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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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51 読める知らない言語

残暑なので初投稿です

「残念ながら甘いものは持ち合わせていないな」

「そうか、では君を食べるとしよう」


 なんだって?ピンク髪の少女は両手を掲げ、片手は俺に掴まれているのでもう片方の腕を上げたので、そっちも掴む。両手で宙ぶらりんになったままガオーと威嚇してきた。


「ふむ、片腕だけではちょっと痛かったので両手でつかまれると助かる」

「掴んどいてアレだけど降ろした方がもっと痛くないと思うから降ろすぞ」


 少女が地面……敷き詰められたクッションに足をつける、恐る恐る手を離すとしっかりと立った。なぜそこでドヤ顔する。


「君にはこれで二度も助けられたな」

「一度しか助けてないが?」

「いやいや、一度はクッションに埋もれたボクを、二度目は腕の痛みを訴えるボクを地に降ろしてくれた。これで二回だ」

「それで二回なのどういう判断基準なんだ」

「という訳で君の知りたい事ををなんでも一つだけボクが教えてあげよう」


 ん?


「今なんでもって言った?」

「そう、なんでも。言ってみなよ」

「それじゃあ……この図書館は詳しいか?」

「詳しいも何もこの図書館はボク自信と言っても過言ではないくらい熟知しているよ」

「じゃあ道具箱(アイテムボックス)の呪文が書かれている教科書を探しているのだけど教えてくれないか?」

「……そんなのでいいの?」

「目下一番欲しい情報はそれくらいだな」

「それならボクが最後に見たのは834番の棚の三段目の右から7冊目だよ。棚に番号が割り振られているから見ていけば分かるはずだから」

「もしかして本の場所全部把握してるのか?」

「……気持ち悪いかい?」

「いや?俺も子供の頃は300を超える衣嚢(ポケット)魔物(モンスター)の名前とタイプと種族値を把握してた事もあったし、やれば出来るでしょ」


 そういえば海外だと衣嚢の魔物って男性器をさすから略称でしか呼ばれないらしいな。話がそれた。

 ピンク髪の少女はキョトンとした顔をしていた、まあ異世界(こっち)に無いモノの話をされてもそうなるな。


「不思議な人だね、ボクを怖がらないし気味悪いと思ってなさそうだ」

「君みたいな可愛い子を捕まえて気味が悪いとか言った奴の美意識を疑うな」

「か、可愛い……ボクがかい?」

「今ここには俺と君しか居ないだろう。そういえば名前を言ってなかったな、俺は万里結人、先日編入してきたんだ」

「君が件の編入生か、ここに引きこもっていてもウワサは聞こえてきてるよ、ボクは……」

「ご主人様、こちらにいらしたのですね」

「アリス、どうしたんだ?」

「ご主人様が見当たらなかったので探しに来たのですが……どなたかとお話になられていませんでしたか?」

「あぁ、この図書館に詳しい子が居たから話を聞いていたんだよ。ほらこの子……ってあれ?」


 少し目を離している間に彼女がクッションごと居なくなっていた。


「ご主人様……えっと人が居たのですね、分かっています」

「まって、ホントに人が居たんだよ」


 とんでもない誤解が生れているようだが、ともかく言われた番号の棚に向かった。

 834と刻印された棚を見つけて探す。確か三段目の右から……あった。


「えっと……読めねえ」


 何語だこれ、俺が習っている言語とは全く違う。もしかして元の世界みたいにこの世界にも言語や文字が幾つもあるのだろうか。ゲームじゃ全員日本語で話していただろ。


「アリス、これ読める?」

「すみません、知らない文字です」

「クレアは?」

「あたしも知らないわね」


 誰も知らないとなるとこの国の言語ではない可能性が大きいな。

 しかし学園内とは言え誰しもが理解するように作るべき教科書でこのような事をするだろうか?


「とりあえず聞いてみるか」

「誰によ?」

「学校で分からない事は先生に聞くもんだ」


 丁度下の階にいるしな。


「これは秘匿言語(ハイドラングウィッヂ)の魔術がかけられた教科書ですので習っていない貴方達では読むことは出来ないでしょう」

「なんでしょうか、そのハイド……ラングウィッヂ?と言うのは」

「魔術師が魔導書を書いた時、他人に知られないために使う暗号化の魔術です。主に魔術師の家系が一子相伝の魔術を魔導書に書き残す時に使います。他にも戦闘で使う魔導書にも施されていたりしますね」

「使い方が限定的すぎ……でもないか。戦闘時に自分が使っている魔導書が他人の手に渡った時に使わせない様に出来る保険になる。それにこの教科書にはここでしか学べない道具箱の魔術も記載されている」

「その通りです、呑み込みが早いですね」

「ありがとうございます、それで秘匿言語の魔術はいつ学べるのでしょうか」

「クラスに所属してから2年目に学びます……ですが貴方達は問題ないでしょう」

「それは何故ですか」

「秘匿言語の習得条件は秘匿言語の存在を知る事。それに魔導書に使われている言語を知る事です」

「つまり、どういう事なんでしょう?」

「それはこの教科書を見れば分かる事です。この教科書に使われている秘匿言語は魔術学園語。この魔術学園が創立された時に初代学園長が考案した最古の秘匿言語です。さあ私の言った事をよく考えてご覧になってください」


 要するに初代学園長が作った人工言語って事か。しかし文法も何も知らないのに解読できるはずがない。

 教科書のページをめくり文字を追う。なになに……


「この教科書では主に道具箱の習熟を目的とした学習内容を記述してあります。第1章、道具箱の成り立ち、第2章術式の解説、第3章道具箱を使用する際の注意点……読めるじゃん」

お歌良かったね

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