36 円盤では湯気がなくなります
5月病なので初投稿です
「ささ、ご主人様こちらにどうぞ」
「いやどうぞ、じゃなくて。イザベラもなんで止めてくれなかったのヴぁ?!」
「こっち見るんじゃないわよ!しょうがないでしょ、止める間もなく進んでいくんだから!」
思いっきりビンタされた。そうは言っても湯着を身に着けているんだしいいだろ。
「良くないわよ!次見たらあんたの目玉抉り出すからね!」
それはたまらんな。改めてアリスに向き直る。湯着を着ているが部屋の温かさのせいか汗をかいており、薄い布が少し透けてい「ふんっ!」ぐりゅ?!
「く、首が……」
「ご主人様—!」
「じろじろアリスを見るんじゃない!ていうかあんたも少しは隠しなさいよ!」
「ワタシはご主人様のモノですので隠すものなど何一つございません」
「人としての恥じらいを持てって言ってんのよ!」
「まって、首が曲がっちゃいけない方向に曲がってる気がする」
アリスが首に治癒術をかけて治してくれた。死ぬかと思った。
「ありがとうアリス、でも男女で部屋が分かれるところではあんまり異性の部屋に行ってはいけないよ」
特に男性が女性の場所に行こうものならそれは死を覚悟しなければならない。
「でもここは親しい男女が一緒に入る場所とケビン様がおっしゃってました」
誰だよケビン、あの洗い屋のお兄さんか。
大人が二人で入れそうな大きい浴槽に凹型の椅子、床には寝転がれるほどの柔らかそうな敷物がある。
風呂屋じゃん。いや、ここは風呂屋だけどそうじゃなくて。
「とにかく、こんな事しなくていいから。今度からはキチンと女湯でゆっくりしてて。じゃあ出よう」
「しかしご主人様、お金はもう払ってしまいましたしお身体を洗うにしても道具を持ち合わせておりません」
「え、うそまって、これって泡薔薇のセッケン?!大人気で半年以上の予約待ちって言われてる高級セッケンじゃない!」
「イザベラはなんでそういうの詳しいの?」
「女の子はオシャレに敏感なのよ」
そういうものなのだろうか、そういうものなのだろう。
「じゃあ俺は出ていくから、二人で使ってくれ」
「いえ、ご主人様を差し置いてこのような物使う訳にはいきません」
「ほ、ほらイザベラもいるわけだし」
「あたしはまあ、お金出してないし?あんたがどうしてもっていうなら先に洗ってもいいわよ。ただし、見たら殺すわ」
いいのかよ、確かに金は払ってしまったしスライム金があるとはいえ無駄使いはしたくないのは確かだ。
そして何よりアリスの圧が強い。
「だったら、使わせてもらおうかな。しかしずっと目を瞑っているのは中々に厳しいぞ、セッケンの場所とか分からないし」
「でしたらワタシに提案がございます」
◇◇◇
「ん……しょ……ふっ……ん、いかがでしょうか、ご主人様」
「あ、あぁ……とても気持ちいいよ」
「ちょっと、これ、んぅ、恥ずかしいんだけど」
「嫌なら無理にやらなくても……」
「はぁ?あたしだけ、仲間外れなんて、んん、やめてよね」
「いや、そういう分けじゃあ……おぁ?!」
「どこか痛かったですか?すいません、ワタシ初めてで……」
「いや、こっちこそすまん。そこはくすぐったいから……」
「きゃん!ちょっと、どこ触ってんのよ!」
「す、すまん!どこ触った俺?」
「そんなのお……あたしに言わせんなバカ!」
そういう訳で俺は目隠しをしたまま二人に洗われていた。どういう訳だ。
最初はアリスに頭を洗われていたが身体に移った時になぜかイザベラも参加し始めた。
「しかし目隠しに使える布なんてどこにあったんだ?」
「湯着の腰ひもが丁度良かったので」
「あー、湯着の腰ひもね……ん?」
湯着は長方形の布で真ん中に穴があり、そこに頭を通して前後に垂れた布を腰ひもで固定するという実にシンプルな造りである。
つまり腰ひもが無ければ垂れた布だけである。
「あー俺の腰ひもね。そうね身体洗うために俺脱いだもんな」
なお脱いだ布で股間を隠してあるが前側は洗わないように頼んである。
「いえ、ご主人様のでは少し細かったのでワタシが巻いていた帯を使っております」
んん〜、俺の希望は儚く潰えた。そうなると心頭滅却して冷静にならないとこの状況と部屋の熱気でぶっ倒れてしまう。
「ではご主人様、御背中洗わせてもらいます」
「あ、うん。頼む」
「はい、よいしょっと」
「えっあんたちょっと」
イザベラの声と布が擦れる音ほぼ同時に聞こえた。セッケンを擦り泡立てていく音が聞こえる。
「失礼します」
にゅるり、と背中を柔らかな物で泡を塗られた。え、ナニコレ。
にゅるり、にゅるりと背中を何かが這う。
「はぁ、はぁ、ご主人様、とても逞しいお背中です」
「ありがとう。随分と、その、柔らかいスポンジだね」
「いえ、これはワタシのかr」
「そうね!ここのスポンジとても柔らかいよね!」
もう一つ柔らかい柔らかいスポンジ(仮定)が背中に触れる。
「まてイザベラ、お前までどうして」
「いい?これはスポンジよ。決してあたし達のカラダなんかじゃないからね」
「……そっすね、柔らかいスポンジです」
そう、これは柔らかなスポンジなのだ。だからアリス側のスポンジに2つのポッチが感じられてもそれは気のせい。だから心臓よ、これ以上鼓動のスピードを上げないでくれ。
「前、失礼します」
にゅるりとした感触が脇腹を抜けて胸元に来た。ポッチの感触を一緒に引き連れて。
「流石にそれは、無理……」
心臓のボルテージが最高潮に達し、その瞬間脳みそがオーバーヒートを起こして俺は意識を失った。
久しぶりのコラボだぁ




