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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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25 出発

冬アニメも終わるので初投稿です

「それで、遅刻した理由を聞こうじゃないか?」

「えーっとですね、街の南西にあるダンジョンからの帰りに寄った村で病が蔓延していまして、近くの山に薬になる月夜花の群生地があると聞き、採取しに行って村人全員に飲ませていたら夜が明けまして、村人が馬を貸してくれるとの事でしたのでたった今戻った次第であります」


 今は昼前、出発時刻にギリギリ間に合った感じだが教会の前には凄い豪華な馬車とまんま勇者みたいな恰好の男が居た。

 その男の前には司教が出っ張った腹を窮屈そうに畳みながら媚びへつらっており、俺達を見つけると顔を真っ赤にして近づいてきた。


「まあまあ司教様、約束の時間には着いたのですから」

「聖女様、しかしですね……」

「良いじゃないですか、病はその内疫病となり、この街、ひいてはこの国の脅威となりましょう。それを未然に防いだのです。評価こそすれ、叱責することはないでしょう」

守護騎士(ガーディアン)様まで……冒険者よ、御二方の寛大さに感謝しなさい」


 だからなんでお前が偉そうなんだよ……とは思っても今回は口に出さない。出さないってば。

 それとこの手を差し出してきた白銀の鎧をまとった爽やか系イケメンが守護騎士だったのか、うわあ顔面偏差値たっか。

 差し出された手を握り握手をすると、守護騎士の眉がピクリと動いた。


「貴方、なかなか強いですね……冒険者なのがもったいない位だ」

「え?はい、ありがとうございます。そういう守護騎士様は滅茶苦茶強いですね」

「僕の名前はスレイ、スレイ・E・リータスだ。気軽にスレイと呼んでくれ」

「俺は結人、こっちはアリスだ。しかし守護騎士様をそんな気軽に名前を呼べませんよ」

「これから旅をする仲間なのです、そんな肩ひじ張っていたら気疲れしてしまうだろう?それに僕も気を使われるのは好きじゃないのです」

「それなら分かった、よろしくなスレイ」

「よろしくお願いいたします。スレイ様」

「ところでユート、この可愛らしいレディは?」

「彼女はアリス、俺の従者をしている」

「アリスです。よろしくお願いします」

「従者……?どうやら訳ありの様だね。深くは尋ねないよ」

「そうしてくれるとありがたい」


 なんか握手してる手が一瞬強く握られた気がするが気のせいか?というかいつまで握っていればいいのか。


「んっんんっ!守護騎士様、そろそろ出発のお時間ですので準備の程を」

「あぁすまない!では出発の儀式をやろう、ユートもアリスさんもこっちに来てくれ」

「いまから何が始まるんです?」

「なに、ちょっとしたおまじないだよ」


 馬車の前に俺とアリス、スレイの3人が立つ、イザベラは既に馬車の中の様だ。

 そこに対面に司教が立つ、その手には大きな団扇を持っていた。


「大いなる主の子らよ、果て無き旅路を進む者よ。旅の神からの追い風を」


 司教が団扇を振ると緑色の光が宙を舞った。その光は俺達に降り注ぐとそのまま消えてしまった。

 司教が唱えた言葉はよくある旅の無事を祈る祝詞だ、冒険者ギルドでも受け付けのお姉さんが言ってくれたりする。


「今のは真聖術としての正式な旅路の祈りです。ちょっとした怪我や呪いなんかを防いでくれます」


 じゃああの団扇は司教の杖なのか、しかしどう見てもアイドルを見に行くお姉さんが持ってるデコ団扇なのでギャップがすごい。

 俺の視線に気が付いたのか司教が自慢げに団扇を見せてきた。


「気が付いたか?これはただの杖ではないぞ。これは神器を模倣して作らせた特注品なのだからな。作るのには苦労した。なにせかの教国から許可を頂くのに一年以上の……」


 やっべ話が長くなるパターンだこれ。


「司教殿、その話は旅の後にゆっくりお聞かせください」

「う、うむ。そうでしたな守護騎士様。では聖女様をお頼み申し上げます」

「それでは皆さん、行きましょう」


 スレイは御者台にひらりと乗ると馬車をゆっくりと走らせた。

 俺達もそれについていく、この借りた馬どうしよう?そのまま教国まで連れていくわけにはいかないし、そもそも馬のレンタルと保存食の購入はギルドに申請しているので取りに行きたい。


「スレイ、さっきはありがとうな」

「なに、僕もああいう手合いは苦手でね。少し強引だったが逃げさせてもらったよ。それより君達は随分と軽装だけど大丈夫かい?」

「実は冒険者ギルドに準備した荷物があるんだが取りによっていいか?」

「ああ、構わないよ」


 快諾していただいたので早速向かった。


「はい、ではこちらが借用します馬と購入した保存食約一か月分です」

「ありがとう、あとこの馬を南東の“毒薬の大湿原”前にある村まで届けて欲しいのですが」

「でしたら依頼を出されるのがよろしいかと、馬の輸送でしたら依頼難易度は下の4、報酬は銅貨5枚ですね」


 素泊まり宿1人分にちょっと色を足した程度か、じゃあこうしてっと……


「じゃあこいつをお願いします」

「はい、承りました。……ってちょっと?!」

「すいません今急いでいるので!足りなかったら適当に報酬上乗せしておいてくださいー!」

「足りなかったら報酬上乗せって……」


 依頼:馬と食料の輸送

 依頼者:ユート

 内容:南東にある“毒薬の大湿原”前にある村まで借りた馬を返してほしい。村は流行り病が蔓延していたので月夜花の煎じ薬を事前に飲んで行く事を推奨する。村人が病で弱っているので栄養のある食料を持って行ってほしい。

 報酬:馬と食料の輸送で銅貨15枚、月夜花の煎じ薬の人数分の代金、、村に置いてきた大湿原の迷宮主(ダンジョンボス)戦利品(ドロップアイテム)20回分


「これ内容も報酬も滅茶苦茶ですよー!」

馬の運搬だけじゃないし、報酬もバカ高い

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