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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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67 世界枝

世界がキンクリしたので初投稿です

女王寄生木が光の粒子になって空気中に溶けていく。相変わらず(ボス)級を倒したときの輝きは綺麗だな。

後に残ったのは女王寄生木の戦利品(ドロップアイテム)と枯れた巨木だけになった。


「なあ、心なしか魔力吸収が弱まってないか?」

「そういえば力が抜けていく感覚がありません」

「どれどれ……確かに魔力が吸われていない、それどころか魔素(マナ)が満ち溢れている。きっと女王寄生木が吸収していた魔素が還元されているんだ」

「あたしは特に……?」

「クレアは元から魔力吸われてもピンピンしてたろ……どうした?」


クレアが何やらあたりを見まわしている。何かあるのだろうか。主は倒したから後は帰るだけなんだが。


「ねえ、何か聞こえない?話し声みたいな」

「話し声?んー……聞こえねえ」

「……ワタシには聞こえます」

「ボクも聞こえるね」


え、ウソ?みんな聞こえてるの?聞こえてないの俺だけ?どれだけ耳を澄ませてもやはり何も聞こえない。

3人は枯木の方に歩んでいく。そっちに何かあるのだろうか。


「ここからです」


枯木の根元まで来るとアリスが場所を示す。見れば洞が空いており、中を覗けば新芽が生えていた。


「信じがたいけど、この新芽があたし達に話しかけているみたいね」

「えっと、『我が子を助けてくれてありがとう、勇ましき者よ。私は世界枝(グングネル)……その残滓です』」

「もしかしなくてもその新芽が俺達に語りかけている感じ?」

「どうやらそのようだね。とても興味深い」

「『私はその昔とある者に傷つけられ弱っている時に寄生木に寄生され、その命を落としました』」

「『残った力を使い、子とも呼べる種を残しましたが、寄生木の力が次第に強力になりついには種にまで吸収されようとしていました』」

「『その時寄生木を取り除いてくれる者が現れました。貴方達です。貴方達のおかげでこの世界は、私の子は生きる事が出来ます。ありがとう』」

「よくわからんけど助かったのなら良かった」

「『ここの寄生木によって吸われた魔素(マナ)は大地に染み渡り、我が子を育てる事でしょう。私にはもう何も残ってはいませんが、感謝の証を我が子から貴方達に渡すよう伝えておきます、どうぞ受け取ってください』」

「何かくれるなら貰っておくか」

「『それでは、さようなら』……声が聞こえなくなりました」


亡くなったか、ざあっとどこからともなく風が吹いた。


「まってこの風段々強くなってないか……?!」

「これは……魔素が全部この新芽に集まっている!」

「新芽が大きくなってるわ!」

「危険だ、離れよう!」


魔素が新芽に吸収されどんどんと成長していく。新芽から幼木になり、自分を保護していた枯木をなぎ倒して若木となり最後には大樹と言っても過言ではないくらいに大きくなった。


「いや成長しすぎでは?」

『おはよう!あなちゃたちがママとアタチをたすけてくれたいさましきひとたちでちゅね!』

「うお、誰だ」

『アタチは世界枝!のこども!すきによんでいいでちゅよ!』

「本当にこの木から声が聞こえるな。グングネルじゃあ厳ついし……じゃあネル。君の名前はネルだ」

『わぁお!ちゅてきなおなまえ!じゃあアタチはネル!よろしくね!ママからおはなしは聞いてるわ!あなた達にお礼をあげるように言われてるの!でもアタチがあげられる物ってこれしか無いの。う〜ん、えい!』


枝が揺れて何かが落ちてくる。受け止めたそれは立派な果実だった。


『アタチの果実!初めてだから大切にしてね……キャッ///』


ちょっとイラっとする、このままこの果実食ってやろうか?でも果実だし食うのが正しい使用方法なのか?それとも植えるとか。


『必要な時に食べてね!きっとあなた達の助けになる筈だから!』


どうやら食べるのが正しい使用方法らしい、まあ貰えるなら借金と病気以外は貰っておく主義なので有り難く頂戴しよう。


「ありがとな。ネルはこれからどうするんだ?」

『どうもしないわ!ここで育って世界を見守るわ!それが世界枝であるアタチの生きてる理由!』


よく分からないけどここですくすく育っていくらしい。あのデカさで言葉が大分幼いので更にデカくなるのだろう。新芽を隠していた大枯木くらい大きくなるのだろうか。


「さて、じゃあそろそろ帰るか」

「待ってくれたまえ、ボクはこの世界枝とやらにとても興味がある!聞きたいことが山ほど……」

「はいはい、明日は学校があるんだからあんたをここに置いていくわけにはいかないのよ」

「そんな……クレア君待ってくれ、ほんの5時間でいいんだ!」

「それだけ居ればとっくに夜中になるわよ!」

「ソフィー様、また今度にいたしましょう」

「まあ、また今度来る事にしようぜ。ネル、またな」

『うん、アタチはいつでも皆を見ているからね!お帰りはあそこから!それじゃあねバイバ〜イ!』


迷宮脱出用の魔法陣に乗ると視界が光に包まれたら、迷宮の入り口前にいた。

これって転送先に人がいた場合どうなるんだろうな。貰った果実を眺めながらぼんやりと考える。色形はリンゴだけど小さいな、ピンポン玉を少し大きくした程度だろうか。


「必要な時に食べて、って言われてもな」

「ご主人様、魔素視してみたのですけどその果実凄い魔素量です」

「本当に……うわっヤバ」


魔素の量って言うかこの果実が魔素だけで出来てないかこれ……?学園の授業で魔素は触れる事の出来ない光と同じ性質と教わった。つまり魔素は無質量のはずである。


「物質化するほどの魔素量……?」


それってヤバくね?


「キュー!キャー!」

「くーちゃん、籠の中は狭かったね、今出すからちょっと待ってて……」


バキンッ


バクンッ


果実を持った俺の手をクー助が食べた。


「「「「え?」」」」



1週間気が付かないガバ

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