57 産まれ
新アニメが始まったので初投稿です
閃光が治まって目を開けると所々燃え上がっている寄生木が急所を砕かれたのか魔物特有の謎の光になって死んでいくのが見えた。
「ははっ、やったぜ……まさか本当に出来るなんてな。みんな、もう大丈夫だ……どうした口をパクパクさせて……何?喋ってるの?耳鳴りで何も聞こえないんだけど」
アリスが俺を座らせようとしているのを魔力切れでフラフラな事もあって大人しく従う、クレアが治癒術を頭に向かってかけているのが分かる。どこかの傷が癒されると途端に二人の声が聞こえた。
「聞こえる?聞こえるわね?アンタほんっっっっっっっっっっっっっとうにバカじゃないの?!加減って言葉知らないの!?」
「ご主人様、今の術は出来れば今後使用しないでください」
「え、ごめん。初めてだったし手加減できなかった、確かに閉所でやる術じゃなかったとは思う、うるさいし」
「そうじゃないわよ!」
「君は今の雷魔術の反動で耳から血を流していたんだよ」
耳から?あぁ、爆音で文字通り鼓膜がぶっ飛んだのか、道理で何も聞こえないわけだ。反動と言うかちゃんと耳を塞いでないせいなんだが。耳に残った血をプール上がりに水を落とすようにトントンとジャンプする、綿棒欲しい。どこかに売ってないかなあ。
ある程度除去したおかげか耳の聞こえが良くなった。
「ところで雷魔術に関してなんだけど原理を聞いても良いかな?」
「それよりドラゴンの運動が先だよ」
何のためにここに来たと思ってる。
「おっとそうだった。出ておいでクーちゃん」
「……気絶してない?」
「伸びてらっしゃいますね」
「雷撃の爆音を聞いてショックで気絶したのか?」
「そんな、クーちゃん、クーちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
その後気が付いたクー助は暫くソフィーの懐で震えていたがハチミツ飴を与えたら元気になった。
久しぶりの広い部屋なのか元の大きさに戻ったクーちゃんは嬉しそうに歩いている。
「小さいときはボール遊びとか大好きだったからね、動くこと自体は嫌いじゃないと思う」
「あの部屋は少し狭すぎだよなあ」
かと言ってあそこ以外に隠せる場所はなさそうだし、どうするべきか。
いっその事この迷宮主を倒して新しいボスとして君臨させるのはどうだろうか。
「迷宮主も階層主も人が主部屋に入るたびに復活する危険な場所にクーちゃんを置いとくなんて出来るわけないよ」
「それもそうか」
「あの、クーちゃん様は小さくなるのはお嫌いなのでしょうか?」
「うーん、お願いしたら嫌な顔せずにやってくれるから嫌いではないと思うが」
「でしたら、普段から体を小さい状態にして暮らすのは如何でしょうか」
「その方法も考えたんだけど、どうも長い時間小さくなるのは無理みたいなんだ。前にどれだけ小さく入れるか実験したことがあるけど、遊んでいる間に変身が解けかけてどんどん大きくなっていったし、寝るときなんかは完全に変身が解けていたからね」
「じゃあ、クーちゃんマスコット化は難しいな」
「それにここじゃあ迷宮の魔力吸収で特訓させるにも厳しいでしょうしね」
常に意識しないと駄目なのだろうか、寝る時にあのデカさになるなら宿屋にも入れておけないな。
「それより筋トレで健康体にするとしてこの先どうするの?」
「どうする……いや、分かっているよ。このまま隠していてもいずれは世間に露見してしまうし、あと5年もすればボクは学園を卒業してしまうし、そうなったら家の都合で会っても居ない人と政略結婚するだろうね」
そうなればクーちゃんをここに隠しておくことは出来ないと呟く。
「なあ、政略結婚って言うけどソフィーの家ってさ……」
「御察しの通り、ボクの名前はフリージア・ソフィー・フォン・サウスバード。あの生徒会長の愚妹さ」
「生徒会長って人間だろ」
「別に腹違いの兄妹って分けでもないよ、取り替え子と言われる先祖返りの一種さ」
この世界にハーフという混血児は何故か存在しない。どの種族同士でも子はなせるが子供の種族は夫婦のどちらかが生れるようになっている。しかし中には両親の種族以外の子が生れてしまう。それが取り換え子であり、調べると曽祖父やもっと前の先祖に該当する種族が居たりするのでその時の子と入れ替えられたというのが一般的な考えだ。
「隔世遺伝ってやつか」
元の世界でもよくある現象だ、両親の特性ではなく祖父母の特性が出てくるとか。遺伝子の顕性と陰性が係わってくるらしいのだが聞きかじっただけなのであんまり覚えていない。
「でも両親ともに生粋の人間の家系でね。ボクが生れてくるのはおかしいって言うのさ。生れたときなんか殺そうって意見もあったらしいし」
らしい、という事はそういう事を教えてくれる人が居るのか、そう教えられて育ったのか。顔を見るにあまり楽しい話題でもなさそうだ。
「じゃああれはどうだ、宮廷魔術師。そうなれば確か専門の研究施設に行くらしいしそうなれば」
「ボクもそう考えて去年頑張ったんだけどね……卒業資格を3つ取得したのにいつまで経っても卒業試験を受けさせてくれないし、教師に言っても調整中の一点張り。おかしいなと思って学園長に問いただそうとしたら兄がやってきてこう言ったんだ、『生まれてきたことが間違いのお前は家に尽くす事でしか生きている価値が無い。自分の価値を無くそうとするなよ』って」
うーん言ってることが外道というかクズというか……むしろ清々しいという感想が出てくるな。
つまりは生徒会長が卒業することを妨害していると、宮廷魔術師はその国の魔術師のトップ集団だ、なれば家の利益になると思うのだが。まあクズ兄のいう事はどうでもいい、まだ肝心な事を聞いていない。
「そういうお家事情は置いといて、ソフィーがどうしたいか聞きたいな」
「ボクが、かい?」
「そう、兄貴がとか、家がとかじゃなくて、ソフィー自身がやりたい事。なんでもいいから言ってみてよ」
「……そうだね、クーちゃんと一緒に外の世界を見てみたいかな」
よし、じゃあそうしよう。
公認音ゲーかあ……原曲出してくれ




