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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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59 初代学園長

世界パスタデーの日なので初投稿です

 さて、論文を作るにあたってまず必要なのはこの学園、というか図書館に似たような論文が無いか調べる事だった。いくら新発見と鼻の穴を大きくして発表したところですでに過去に同じ論文があり、しかも既に確立しているなら世間知らずの阿呆と笑われるだけだからな。という訳で図書館に来た。


「論文関係ならこの奥にあります、ですがなにぶん古い物もありますのでどうかお気を付けください」


 先生が案内してくれたのは図書館でも保管室に当たる部分だった、2階にも論文があった気がするけどそっちとはどう違うのだろう。


「あちらに置いてあるのは教科書を更新したり校正した際に参考にした資料を同時に見れるように置いてあります、こちらは過去学園や王都で行われた論文発表会で出された論文を可能な限り収集した保管庫になります。一番奥に所謂禁書が有りますので、そちらをご覧になりたいなら、まずは学園長に閲覧の許可を頂いてください」


 そういうと先生はまた受付のところまで戻っていった。この図書館にはソフィーも居るけど、来る度に絶対いるこの先生も大概謎だ。何か教科を担任しているんじゃなかったっけ。

 書庫を歩いていると見知ったピンク髪を見つけた。


「お待たせ、待った?」

「あぁ君か。なに、本を読んでいれば時間なんてあっという間に無くなる。待っている暇なんてないのさ」

「つまりずっと本を読んで待っていたと」

「なんでそうなるんだい」


 ソフィーの周りには読み終わったであろう本が山積みになっている。ここに来るのは昼過ぎと伝えていたのにこの様子だと朝からいたのではないだろうか。


「ソフィーの調べた中には雷系統に関する論文はあったか?」

「いいや、どれも仮説の域を出ていない論文とも言えない殴り書きばかりだよ、やはりこの分野はまだ未開拓だ」


 ちなみに論文はここからここだ、と指さす。読んだ全体の1/10もない。残りは何なのだろう。


「これかい?これは初代学園長が書き残した書物なんだけど……秘匿言語(ハイドラングウィッヂ)がかなり強固なんだ」


 一番上に積まれていた本を開く、ミミズがのたうち回ったような文字だ。これも秘匿言語なのだろうか。


「それは3代目学園長の秘匿言語の攻略本だ。なんでも異界の言葉を元に作られた秘匿言語らしい」


 異界、ねえ。それなら日本語も異界の言葉になるのだろうか。


「初代学園長は魔法しかない時代に秘匿言語を初め、あらゆる魔術を作った魔術の祖とも言われる偉大な人なんだ。その初代学園長が生涯をかけて作ったと言われるのがこの魔導書さ。この魔導書は初代が作った秘匿言語で書かれているらしいんだけど少なくとも4つの言語が使われていると過去の研究から分かっているんだ」

「その初代学園長が作った魔導書って言うのはこれなのか?大事そうな物なのになんでこんなところに?」

「それは学園長の方針らしくて図書館の書物は禁書と呼ばれるもの以外は基本的に閲覧可能なんだ」


 なるほどな、と思いながら『diary』と書かれた表題を捲る。


「えーっと『これを読んでいるという事は貴方は地球から来た人間であるという事だろう。本来なら英語で書いた方が伝わる可能性が高いのだろうがあいにく私は英語がからっきしだったのでもし日本語を知らない人であったのなら申し訳ない。一応表題の英語を読めたのなら翻訳魔術が発動しているはずなのでその点は安心してもらいたい。この本を取ったのであればきっと貴方は魔術についての真理に近付きたいと思ったのだろう、もしかしたら元の世界に帰る方法を探しているのかもしれない。そんな貴方に私は残酷な結論を付きつけなくてはならない』……」

「ちょっちょちょちょっと待って」

「なんだ?」

「今君なんて言ったんだい?」

「何って、この本を音読しているだけだが」

「なんで君がそれを読めるんだい!それを聞きたいんだ!」

「なんでってこれ、日本語で書かれているからな」

「『ニホンゴ』……?」


 いやーびっくり、まさか初代学園長が日本人だったとは、通りで初代学園長の石像が二宮金次郎っぽい訳だ。


「ニホンゴ……聞いたことない名前だ、いや、聖ヤガルバ語の同じ意味なのか?なあユート、ニホンゴって言うのは二ホンって国の言葉で合ってるかい?」

「あぁ。その通りだ」

「秘匿言語の基本は言語の名前と成り立ちを知る事……二ホン語の成り立ちを大まかでいいから教えてくれないかい」

「成り立ち?って言っても覚えてないなあ。日本って言うのは南北に長い島国なんだが、その昔大陸と繋がっていた時に南北からそれぞれ別の言葉を話す人々が島に入ってきたんだ。で、その人たちが島で出会い交わっていく中で言葉も交じって日本語の元になった……だったかな?」


 たしかそんな感じだった気がする。


「それだけ分かれば十分だ。これで……読めない!なんでだ!」

「なあ、この部分を見てくれこの表題」

「なんだい、その部分すら読めないボクを笑いたいのかい」

「いやそうじゃなくて……これはダイアリーって読むんだ。最初の2文字でダイ、真ん中がア、最後の2文字でリーだ。意味としては日記か手帳になるけどこの場合は日記だな」

「ダイアリー?うわ、なんだ急に……これは隠匿言語、違うもっと高度な……!」


 ソフィーの目と口が光ってる、こわ。美味い物食った時のリアクションじゃんそれ。光が収まるとソフィーはハッと意識を取り戻したのか再び本を開く。


「は……はは、読める!ボクにも読めるぞ!」


 新しいおもちゃを手に入れた子供みたいな勢いで本を読んでいくソフィー。集中しすぎて本に顔を埋めそうな勢いだ。そう思っていたらいきなり顔を持ち上げ、そっと本を閉じた


「ど、どうしたんだ急に」

「そうか、そういう事だったのか……フェルトの最終魔力定理も、ベルベルト博士の迷宮相対性理論もこれなら全部説明がつく」

「どういう事だ……?」

「君は初代学園長と同じ世界の住人なんだよね?なら君は見るべきだ」


 本を開いたまま手渡された、この部分を読めという事か。


「どれ……『まずこの世界の魔術においてだが、実は法則と言うものが存在しない。自分のイメージした現象を魔力にそうなれと命じるだけでなんでも出来る、出来てしまう。この世界の魔術に詠唱も魔法陣も術式も本来なら必要としない。しかしそのことを理解できない愛しい弟子たちの為に私は嘘を吐いた。魔術には設定(ルール)があると』……おいおい」


 俺以外の転生者やら魔術の設定やらどうなってんだこれ。

こんだけ流行ってると見に行くの大分遅くなりそう(鑑賞クオリティを上げたいので人の居ない時期に見たい)

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