62 兆し
生コンクリートの日なので初投稿です
人が居ない事を確認してから禁魔の伽藍洞に潜り込みクーちゃんを回収、階層主の枯木を伐採する。最初に戦って以来、寄生木付きの枯木は出てきていない。本当に何かの偶然だったのだろうか。
「クーちゃん様も、長い事小さくなれるようになりましたね」
「この魔道具のおかげだね」
そういってソフィーは小型化したクーちゃんを入れている籠を掲げる。
魔法がやりたい放題という事を証明する為に色々と試しているうち、魔道具の作成に着手した俺は隠し部屋の魔力を遮断する魔法陣を元に小型化に成功、クーちゃん運搬籠に取り付ける事によって迷宮の魔力吸収から守る事を可能にした。
「クーちゃんもやる気があるのか小さくなる特訓も積極的にやっているよ」
「きっと、ソフィー様と一緒に居たいのですね」
「それかご褒美のお菓子欲しさね」
「そんな欲張りなのはクレアくらいだろ」
「なんでよ!」
街中の菓子店を制覇してレビューを学園新聞部に情報売ってるのを知らないとでも?謎の覆面菓子レビュアー。
「まあ自分で金を稼ぐのはイイけど太るぞ」
「な、なに言ってんのよ!大体あたし冒険業で動いているんだから太るわけないじゃない!その証拠にこの服だって一度もきつくなった事……」
「あの、クレアちゃん実は……」
アリスがクレアに耳打ちをする、それを聞いたクレアの顔が青ざめいく。そんな分かりやすい青ざめ方があるのか。
「あ、あんた、なん……」
「申し訳ありません。ですが、そのままだと確実に胴まわ……」
「わー!わー!言わなくていいわよ!大丈夫怒ってないわ、だってあたしの為に良かれとおもってやってくれたんですもの。だからそれ以上言わないで!」
その後、前線に出て魔物を殴るクレアの姿が!
「おのれ脂肪—!」
「いいのかい?回復役があんなに前に出て」
「まあ、ここの魔物そんなに強くないし、たまには前線の経験も積まないといざっていう時に動けないしな」
「ふうん。ところで君は女性の体形はどういったのが好みなんだい?」
なんでそっちに話題を流したんだ。
「……まあ、どういう体形が好みと言うか、好きになった女性の体形が好みかな」
所謂幼女だったから好きになったのではなく好きになった奴がたまたま幼女だったのだ理論。
「つまりストライクゾーンは広いと」
「なんでそうなる。いや、そうなるのか?」
つるぺたでもぼんっきゅっぼんっでも好きな人なら好みになるは確かにストライクゾーンが広いどころの話ではない。変幻自在の性癖だ。
「よかった、予想外ではあったけどいい結果が聞けた」
「今の答えに良かった要素どこにあるの?」
「しかしご主人様、よく胸の大きい方とすれ違う時に目を奪われていますよね」
「それは違う、その認識は間違っている。生き物は動くものがあると意識をそちらに寄せてしまうんだ。そう、これは人間の本能による悲しきサガであって決してやましい気持ちがあるわけでは」
「でもあんたおしりもよく見てるわよね?そんなに激しく揺れないのに」
「ぐうっ……!」
膝から崩れ落ちる。だってしょうがないじゃん!男の子なんだもん!エッチな部分はどうしても見ちゃうんだよ!特に回避系の女戦士なんか肌の露出多いし、凄い奴とか水着みたいな踊り子の服で戦ってるんだよ?!こちらも見ねば失礼と言うものだよ!(この間0.5秒)
「大丈夫だよ、健全な男の子なら取ってしかる行動だよ」
「ソフィー……」
「まあその行動を女の子がどう評価するかは別だけど」
追い打ちぃー!
「クー助、俺の評価値パーティー内でダダ下がりだよ。もうどうしようもないね」
「きゅいー?」
クー助とじゃれる。籠の隙間から入れた指の匂いをスンスンと嗅いだらペロペロと舐めてくる。ふふっ可愛ガブリいってえええええええええええええ!
思いっきり噛んできた、めっちゃ痛い!え?!めっちゃ痛いんだが!
「クーちゃんどうしちゃったの、しっかりして!クーちゃん!」
「グルルル……きゅい?」
野生丸出しの目から一転していつものクー助の顔に戻ると俺の指に傷があるのに驚いたのか傷を舐めはじめた。それは捕食行為と言うよりも傷を癒す行為に近い気がした。
「ご主人様大丈夫ですか!」
「びっくりしたぁ……指は、取れてないな」
最悪取れていたとしても治せるからいいが、それよりもクー助がこんな行動をとった方が問題だ。
本人は自覚が無いように見えるが食い千切らんばかりに噛みついていた時の眼は魔物のソレと同じだった。
抑えていたものがあふれ出たのか、野生の何かが突然芽生えたのか、どちらにしてもこのまま放置しておけば不幸な未来しか待っていない。
解決すべき案件がまた増えたな……、とりあえず今日は迷宮主倒してどれだけお金になるか見てみよう。
「なあソフィー……」
「やだ……やめて!殺さないで!」
「ソ、ソフィー?」
「今のは違う、ちょっと手加減を間違えたんだ!今後こんなことがおきない様にきちんと躾ておくから……だから、ころ」
「落ち着け」
ソフィーの顔を両手でぶにっと挟む。ついでに上下にブルブルと揺らしてやろう。
「にゃにすりゅんだい!」
「ソフィー、お前ってクー助の事になるとホント阿呆になるよな。親バカが過ぎるぜ」
まあ我が子と言うには少々デカい気もするがファンタジー世界だしそういう事もある。
「でもクーちゃんは……」
「はい」
クレアに指を差し出す。
「治癒術」
治癒術によって指が第一関節から二股になる。
「ぐあああ!バカバカ!」
「あーら、ゴメンあそばせ。ちょっと加減を間違えましたわ」
「アリス頼んだ!」
「失礼します」
アリスに二股の指を切り落としてもらう。すっごい痛い。
「もう一回!今度は間違えんなよ!」
フリじゃないからな!今度は加減を間違えずに綺麗に指が生えた。
「はぁー……ほら、噛み傷なんてどこにもないだろ」
「いや、今の流れなんだい……フフッ、本当に君達はかわってるな」
よく言われるよ。
現場で地蔵するか、部屋で配信見てはしゃぐか




