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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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56 伐採作業

10月なので初投稿です

 爆風が治まると後に残っていたのは胴体()がバラバラに吹き飛んだ枯木(デッドウッド)の姿だった。


「爆発の威力が強すぎて逆に枝が残ってら」

「クーちゃんのトレーニングには特に支障は無さそうだし、別に良いんじゃないかな」

「アンタ少しは反省しなさい!」

「しかしこれでは戦利品(ドロップアイテム)も何処にあるか分かりませんね」

「確かに……ん?」


 今、枝が動かなかったか?気のせいだろうか。

 戦利品があるとしたらやはり幹があったところだろうか、部屋の中央に向かって歩く。

 なんだ?何か違和感がある。魔物は倒した。その証拠に本体部分と思われる幹はバラバラに吹き飛んで後は消えて戦利品が落ちるのみ……。


「本体が死んでも消えないこの枝は枯木の一部じゃない?」

「ご主人様!伏せて下さい!」

「っ!」


 アリスの言葉を受けて咄嗟に身を低くする。その瞬間に先ほどまで頭のあった所を無数の枝が通り抜けた。

 追撃で襲いかかってくる枝の刺突を盾で防ぎ、皆の元に集まる。


「おいおい、階層主が二段階持ちだなんて聞いてないぜ」

攻略本(スクロール)にもこれは載っていませんでした」

「ていうか何なのよアレ、枝だけで動いてるしこっちに向かってきてない?!」

「珍しい、コレは寄生木(ミスルトゥ)だ、魔物の脳を苗床にして体を乗っとる寄生型植物魔物だ。この迷宮では一度も報告例が無かったのに」

「何でそんなもんがこんなところに?」

「うーむ、誰かが持ち込んだか、この迷宮が発達して新たに出てくる様になったのか……実に興味深いね」

「そういうのは良いから来るわよ!」


 迫ってきた枝を切り払う、次々に襲いかかってくるが動きが単調だな。切り落とした枝を見るとまるで注射針の様に中が空洞になっている。吸血獣ならぬ吸血樹ってことか。


「コレって刺されたら血を吸われるか?」

「この太さだと血液どころか内臓ごと持っていかれるんじゃないかな?」

「うへえ、痛そ」

「痛いで済めば良いね」

「アンタ達まじめにやりないさいよ!」


 クレアは襲いかかってくる枝を魔法盾(マジックシールド)を使って防ぎ、その間にアリスが枝の伐採を行っていた。こちらも一応守りながら戦っているのだが本体が見あたらない以上攻撃に攻めあぐねている。

 ソフィーは迫って来た枝を火球(ファイアボール)で追い払っている……もしかしなくても無詠唱で魔術使ってる?


「一気に燃やしても良いんだけどそれだとボク達も一緒に焼けてしまうね」

「だがこの枝の量では本体が何処にあるのかもわかりません」


 うーむ、一気に敵だけを攻撃する方法……閃いた。


「なあソフィー、雷系の魔術ってこいつに効くと思う?」

「雷?雷ってあの雨雲から時折見える発光現象の事かい?!どんな魔術なんだい?!もしかして君の個体魔術かい?!」

「うぉぉ、落ち着けって……その様子じゃあ雷魔術は存在しないのか」

「うむ、研究書は幾つか存在するけど確固たる系統魔術化には至ってない現代の魔法さ」

「そうなのか、雷の現象を理解出来てないから、再現が難しいのか……?」

「その通り、過去には雷雲に入って調べようとした研究者もいたらしいんだけど黒こげになって落ちて来たってオチさ」


 君はどうなんだい?と凄い期待の目で見てくるソフィー、えっこれやらないといけないヤツ?


「えっと、俺はやった事ないから出来ないんだが?」

「系統魔術の基本は分解(バラして)理解(分かって)再構築(再現する)だよ、君の言い方は雷がどう言うものか理解しているのだろう?なら後は再構築するだけさ」


 つまり今やれと、無茶を言いなさる。でもそういうのは燃える。


「クレア、時間を稼いでくれ!」

「はあ?!あたし?!」

「魔法盾に魔力を全力で注げばドーム状に展開するから俺たちを囲んでくれ。アリスはその間クレアの援護を、ソフィーは自衛してくれ」

「分かりました」

「あーもう!やればいいんでしょ!」

「任せてくれ、何なら君の防衛もしてあげよう」


 そいつは頼もしい。クレアが魔法盾の指輪に魔力を込めると、盾がじわじわと大きくなってきた。

 魔力に反応してか枝がクレアに殺到するがアリスが2本のナイフで全て切り落としていく。ソフィーも回り込んで来ようとする枝に火球を撃ち、近づけさせない様にしてくれている。そうしている間に魔法盾のドームが完成した。

 俺も雷魔術の準備を行う。雷の原理は雲の中で雹などが擦れあった時に発生する静電気が蓄積されて地面に放電する現象だ。

 大きな円盤状の雲を両手にそれぞれ作り、別方向の回転を加える。それを一つに合わせる!

 まるでシンバルを持った様な格好になったが目の前で物凄い勢いで帯電していく様を見るのは中々怖い。

 だがこのサイズでは落雷の様な強さには程遠い、大きくするのは無理だ魔法盾に触れてしまう。


「ねえ、まだなの?!盾維持するの結構キツイんだけど!」

「3分、いや1分待って、コレのイメージを固めるから!」


 これ以上大きく出来ない、なら密度を上げるしかない。それにイメージ、落雷で大木が木っ端微塵になる所なんて前世(元の世界)で幾らでも見ただろ、映像でだが。


「もう、無理……」

「よし、出来た!全員耳塞いで口開けてしゃがめ!」


 魔法盾に込めていた魔力がなくなるとドームが枝の圧に負けてガラスの様に粉々に砕けた。

 高密度になったシンバル雲をダメ押しで拳大まで圧縮し、殺到する枝に向けた。


落雷(サンダーボルト)!」


 その瞬間ソフィーが放った瞬間爆破以上の閃光と轟音が部屋を塗りつぶした。

スティーブ強くね?

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