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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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55 肉体改造計画

今年も後100日切ったので初投稿です

 クレアをちょろいとは言ったがあいつはなんだかんだで優しいのだ。魔物を癒すという行為に抵抗感があっても他人が困っているなら手を差し出さずにはいられない。本人は表に出していないと思っているがまあバレバレである。なので今回は適当に理由をでっち上げさせてもらった。本当に聖女が魔物を癒した事が無いかは調べないと分からないし。

 翌日からをしてドラゴンもといクー助の肉体改造計画に取り掛かる。と言ってもやる事は簡単、運動して筋肉を鍛え抜くのみである。


「それだけでいいの?」

「極論筋肉なんて使えば増えるし、使わなかったら減るんだよ」


 使った筋肉は傷つき、回復する時に同じ運動量に対して筋肉が傷つかないように筋量を少し増やす。これが大まかな筋肉の増え方だ。

 今日はとにかく立って伏せてを繰り返させる。このわがままボディならそれだけでかなりの負荷になる、はずだ。


「と言うかコイツ立てるのか?」

「大丈夫だよ、ほら」


 クー助がグググっとゆっくりだが立ち上がる。天井に背中が当たるかどうかの位置で止まりドヤ顔でこっちを見る。いや、お腹が地面にくっついてるが。


「食事制限も加えよう」


 先ずその出っ張った腹をどうにかしないとまともに運動も出来ない。クー助が信じられないと言った目で見てくるがお前自分の腹を見て見ろ。まあ一日の必要摂取量は考えてやるから。

 こういうのは健康第一にやらないと意味が無い、食いすぎは勿論良くないが、食わなさすぎも良くないのだ。1日の必要カロリーを摂取したうえで消費カロリーを増やす。これが一番いいのだ。出来る出来ないは置いておくものとする。


「あとは運動するスペースだな……この迷宮で一番広い部屋はどこだ?」

「それなら6層に居る階層主(エリアボス)枯木(デッドウッド)の部屋が一番大きいかも」

「丁度次の階層か、他の冒険者に見つからない様に移動するには人気の少ない夜中……」

「その前に考える事があるでしょう」

「どういう事だクレア……あ」


 この秘密の部屋は隠し扉に偽装された細い隠し通路の先にある。つまり細道をどうにかしないとこのデb巨体は移動が出来ない。


「これは……詰んだな」


 迷宮を破壊して出ることは可能かもしれないが、その後は冒険者や街の兵士に標的にされてしまう。飛んで逃げれればいいのだが背中に付いているおもちゃの様な翼ではそよ風を生み出す程度だろう。まさしく袋小路と言う訳だ。


「それも大丈夫、クーちゃん小さくなって」

「小さくなるたってこの図体じゃあどんだけ縮こまったって隣の小部屋にすら入れない……」


 ボムンッとクーちゃんの巨体が煙に包まれたと思ったら何やらドッチボールサイズの何かが飛んできた。よく見ればそれはマスコットキャラクターの様にデフォルメされたドラゴン、クーちゃんだった。


「いや小さくなるってそのまんまかよ!」

「そうだけど?」

「クーちゃん様が随分と可愛くなられましたね」

「ホントね、これなら怖くないし、ずっとこのままで良いんじゃない?」

「実はそうでもなくて、確かにこの状態なら身体を維持する魔力は少なくて済むんだけど、この迷宮に魔力が沢山吸われちゃって大変なんだ」

「小さい方が沢山吸われるのか?」

「魔物の幼体は魔力を維持する力が弱いのさ、成体なら問題ないけど体組織の殆んどが魔力の魔物にとってここは危険地帯なんだ」

「魔物が殆ど魔力で出来てるってのは初耳だな、まだ習ってないけど」

「ボクもクーちゃんの世話を始めるまで知らなかったよ。図書館の研究論文にも載ってなかったし」


 それって新発見なのでは?そういえば迷宮の魔物って倒すと謎の光りを発して消えていくのってそういう事なのか。そうなってくるとこの迷宮の魔物はどうやって子育てしているのだろうか。そもそも子育てしているのか?そこら辺から湧いて(ポップ)くるとかだったりしない?


「とにかく、この状態だとクーちゃんが大変だから早く移動しよう」

「分かった、アリス道案内頼めるか?」

「お任せ下さい、既にこの迷宮の地図は記憶しております」


 すっげえ頼もしい、なんでも学園で地図の記憶方法を学んだらしい。有能すぎるなウチの従者は。

 他の冒険者についても、学園の生徒は勿論、魔術師の居ないパーティーでもこの迷宮はそこまでうま味があるわけでもないので1月に1度パーティーが来るかどうからしい。だったら階層主倒してトレーニング場にしちゃっても構わないだろう。

 待ち構えていたのは木と言うか大樹だった。中央に生えた木から無数の枝があちらこちらに伸びており近付くと枝を振り回してくる。


「とりあえず木だし燃やせばダメージ入りそうだな」


 枯木と言うくらいなのだから死んでいるのだろう……死んでいるのに動いて攻撃してくるのは不死(アンデッド)なのでは?どちらにせよ火属性は通りそうだな。


「なら君のアレ見せてくれないか?」

「アレ?……あぁ、瞬間爆破(ソニックボム)のことか?」

「そう、それ」

「でもここで魔術を使えば暴発するんだろ?」

「それは詠唱や術式を使った場合だけ、無詠唱でなら具現化されなかった魔力が飛び散るだけさ」

「そうなのかー、じゃあ瞬間爆破」


 パチンと指を鳴らすが火花が出なかったもう少し強めに出してみるか。今度は火花は出たが爆破地点に行く前に消えてしまった。魔力が吸われるからもっと導火線部分を太く作らないといけないのか。3度目の正直今度はキチンと爆破地点である枯木のうろで爆発が起きた。幹の半分が抉れている。


「なるほど、魔力を爆発力の高い物質に変換しているんだね。こうかな……■■■■■■——瞬間爆破」


 ソフィーが何やら呟いたと思ったら俺の瞬間爆破より大きな爆発が起きた。


「うわっ!」

「くっ!」

「きゃあ?!」

「ふみゅ」


 爆発の衝撃でこけそうになりながらも枯木の方を見ると幹が粉々になくなっていた。


「あいたた……これは調整が難しいね」


 撃った本人は尻もちをついてのんきに感想を述べていた。

この編もだいぶ道筋固まってきた

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