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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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74/322

74 幕間

あと1日なので初投稿です

 

「まさかあの迷宮も時間加速が無いタイプとは思わなかった」

「おかげで何にも出来なかったわね」


 迷宮に入るまでは良かったが真夜中だったので一度仮眠をとってから攻略しようという事になり、適当な民家のような建物に入り込み魔物が居ない事を確認してから交代で仮眠をとっていたら5時間程経った辺りで迷宮を被うドームの天井が明るくなってきた。その時初めて迷宮の時間加速が無い事に気付き、急いで全員を起こして迷宮から脱出した。


「あたし達が迷宮に行ってた事バレてないかしら?」

「そもそも小舟と人が海底に居るなんて思わないだろうから大丈夫なんじゃないかな」


 桟橋近くに来た俺達は辺りの様子を伺いながら浮上して小舟から降り、何食わぬ顔をして宿屋に戻った。

 朝食を食べたら夜の見張りをしていたせいか満腹感と共に眠気が襲い掛かってきた。


「俺はこれから寝るけどみんなはどうする」

「ワタシは服のお洗濯をします、今日は海水で濡れてしまったので痛まないうちに綺麗にしないといけませんので」

「あたしはどこかそこら辺を散歩してくるわ」

「ボクは何かあの迷宮が分かるような文献が載っていそうな本でも探すよ」


 各自今日の方針が決まったようなのでこの場で解散する。

 部屋に戻った俺はアリスに手伝ってもらって胸当てなどの鎧を外していく。


「ご主人様、お召し物を脱いでください。寝巻に着替えましょう」

「あぁ、わかった……って、服は自分で着替えるからアリスはその鎧を仕舞っておいてくれないか」

「畏まりました」


 危なかった、寝不足で若干頭がボーっとしていたから、危うくアリスに脱がされるところだった。アリスは隙あらば俺の着替えを手伝いたがるからな。戻ってくる前にいそいそと着替える。

 長旅の野宿で寝巻なんかは使わないのだがアリスはそれが許せないらしく旅の途中に村など宿泊施設があるところでは寝巻で寝るように言ってくる。野宿でまともに寝れないのだから宿屋での睡眠は良くしようというアリスなりの気遣いかもしれない。

 脱いだ服をまとめてテーブルに置いてベッドに潜り込む、うわぁめっちゃふかふかだ。

 寝っ転がると柔らかなベッドに飲み込まれていく、わあすっげぇ……。


 ◇


「ご主人様、お身体を拭くお湯を貰ってきましたで……おや、もう寝てしまわれたのですね」


 ご主人様のお顔を覗くと穏やかな寝顔で寝ていらっしゃいます。いつもの凛々しいお顔も好ましいですが時折見せる可愛らしい顔もワタシは大好きでございます。


「ご主人様せめて足は綺麗にいたしましょうね」


 桶のお湯でタオルを濡らして寝ているご主人様の足を拭う。少しくすぐったそうに身じろぎますが起きる気配はありません。

 指の間まで綺麗にするとベッドの端で寝ているご主人様を真ん中まで移動させてます。このままワタシも一緒に添い寝しようかと考えが過りますが旅で汚れた衣服が溜まっていますのでさっさとお洗濯をやってしまいましょう。

 桶と一緒に汚れた服を纏めて裏手の井戸に向かう。宿屋の方に場所を聞いた時に衣類の洗濯のサービスも行っていると聞きましたが、自分でやれば無料ですし何よりご主人様の服はワタシが洗いたいので丁重にお断りしました。さて、ではお洗濯を始めましょう。


 ◇


 散歩がてら町を散策しているけどお祭りってことを除けばそんなに面白味がある町ってわけじゃあなさそうなのよね。

 あたしの足でも一日で回れる大きさだし大通りにあるのも食材屋か貿易商の支店ばっかりな感じ。今はお祭りだからそこら中に屋台が出てるけど面白そうなものはないわね……何かしらあれ?


「こちら王都で今話題の大人気スイーツ『タルト・タタン』ですよー!」

「へえ!美味しそうじゃない」

「お嬢さん、お目が高いねえ。こいつは王都にいる有名パティシエ、タタンの新作だよ!」

「王都からここまで持って来たの?」

「まさか、そんなことしたら焼き菓子とはいえ腐っちまう!これはレシピを買ってウチのパティシエに作らせたのさ!どうだい一口食ってみるか?美味かったら買ってくれ」

「へーどれどれ……うっ」

「美味いだろう!」

「まっずい!なにこれキャラメリゼが焦げて苦いしそれを誤魔化すためにリンゴがたくさん入っているけど、どれも水分が抜けてパッサパサじゃない!」

「な、なんてこと言うんだ!」

「事実を言ったまでよ!だれよこんなの作った奴!文句言ってやるわ!」


 ◇


「……」


 資料がないかと町を散策していたら史料館を見つけた。どうやら海神祭に参加する冒険者様に地図や魔物の情報を纏めてあるらしい。

 正にボクにうってつけの場所じゃないか。とりあえずここの本を全部読んでみよう。


「ねえ、君も今年の海神祭に出るのかい?」

「……」

「その服、サウスガルドの魔術学園の生徒だろ?もしかしてお友達と来てるのかい?」

「……」

「俺たちも海神祭に出るんだけど、俺たちのパーティに魔術師がいないんだ。もしよかったらなんだけど君のパーティと一緒に迷宮を攻略しないかい?」

「……」

「……あの、聞いてる?」

「……」

「おい、下手に出てりゃあ調子に乗りやがって!無視してんじゃ……」

「グルル……」

「ひっ?!モ、魔物(モンスター)!なんでこんなところに?!」

「クーちゃんステイだよ」

「こ。こいつ従魔師(テイマー)か!くそっ誘う相手を間違えたぜ」

「……」


 なんだか周りが騒がしいな、本を読む場所では静かにして欲しいものだ。


 ◇


 ふう、洗濯物のついでに武器と防具の手入れもやってしまいました。ご主人様はどうしているのでしょう。

 まだ寝ておられますね……今日のやることは全て終わりましたし、ワタシも少し休憩しましょうか。

 起こしてしまわないように、お隣に……。


 ◇


「疲れた〜。もうなんなのよあのインチキパティシエ!何もかも間違ってたじゃない」


 どうりであんな不味いタルトができる訳だわ!まあお陰で有名パティシエのレシピが手に入ったし知り合いのパティシエに作って貰おうかしらね。


「ただいま〜って、アリスもユートも寝てるじゃない」


 二人ともぐっすり眠っているわ。まったくあたしの苦労も知らずに……なんだか疲れたし、あたしも寝よ。


 ◇


「ただいま戻ったよ」

「キュー!」

「おや、みんなぐっすり睡眠中の様だ。静かにしよう」

「キュー?」


 トコトコ、ボフン。

 クーちゃんがユートの股に挟まるようにベッドに潜り込んだ。


「クーちゃんも寝るのかい?」

「きゅ」

「ふふ、じゃあボクもご一緒しようかな」

「きゅ!」


 ◇


「うーん……はっ!?」


 ベッドに入ったら秒で寝てしまった。窓から覗く光を見ると夕方頃だろうか。

 一日中寝てしまったな……起きるか。


「うん?体がなんか動かない」


 左を見るとアリスが俺の腕を抱えている。右を見ればクレアがやっぱり腕を抱えており、下を見ればソフィーとクー助が俺の上で寝ていた。

 えー?どういう状況?

サンちゃん…

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