したことは無いわ」

「敵の攻撃が逸れれば観察しやすいしね、ボクも賛成だよ」


 うーんコイツらこの冒険者達を盾か囮り(デコイ)としか認識してない。


「それじゃあ一緒に行こう、迷宮主(ダンジョンボス)となれば俺達もどうなるか分からない。無理だと判断したら逃げるぞ」

「分かった。そういえば自己紹介がまだだったな。俺はグランツ、こっちの細い男がケンで魔術師のジェーン、鉱石人(ドワーフ)のトノーだ。この4人で『竜殺し』というパーティをウェストガルドで組んでいる」


「俺は結人、この子がアリスでクー助に乗っている2人の前がソフィーで後ろがクレアだ」

「それにしても竜殺しですか」

「もしかして見たことあるのかい?」

「まさか!疑竜種(ワイバーン)すら見たことないよ」

「昔、冒険者になりたてだった頃にこいつらとパーティ組んでよ。その時に竜種を倒せるようにって願掛けで付けたんだよ」

「まったく、今だから笑って言えるけどアタシ最初すっごい恥ずかしかったんだからね」

「実際、ワシら結成当時から一人もかけることなく中の3等級まで来れたのだから、ある程度の効果はあったんじゃないかの」


 死と隣り合わせの冒険者だからこそ少しでも助かる事はしたい、たとえそれが気休め程度のジンクスでも。


「さっきから気になっていたんだがあんた等のそれって……」

「ん?あぁ、クー助の事か。こいつはソフィーの従魔(テイムモンスター)だよ」

「って事は彼女は従魔師(テイマー)なのか?始めて見たな」


 本当は従魔師ではないのだが、正直に言っても混乱するだけだし黙っておこう。


「じゃあ、そろそろ行くか」


 空を見上げれば日は真上を通り過ぎて傾き始めている。日の入りと共に終わるので脱出も考えれば後3時間も無いだろう。

 迷宮主(ダンジョンボス)の部屋は階層主(エリアボス)とは違い組んだパーティ以外は入る事が出来ない。

 それがどういう判定で行われているのか謎だが、入ってしまえば生徒会長たちがポイント欲しさに侵入してくるという事も起きないだろう。


「ひぃぃぃぃ!!」

「こんなのごめんだ!!!」

「た、助けてくれぇ!」

「あばばばばばb」


 先程入っていった別のパーティが出てきた。


「よし、じゃあ行くぞ!」

「畏まりました」

「わかったよ」

「やってやろうじゃない!」

「きゅー!」


 迷宮主が居るであろう宮殿に突入する8人と1匹。


「ところで迷宮主の部屋はボスを倒すか全滅しない限り開かないのだが知ってるか」


 何それ初耳なんですけど。

揺れたね

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