47 次の目的
★オウガストなので初投稿です
イザベラことクレアがパーティに加わった。
その驚異的な治癒能力と無尽蔵とも言える魔力により回復薬を非常用程度に数を押さえ、代わりに食料を詰め込んでより長期的なダンジョン探索ができるようになった。
「あたしに回復を一存しないでよ」
「確かにそうなんだが、やっぱり回復薬って扱いが面倒なんだよ」
まず回復薬は液体なので瓶に入れるしかないのだが激しく動くと割れてしまう可能性がある。
その為に瓶自体が硬く作られて入るが、その分嵩張るし重いので大量に持ち込めない。
かと言って割れない革袋に入れても劣化が瓶の比ではないくらいに早く、長期保存に向かない。
その為、神官は冒険者にとって非常に人気の職だ。
重くて嵩張る回復薬を持ち歩かなくてよくなる上に、短時間に連続で使用しない限り時間が経てば魔力が回復するので迷宮で回復薬が無くなったから撤退ということも少なくなる。
だから神官がいるパーティでは絶対にやられない様、専用の護衛をつけるし、パーティ内での発言力も強い。
「まあそれが原因で解散するパーティもいるらしけど」
「何それバカみたい」
「クレアちゃんでしたらそういう事はなさそうですから安心でございますね」
「ふ、ふんっ、当たり前じゃない。そもそも、あたしここが無くなったら行くとこ無いんだからそんな事しないわよ」
まあ俺の親愛の絆を知られた以上クレアを手放したくはない。
というか親愛の絆が発動したという事は少なからず以上の好意は抱いてもらえているのだから手放すというより離れたくないという心情の方が大きい。
そう考えるとこのスキルが2人も発動する俺って最低の人間なのでは?ボブは訝しんだ。
「まあ確かに手段は多いに越した事はないし、回復薬を大量に持てる方法を考えないとな」
「そうなるとやはり道具袋の魔道具でしょうか」
「確かに欲しいがアレ高いんだよなあ」
クレア用の装備や宿屋のグレードを上げたので道具袋を買う余裕は無い。
特にクレアの装備がヤバかった。元病人で筋力が無いクレアの為に軽くて且つ防御力のある装備という事で全身に防御の付与魔術のかけられた修道服にし、重い盾が持てないので魔力を込めると盾が現れる魔法の盾のブレスレットを購入した。この盾だけで俺とアリスの装備に使用した合計金額より高かったし、服と合わせるとその倍近くになったのは内緒だ。
そう言うわけで現状道具袋を買う余裕は無い。
「そうなると、後は道具箱の魔術か……」
「ですがそれは魔術師の秘術と聞きます」
「そうなの?」
「あぁ、なんでもサウスガルドの魔術学校で学べるらしいが貴族か卒業生から紹介状をもらうしか入る方法はないんだ」
サウスガルドに何か伝手があればいいのだが……あ。
「という訳で師匠のところに来たんですけど」
「おう、丁度良かった。それならこれをお前にくれてやる」
そう言って師匠から一枚の封筒を貰った。これは一体?
「サウスガルドにある魔術学園の紹介状じゃ。これがあれば入学できるぞ」
「なんでこれを俺に」
「いやーワシってば学園史上の大天才じゃったから一年で卒業したんじゃけど、その時に弟子を入学させる契約をしちまってな。期限も近いしどうしようかと考えていたら丁度お前が来たもんじゃから押し付けゲフンゲフン譲ってやろうと思ったわけじゃ」
今の押し付け隠しきれてないぞ。
「契約なもんじゃから破ったらワシ呪いで死ぬし、来年にはその呪いが発動するらしいし、どうしたいいのかと途方に暮れておったんじゃが……まさに渡りに船じゃな!」
そういうと酒を追加してまた飲みだした。この師匠どうしてくれようか。
「へえ、良いじゃない!あたしもちゃんと貴族してたならココに行ってたのかなあ」
「ワタシは多分生涯に関わらない事でしたね」
「そんな機会滅多にないんだし行きたいわねー」
「そうでございますね」
パーティメンツはどうやら行きたいらしい。どちらにせよ道具箱の魔術は覚えたいので行ける手段が手に入ったのはありがたい。
「じゃあこれを使ってサウスガルドに魔術を学びに行こう」
次は異世界ファンタジー学園モノだ!
今回はイースガルドから直接サウスガルドに向かうルートを使う。王都に用事もないし何より定期便の輸送馬車があったのが大きい。冒険者なら道中で護衛をすればでタダになる上に戦闘があれば報酬も出る。定期便を出している商人も戦闘がおきない限りタダで護衛を雇えるし、荷物も安全に運べる。
なかなかいい商売してるじゃないか。
賊の類による襲撃は一度だけあったが特に俺達が出張っていくこともなく同行していた他の冒険者パーティ達が頑張っていた。どうやら商人に護衛役として正式に雇用して欲しいようで必死にアピールしていた。
一方商人はと言うと俺達……と言うかクレアを引き抜こうとしていた。戦闘で傷ついた他のパーティを癒してるのを見ていたらしい。
重傷者はいなかったとはいえ10を超える人数を癒して魔力切れを起こしてる素振りも見せなければまあ、目ざとい商人が見過ごすはずもなかった。
クレアの引き抜きがダメなら俺達ごと雇うと言ってきてたので、他のパーティからの目線がかなり痛かった。
勧誘を懇切丁寧に断り、魔術学園がある街サウスガルドにたどり着いた。
あぺたのしい




