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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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34 既視感

投稿1周年なので初投稿です

人面樹(トレント)の枝と独狼(ロンリーウルフ)の毛皮、毒蜜蜂(キラービー)の蜜と針ですね。全部で銀貨2枚と銅貨36枚ですがよろしいでしょうか?」

「それでお願いします」

「ではこちらが代金になります。ご利用いただきありがとうございました。あなた達に旅の追い風を」


 魔物(モンスター)の素材を売りにきたら思ったより金になったな。


「お待たせ、次にいこうか」

「早くいきましょ、あたしこんな広い街初めてなの」

「まあ落ち着けって、俺も初めてなんだから」


 そういえばDPS(ゲーム)の主人公達はこの王都を活動拠点にしていたはずだ。

 確か結構な豪邸なのだが100年ぐらい前にヤバめの事件が起きて幽霊屋敷になった……だったはず。


「食料って何が足りないんだっけ?」

「そうですね、焼き固めたパンに干し肉、後は……」

「お塩!野宿のご飯、味が薄いのよねー」

「塩はやはりお値段が……」

「まあまあ、塩分は重要だぞ。特に激しく動いて汗をかく俺達冒険者にとっては特にな」

「ご主人様がそうおっしゃるのであれば」

「あんたすぐご主人様ーって言うけどあんた自身の主張はないの?」

「ワタシは全てをご主人様に捧げていますので」


 よく薄い本とかに出てくるセリフをまっすぐな瞳で言われると嬉しいが重いな。

 イザベラが袖を引っ張ってきたと思ったら耳打ちしてきた。


「大丈夫なの?あんたが死ねって言ったら本当に死ぬ勢いよアレ」

「俺もそのあたりはちょっと気にしてるけど、まあ俺がそういわなければいい話だし」

「ちょっとお気楽すぎない?」


 そうは言われても元は陰キャのオタク君だぞこっちは。

 知り合いが誰もいないのとファンタジー世界ではしゃいでるだけで女性との会話なんてコンビニの店員か母親ぐらいだぞ。そんな奴が美少女の生き方に口出せるかよ。


「俺は紳士だからな。女性の願いは無下にしないし、なんだったら可能な限り叶える男なんでね」

「ふうん……じゃああたしの願いも叶えてもらおうかしら」

「え”、ンンっ……叶えられる範囲でなら喜んで」

「前半が余計だったけど、まあいいわ、アリス!」

「はい、何でございましょう聖女様」

「イザベラでいいわ、あたしもアリスって呼ぶし」

「はい、イザベラ様」

「様も要らないわよ」

「では……イザベラちゃん」

「急に寄ってきたわね、まあそれでいいわアリス。買い物に行きましょう!」

「はい、ですのでこの後食料品店に向かい……」

「そうじゃなくてショッピングよショッピング!」

「ショッピング?」

「お洋服みたり、アクセサリーみたりするのよ。女の子なんだからもっとキレイにならないと」

「ふむ、いかがしましょうかご主人様」


 イザベラがアリスから見えない位置でしきりに俺にウィンクをバチバチしてくる。いや話の流れ的に分かるよ。


「いいんじゃないか?旅は長いんだし、楽しみが無いと疲れちゃうしな」

「ふむ、ではまいりましょうか」


 服屋にたどり着くと、案の定アリスはイザベラの着せ替え人形にされて困惑していたが俺は眼福だったので護衛兼荷物持ちに徹していた。

 貴族もたまに来るような店だったので結構お高い店だったが、アリスとイザベラが可愛いのでスライム金を切り崩した価値があった。

 しかし、服一着で駆け出し冒険者の一式装備の値段を余裕で超えるのは格差社会を感じてしまったな。


「ふー、満足したわ」

「本当にワタシの分までよろしかったのでしょうか?」

「大丈夫だアリス、俺はアリスの可愛い姿を見れて大満足だ。特に黄緑色の服が似合っていた」

「ご主人様……」

「ちょっとユート、あたしはどうなのよ」

「もちろんイザベラも可愛かったよ。特に黒色のゴシックだっけ?あのドレスとか凄い良かった」

「……そんなついでみたいに言われたって嬉しくないんだから!でも、ありがと」

「どういたしまして……ん?」


 宿に帰る途中、貴族街と市民街の境界線の道を歩いていたら見覚えのある屋敷を見つけた。

 いや始めてきた土地の始めて見る建物に見覚えがあるのがおかしいんだが。


「何見てんのよ?」

「あの屋敷どっかで見たことあるなーって」


 まあファンタジーモノを結構読んでいたし、似たような建物を漫画かゲームで見たのかもしれない。

 いや、あの門の造りに屋敷の外観、どこかで……。


「確かめてくる」

「あ、ちょっと!」


 屋敷を正面から見る、なにか違う。もっと全体を見ていたはずだ。後ろに下がって行く。ここだ、この位置だ。指で枠を作ってのぞき込む。

 間違いない、DPSに出てくる主人公たちの屋敷だ。ゲームに出てくるキャラは居ないのに世界観と言うか、国やら建物は一緒なのは何故なんだ。

 門番らしき人物に尋ねてみる。


「すいません、この屋敷の主人は誰ですか?」

「ここはノイシュタイン伯爵の屋敷だ。何か用か?」

「いえ、立派な屋敷なもんでどのような方が住んでいるのか気になってしまって」

「用がないなら早々に立ち去れ。痛い目に合いたくなければな」

「はい、どうもありがとうございます」


 来た道を戻り、アリス達と合流する。


「ちょっと!急に変な事しないでよ!」

「すまんすまん、気になることがあってな」


 改めて帰路につく。ノイシュタイン、どこかで聞いた名前だ。ノイシュタイン……ノイシュタイン……


「あ」


 イリス・ノイシュタイン。あの屋敷にいた幽霊で、件の事件で殺された貴族の一人娘。

 そしてDPSに出てくる登場人物(プレイアブルキャラ)だ。

次回投稿日はいつもどおりです

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