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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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26 旅の始まり

年度末なので初投稿です

 街を出ると西へ進んだ。ルート的には出発場所であるイースガルドから王都セントガルド、そしてウェストガルドを越えてブリタニア王国を抜け教国を目指す。まず最初の目的地は王都である。

 守護騎士(ガーディアン)聖女(イザベラ)は馬車、俺とアリスはそのまま乗馬で俺が鞍に跨り手綱を引き、アリスは俺の前に座っている。どっちが馬に乗るかでひと悶着あった後二人とも乗る方向で落ち着いた。


「しかし何故今回の護衛にスレイ一人だけなんだ?」


 普通に考えて特別な人間を護衛するのに一人だけなんてありえないだろうに。


「実は聖女様の情報は僕とある聖女様しか知らない秘密の任務でね、大人数を連れて来れなかったんだ。それに、ここら辺の魔物なら魔除けの結界で追い払えるし人間なら夜襲される前に気付けるからね。ただの人ならむしろ僕の邪魔になります。」


 すっげえ自信、守護騎士の名は伊達ではないのか。


「うーん、もしかして俺達邪魔だったりする?」

「あっ!いえいえ、ユートの様な強い人なら大歓迎ですよ」

「一度も戦ってないのにか?」

「見ただけでもある程度は。それに握手した時に重心の位置や大体の力の強さも分かりますし、そうですね……冒険者クラスで言うなら上級ランクなんじゃないですか?」

「残念ながら下級ランクの5等級だ」

「ご主人様とワタシが冒険者になったのは1か月ほど前ですからね」


 冒険者ギルドには上中下のランクと1〜5の等級があり、達成した依頼数や難易度で等級が上がる。

 等級に応じた依頼が振り分けられていて、等級が上がれば金額の多い依頼が用意されるが、その分依頼の難易度も上がる。冒険者ギルドに入って半年も経ってない俺達は一番下の等級だ。


「そんなまさか!もしかして噂のヒュージスライム殺しの?」

「どんな噂が流れているのかは知らないけどここら辺でヒュージスライムを倒したっていう噂の大本は俺達になるな」


 なんでも吟遊詩人が『若き英雄の歌』として歌っているのを王都で聞いたらしい。

 ある日二人の男女が上級ダンジョンに挑みに来たという

 曰く男は勇者の息子だ。

 曰く女はかの国王の隠し子だ。

 二人の結婚を阻止するために国王が二人に試練を与えた。

 国王は諦めるかと思ったが二人は試練のヒュージスライムどころか迷宮主の首を持ってきた。

 国王は二人の愛と絆に感動し、結婚を認めた。

 大まかに聞くとこんな感じらしい、どこの誰だか知らないが尾ひれはひれ付けて流しやがって……!


「流石に2人だけで上級ダンジョン攻略は無理があるだろ」

「吟遊詩人は話を誇張するから、正直ヒュージスライムも与太話だと思ってたけど、君達なら納得だ」

「そんなにかあ?」


 確かに秘密の特訓は行ったがぶっちゃけそこまで強くなっている自身は無い。

 中級ダンジョンに行って分かったのだがヒュージスライム……というよりは上級ダンジョンの魔物は本当に桁違いだと実感できる。

 たとえ中級の迷宮主が束になってもヒュージスライムは無傷で全滅させるだろう。そんなのが階層主の中では弱い方なのだからマジでどうなってんだ上級ダンジョン。


「結婚……ご主人様と……ワタシが……結婚……結婚……」

「アリス?どうかしたか?」

「ふぇ?!な、なんでもございません!」


 ふとアリスを見ると頬を染めて何やら呟いている。何か気になるところでもあったのだろうか。


「あー、もしかして尻が痛くなったか?馬の上って結構揺れるからなあ」


 鞍が木製のサドルに革を一枚張っただけの簡素な造りでまあ硬い。乗馬していると痔になりやすいって聞くのは本当なんじゃないか?


「確かに騎乗は慣れてないとかなり気を遣うからね、御者台に乗るかい?」

「あの、ええと、決してそういう訳では……」

「でしたらこちらにいらして下さいます?」

「聖女様、すみません騒がしかったですか」

「いえ、賑わってとても良いのですが馬車の中はあたし一人で少し寂しかったの」


 笑顔で喋ってはいるがあれは結構キてるな。


「アリス、聖女様の話し相手になってくれないか」

「あ……わかりました、失礼します」


 アリスは立ち上がると音もなく馬車に飛び移りドアを開けて入っていった。


「彼女は身軽ですね、防具も必要最低限ですし」

「本人的には全部無くてもいいらしいけど、もしもの時に少しでも助かる様に装備させたんだよ」

「そうなんですか?本人が要らないなら無理に着けさせる必要はなくないですか?」

「防具あった方が安心すると思うのだがなあ」

「安心は隙を生み、そして隙は死を呼ぶ。だから安心を求めて防具を求めるのは愚かな行為と僕は教えられましたね」


 思考が蛮族すぎる。確かにスレイは兜もしてなければ鎧もブレストプレートのみだ。


「それって冒険者とか守護騎士の一般常識だったりするのか?」

「いえ、リータス流剣術の教えですのでそんなことは無いかと」


 ちゃうんかい。しかし思い返せば冒険者でも防具をつけてない奴は居た気がするな。いやいや、そういう連中は後衛職だわ。


「……いい天気だなあ」

「そうだね、最近忙しかったからこんな穏やかな気分は久しぶりだ」

「馬車静かじゃない?」

「魔法術式のおかげで中は全然揺れないし音も遮断できるからね」


 このまま何も起きなければいいんだけどなあ。

コミケも中止か……

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